鷺梁津(ノリャンジン)水産市場、「カップ飯」通りの新旧を調査!
 2014/07/13 改:2017/01/25 吉村剛史(トム・ハングル)

ソウル駅から地下鉄1号線で南へ約10分のところにある、鷺梁津(ノリャンジン)。ここには韓国最大の水産市場、鷺梁津水産市場(ノリャンジンスサンシジャン)があります。

市場で購入した魚をその場でさばいてもらい、食堂に持っていくと刺身や蒸し物、あら鍋に調理してくれます。活気あふれる市場のなかで、新鮮な活魚を味わえるのが魅力です。

鷺梁津水産市場は、老朽化のため、2016年春から順次、隣の新しい建物へと移転しています。すぐ隣なので大きな変化はありません。

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[移転後の鷺梁津水産市場]

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[移転前の鷺梁津水産市場]

鷺梁津水産市場のシステム

鷺梁津水産市場では業者向けの卸売も行われていますが、一般向けの小売も行われています。それぞれの店の水槽にいる魚を引っ張り出してくれます。

●市場で魚を購入
韓国では刺身として白身魚を食べるのが一般的。多くの場合は1kgの値段で決められています。

少し多めに買って何かをオマケしてもらうくらいが楽しいでしょう。目安として1Kg当たり、ヒラメ(광어):20,000ウォン~、クロソイ(우럭):25,000ウォン~、などです。

白身魚の刺身とともに、旬の時期に合わせてそのほかの魚も選んでみましょう。大勢で行くほうがいろいろなものを食べられるのでおすすめです。

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魚は買った店でさばいてくれるので、それを食堂に持っていき、調理してもらいます。

●市場の食堂で
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食堂に入ると、1人当たり4,000~5,000ウォンの基本料金(席代、キムチなど込)がかかります。これで刺身基本セットが含まれているので、刺身だけを食べる場合は基本料金でOK。

それ以前に「魚のあら」をとっておき、鍋にしてもらうこともできます。鍋の金額は15,000~20,000ウォン程度。焼いてもらう場合は5,000ウォンくらい。(金額は店によって多少異なります。)

韓国の水産市場では、このように市場で選んだ魚を調理してもらうスタイルです。

予備校の街、鷺梁津(ノリャンジン)

一方で、鷺梁津といえば「行政考試」と呼ばれる、日本でいうキャリア官僚の試験や、公務員試験の予備校街として有名な町です。特に地方から出てきた予備校生、浪人生は、考試院(コシウォン)と呼ばれる狭い部屋に住んで、勉学に励みます。

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[リニューアル以前の屋台]

そんな鷺梁津には、学生たちのおなかを満たす食べ物屋台が並んでいます。地下鉄1号線鷺梁津駅を出て道路の向かい側、歩道橋を渡った先に十数軒がずらり。これをここでは「路上学食」と呼ぶことにしたいと思います。

そもそも日本語のメディアで「カップ飯」通りを紹介したのは、筆者が当時所属していた旅行サイトの「WoWSeoul」だったと思います。汝矣島を紹介する記事で、2013年頃、記述されました。参考:ワウソウル

この鷺梁津(ノリャンジン)には、他の地域にはないユニークな屋台フードがあることで知られています。しかしそんな露天商も、一時期は廃止の危機に。

2012年12月には屋台が不法だとして、摘発にあったとのこと。地域の商店や通行人から苦情があったことにより、行政が動きだしたのだそう。

結局は不法屋台のほうが人気があり、商店を脅かしていたのでしょう。その後復活することとなり、再び営業を開始しました。

さらに2015年末にリニューアルを遂げる形で、より衛生的な屋台に生まれ変わたのです。

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[リニューアル後の屋台]

この「路上学食」には、他の街では見慣れないものがたくさん!ちょっと立ち寄ってみれば、いつもの韓国旅行とは一味違った面白さが感じられることでしょう!それでは、鷺梁津の路上学食(屋台フード)を見ていきましょう。

安くてボリューム満点の、カップ飯

鷺梁津(ノリャンジン)の路上学食で名物になっているのは、カップごはん。韓国語でいうと「コッパプ(컵밥)」。これこそ学生たちに嬉しいボリュームたっぷりのご飯です。

カップにはキムチチャーハンのような味の付いたご飯が入れられ、そのうえにお好みのトッピングをしてもらうシステムです。

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卵やスパムがごはんのうえに乗せられています。これもかなりのボリューム!韓国のお茶碗の1.5~2倍くらいの分量があるでしょうか。

とくに若い男子学生にとっては嬉しいところでしょう。価格もだいたい2,500ウォン位からで、トッピングによって異なります。

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これがごはんの正体。ネギや海苔やらが混ぜ込まれたご飯です。あらかじめ作っておいて保温してあるようです。そしてお客さんが注文すると同時に、トッピングの準備をはじめます。

屋台の鉄板のうえで、ジューっと焼き出し、ご飯をカップによそい、卵やスパムが出来上がったら「アツアツ」の状態で載せてくれます。

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「アツアツ」なのはご飯だけではありません!屋台にはアツアツのカップルが「あーん」と口を開けている彼氏の口に放り込んでいます。熱さだけでなく、どことなく甘さを感じるカップルの姿。お味はいかがですか?

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カップ飯人気は衰えることなく、2013年ごろにはコンビニでもカップ飯が販売されるようになり、ちょっとした流行になったようです。しかしコンビニで食べるよりも、屋台で食べるほうが暖かくて美味しい!

珍しい!カレートッポッキ(カレートッポギ)

韓国のおやつとして、20世紀後半からロングセラーを誇るトッポッキ(餅の甘辛炒め)。今や日本でも知られるようになりましたが、コチュジャンで味をつけるのが一般的。でも鷺梁津ではちょっと異なります。なんとカレー粉をいれた「カレートッポッキ」を販売しているのです。

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写真で見ると、一般的なトッポッキと違いがわかりません。少し色が薄いかな?カレー色を帯びているかな、というところですが、たまたま作っているところに遭遇!ここでお願いして一枚撮らせていただきました。カレー粉をまぶしているところです!これでカレーが入っていることがお分かりでしょう。

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ちなみにこの「カレートッポッキ」は、韓国文化雑誌『スッカラ』の2012年11月号でも紹介されています。

鷺梁津(ノリャンジン)・路上学食のメニューはほかにも!

こちらはチキン!フライドチキンがばら売りされている、というのも他ではあまり見かけません。価格は1000ウォン。アルミホイルがついていて、持ちやすくなっています。フライドチキンの店に入る余裕がなくても、これなら軽く小腹を満たせそうです。

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おでんやアイスまで安心価格!

そして、こちらの屋台ではおでんやアイスクリームを販売しています。通常のおでんは1本500ウォンからですが、こちらではなんと200ウォン、300ウォン、500ウォンがあります。単価が小さいというのは、やはり学生の懐にやさしい。この価格は大学周辺でもほとんど見かけることはなく、地方でもほとんど見かけません。

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最後にアイス!韓国のポン菓子(ポンティギ)を使ったアイスです。ここでは出来上がったポン菓子にアイスを挟んでくれます。1個1000ウォン。買った写真を撮っていたら、アイスが出てくる瞬間まで写真をしっかり撮らせてくれました。ポン菓子の話題は以前の記事「韓国のポン菓子と杖菓子に迫る」をご覧ください。

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水産市場と「路上学食」~古きも新しきも

公務員予備校が多い、鷺梁津(ノリャンジン)。経済の悪化により日本と同様、韓国でも公務員は人気の職業となっています。

ただ、公務員の給料が民間より低く人気が落ちている、というニュースもありましたが、やはり安定的なのは魅力なようです。

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そんな公務員を目指す学生たちの財布にやさしくボリューム満点な屋台フードは、リニューアルされても人気です。

鷺梁津エリアは水産市場の新築移転と、屋台街のリニューアルにより、2016年、大きな変化を遂げました。歴史ある水産市場の街も新しく生まれ変わっているのです。



トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
・「ポン菓子アイスの特許とらないんですか」とお店の方に聞いたら「そんなのいらないよ」と首を振ってました。
・カップご飯の威力と絶大な人気は、近くの飲食店に打撃を与えるほどのようです。
・刺身を食べる前にカップ飯を食べるとおなかいっぱいになるので、ご注意を。

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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。31歳。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、地方にも関心が高い。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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