広蔵市場のグルメ、これでバッチリ完全制覇!?
 2015/08/01 吉村剛史(トム・ハングル)

ソウル・東大門の近くに位置する、広蔵市場(クァンジャンシジャン)。ソウル旅行を取り上げたテレビ番組のなかで、屋台グルメが食べられる市場として登場するのが、この市場。

韓国で最も古い常設市場として、100年以上の歴史を誇ります。ソウルには様々な市場がありますが、ビギナー、上級者ともに、おすすめしたいのが広蔵市場。南大門市場のように外国人観光客が多い市場よりも、地元ローカルな雰囲気が魅力です。

そんな広蔵市場を見ていきましょう。

広蔵市場をおすすめするワケ

地方各地を回ったなかでもやはり最も人に薦めたい市場は、広蔵市場。ソウルの中心部に位置するだけに。現地の方や観光客、若い女性の姿もみられ、世代や国籍問わず様々な人が訪れます。

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広蔵市場の椅子に腰かければ、地元の人たちに溶け込んだような気分にさせてくれます。平日は夕方になると、仕事帰りの人たちが三々五々とやってきて、料理をつまみながら焼酎やマッコリを飲み始めるのです。

これだけお店が多く、訪れる人も多いだけあって、食べものの味も洗練されています。値段もお手頃ですし、韓国の市場の雰囲気が存分に感じられます。また観光市場ではない地元の市場だけに、ぼったくりのような話も一切聞きません。

「冬は寒いでしょ!?」という方もご安心を。もちろん外気は寒いので冬場は防寒対策が必須ですが、椅子はホットカーペットのように温められているので安心。日本ではあまり食べられなくなったユッケが食べられる店があることでも知られています。

地元の人たちとカウンターに腰掛けて

日本人が韓国の市場を訪れ、ウキウキするものと言ったら屋台で食事をすること、という方も多いのではないでしょうか。

屋台を灯す電球が暖色。市場のおばさんたちが、やってくるお客さんたちを迎える気持ちが反映されているかのような、そんな色にも見えて、吸い込まれるようにカウンターに座ってしまうのです。

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長椅子にひょいと腰かけて、カウンターの前にどっさりと並べられた食べものを見ながら注文をします。私も今では慣れましたが、はじめての頃はひとりでひょこっと入り込み、食事をするのもドキドキしたものです。

「日本人ですか?こんばんは。」たまたま隣にいた背が高く若い男性が話しかけてきました。話したいという雰囲気よりも、勉強した日本語を使ってみたかったのでしょう。私もそのときは帰りぎわだったので、「こんばんは」とだけ答えて、お互い笑顔で別れました。

こういうちょっとしたやりとりも、旅行の楽しみ。長椅子のカウンターに腰掛けていると地元の人と距離が近く感じられます。

広蔵市場のグルメを一挙に紹介!

さて、この広蔵市場にはおいしい食べものがたくさんあります。ピンデトク(緑豆チヂミ)、ユッケ、麻薬キムパプ(海苔巻き)などなど。今回は広蔵市場の食べものを写真入りで紹介していこうと思います。

●ユッケ

広蔵市場にはユッケのお店が何件か並ぶ通りがありますが。こちらは「チャメチプ(자매집)」というお店のユッケです。

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日本では食べられなくなってしまいましたが、韓国に来れば食べられます。値段も12,000ウォンとお手頃です。卵で肉がまろやかに、そして梨が入っており、さっぱりと食べられます。

●ピンデトク(緑豆チヂミ)

そして次の写真はピンデトク(緑豆チヂミ)。「スニネピンデトッ」は毎日夕方になると行列ができています。韓国人は雨が降るとジョン(チヂミ)を食べたくなるといいますが、雨が降った日には、さらに混みあいます。

鉄板の上でチヂミを焼く音が雨の音と似ているから、という説もありますが、広蔵市場の中央部に行ってみると、鉄板のうえでジュージューと油で揚げるように、パチパチと音を立てて焼いている光景を目にします。

さっそく腰かけて1枚食べてみることにします。周りはサクサクっとしながらも、なかはしっとりのピンデトッ(4,000ウォン)。緑豆を挽いたものを、油で焼いたのがピンデトッ。「チヂミ」といっても通じます。

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また、ピンデトッの店で売られているのが、コギワンジャ。コギは「肉」の意味で、豚肉や玉ねぎなどを団子状にしたものを油で焼いたもの。こちらは2枚で4,000ウォン。

少々脂っこく感じられることもあるので、ひとりで食べるならピンデトッ+コギワンジャのセット(6,000ウォン)がおすすめです。これで十分お腹いっぱいになれるはず。

ピンデトッなどチヂミの類にあうお酒はマッコリ。ソウルのマッコリでは「長寿(チャンス)」という銘柄が有名ですが、クッスンダンという会社から「テバク」という銘柄も出ています。

お酒が飲める方は、マッコリを飲みつつ、市場の雰囲気を感じながら味わってみましょう。

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有名なお店は「スニネピンデトク」、そして「パクガネピンデトク」。どちらのお店も大きな差はありませんが、若干ながら異なるため、お腹に余裕がある方は両方を食べ比べてみても良いでしょう。

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上の写真は、最も有名な「スニネピンデトク」のもの。店舗を構えていると同時に、屋台でもお店を出しています。屋台で市場を歩いていると最も目立つ店がこの屋台だと思います。2人以上で行くと分け合って食べられるのでよいでしょう。

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ピンデトッ以外にも、市場内では複数の種類のチヂミ(韓国では例えばキムチチヂミの場合、キムチジョンというのが一般的)を提供している店もあるので、こちらもまたおすすめです。

●タラのあら鍋(メウンタン、매운탕)

下の写真は「ソウル食堂」のメウンタン。メウンタンは、直訳すると辛い鍋。メウンタンというと、刺身を注文した時に魚のあらで作った鍋であることが多いですが、ここではタラの身もたっぷり入っています。

このソウル食堂では、マダラ、スケトウダラの2種類が用意されており、選ぶことができます。切り身を中心に、タラの白子などが入った鍋料理です。みずみずしいたっぷりの野菜と、魚の味がしっかり染み込んだスープです。

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辛みは比較的抑えられていて、とってもさっぱりしているので美味しいです。お店の前を通りかかるとタラや、卵、内臓や野菜がたっぷり乗せられた鍋が見えるので、魚が好きな方は一度は食べてみたいと思うものです。値段も手ごろで1人前あたり8,000ウォン。焼酎のツマミとしておすすめです。

ちなみにソウル駅から南へ1駅ほどの三角地駅周辺にはテグタン横丁があり、セリたっぷりのアツアツの鍋が食べられます。こちらもおすすめです。参考:三角地のテグタン横丁

●麦飯のビビンバ(ボリパプ、보리밥)

さて下の写真は、ビビンパです。広蔵市場の屋台には麦飯のビビンパを出すお店がいくつかあります。

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10種類以上もの野菜をご飯のうえにたっぷりのせ、食物繊維が豊富な麦飯としっかり混ぜ合わせて食べます。洗面器より一回り小さいサイズなので、食べなれていない人は量が多いかもしれません。

ときどき韓国の女性たちがこの大きさのものを豪快にしっかり食べているのを見ると、何だか好感をもてます。大量の野菜を食べて、それでおなか一杯になるので太らないのでしょうか。ビビンパの値段は、どのお店も5,000ウォンです。お手頃な健康料理ですね。

●麻薬キムパ(麻薬海苔巻き、꼬마김밥)

さて、下の写真は「麻薬キンパ」といわれる韓国式海苔巻きです。決して本物の麻薬が入っているわけではなく、「食べだすと止まらない」という意味から、こうよばれるようになりました。

本来の名前は「コマッキムパプ(꼬마김밥)」。「小さい、チビ」という意味の海苔巻きです。

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一口サイズの海苔巻きを、芥子醤油につけて食べます。もともと韓国の海苔巻きには醤油を付けて食べないので、オリジナル感が出たのでしょう。大きさが小さいからパクパクと口にしてしまうのです。 ※当初わさび醤油と表記していましたがカラシ醤油とのご指摘をいただきました。ありがとうございました。

値段は2,500ウォン!市場で食べてもよし、テイクアウトしてお酒を飲んだ後の夜食にもよし!

●刺身

次にお刺身。お刺身は日本でも食べられるので、わざわざ韓国で食べることはない、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、一応写真をアップしておきます。刺身が入った冷蔵ショーケースを見ていると、ふらっと立ち寄りたくなります。

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韓国の刺身店では刺身を注文すると、一匹を丸ごとさばいて大皿に盛って食べるのが一般的ですが、ここでは日本式にも似ています。

一皿20,000ウォン。2人でつまむぶんにはちょうどよい量だと思います。もちろん食べ方は韓国式で、チョコチュジャン(コチュジャン+酢)や、わさび醤油につけたり、ニンニクや唐辛子といっしょに包み野菜に包んで食べます。

屋台で商売をされている方は、魚の日本語名もよく知っています。

●カルグクス
カルグクスは、韓国式のうどんです。注文すると、麺をまな板の上でうどんを切ってくれます。屋台の椅子に腰かけつつ、しばし茹で上がるのを待ちます。値段は5,000ウォン。キムチ餃子が入った、カルグクスを食べてみてもよいでしょう。

夏の暑い時期に、あつあつのカルグクスを食べるのもよいものです。もちろん冬もよし!

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●粥
お粥というと、風邪などで体が弱っているときに食べるイメージがありますが、健康食としても知られています。市場ではカボチャ粥、小豆粥、そしてアワビ粥をいただくことができます。

ちなみに韓国粥はお粥の種類によっても異なりますが、もち米を使っていたり、先にごま油で炒めておいたり、という違いもあります。

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[カボチャ粥]

おなかの空き具合にあわせて、量を選ぶこともできます。値段はお店によっても異なりますが、カボチャ粥、小豆粥は3,000~6,000ウォン。アワビ粥は6,000~10,000ウォンです。

広蔵市場の屋台街は朝9時前くらいから徐々に店が開きだすので、遅く起きた日の朝食にもよいでしょう。

韓国の市場の醍醐味は広蔵市場にあり!

タイトルで「これでバッチリ完全制覇!?」としたのは、私がおすすめする代表的なものをお伝えしただけで、他にもあるからなのです。ここで紹介した以外にも、ぜひ広蔵市場を訪れて、探してみてください。

ソウルのなかで、とくに地元感で溢れていながらも、観光客が訪れやすい、広蔵市場。ぜひお酒を飲みながら地元の人と仲良くなれたら、その旅はより楽しいものになるはずです!

広蔵市場の地図

最後に、広蔵市場の略図を載せておきます。7番出口または8番出口を直進すると、それぞれ右手、左手に屋台街が見えてきます。

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広蔵市場の地図

市場のおばさんたちの手招きや呼び込みに反応しながら、お目当ての店を探してみてください。同じメニューでもいくつかお店があります。直観でお店に入ってみましょう。

広蔵市場以外のソウル・おすすめ市場

南大門市場が韓国旅行初級・ビギナー向けというならば、より地元の雰囲気が感じられる広蔵市場は中級レベルに値するでしょうか。さらに一歩踏み込むなら通仁市場や、孔徳市場がおすすめ。

ソウルで海産物を味わうなら、鷺梁津水産市場。焼肉を味わうなら馬場洞畜産物市場もよいでしょう。

地方でも広蔵市場のような雰囲気を味わいたい、という方には、大邱(テグ)にある西門市場がグッド。大邱で最も大きな市場で、活気に満ちています。ククスなどの麺料理、ナプチャクマンドゥ(ぺたんこ餃子)など、庶民的でチープグルメを味わうことができます。



トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
市場はまさに庶民の台所。屋台で食事をしていると、話しかけてくる人もいるので、地元の人との交流できるのが魅力的。ごくまれに政治問題をふっかけてくる人もいますが・・・、あまり気にすることはありません!上手くかわしましょう。

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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。31歳。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、地方にも関心が高い。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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