エネルギッシュなソウルの中心!文化スポット&グルメも魅力の光化門
 2017/10/19 吉村剛史(トム・ハングル)

首都ソウルの中心ともいえる光化門広場。朝鮮王朝の正宮・景福宮の正門にあたるのが光化門(クァンファムン、광화문)です。

背後には北岳山(プガクサン、북악산)がそびえ、風水地理的に最も良いとされる場所に建立された景福宮。光化門広場からその景色を望むと、心なしかパワーを受けるようです。

名曲でも唄われた光化門

光化門は景福宮の正門として1394年に建てられましたが、戦乱や火災のほか、日本統治時代の移築などで幾多の改築・改修を経て、今の姿へと至ります。


[光化門の夕景]

この前方にある光化門広場は、中央の車線をふさぐ形で2009年に完成。かねてからある李舜臣将軍像のほか、新たにハングルを創製した世宗大王の像が設置されました。

そんな光化門は、1988年の名曲、イ・ムンセ(이문세)の『光化門恋歌(광화문연가)』でも詠われ、その後ミュージカルにもなり、日本でも上演されたことから、韓国通の方はご存知の方も多いでしょう。

 
[『光化門恋歌』]

曲のなかでは徳寿宮石垣道(トルダムギル、돌담길)とともに、「光化門交差点(광화문 네거리)」という歌詞が出てきて、別れと歳月の流れをしみじみと感じさせる歌謡曲です。

最近では2014年にSUPER JUNIORのキュヒョン(규현)がソロとして、バラード曲『光化門で(광화문에서)』をリリース。これもヒット作となりましたが、今後も名曲として歌い継がれることでしょう。日本語バージョンもあります。


『光化門で』

韓国語の歌詞には「光化門街路樹(クァンファムン カロス、광화문 가로수)」という言葉が出てきます。木の葉が染まる秋の風景が描写され、心にしみるバラードとなっています。

文化スポットが光化門の名所!

光化門の最寄り駅は地下鉄3号線の景福宮駅と、地下鉄5号線の光化門駅。光化門広場からは少し離れますが、地下鉄1号線の鐘閣駅からも歩いて行けるところに位置しています。ソウル・光化門のエリア情報

光化門周辺には数々の博物館ほか、文化施設が点在。景福宮の正面に位置する光化門広場には李舜臣将軍の像と、世宗大王像があり、地下はそれぞれのテーマ博物館。

西側の歩道には世宗文化会館、広場の東側には大韓民国歴史博物館、西へと5分ほどで歩くとソウル市立歴史博物館があるなど、周辺には文化スポットが点在。

そういった理由から、2010年頃、ニューヨークの劇場街「ブロードウェイ」に倣った、「世宗ベルト(세종벨트)」構想さえ生まれましたが、結局は中断した形になっています。とはいえ文化施設が多いのはこの光化門エリアの特徴でもあるのです。

観光客にもおすすめの博物館

外国で博物館を訪れるなんて、言葉がわからないと楽しめない、と不安に思われる方もいらっしゃるでしょうし、博物館のようなハコモノを訪れる場合、人によって興味の差があるとは思います。

しかし最近の博物館はビジュアル的な要素もより多く取り入れられ、限られた時間で楽しむにも最適。なんとも嬉しいのは、博物館が無料だということ!そこで、光化門周辺の博物館をご紹介したいと思います。

●国立民俗博物館
景福宮の西側の一角にあるのが国立民俗博物館。なんとこの場所に五重塔が建てられています。この博物館では韓国人の生活を知ることができます。


[国立民俗博物館]

この博物館では、韓国人が一生のうちに経験する出産や結婚といった人生儀礼の数々や、人々の暮らしぶりを感じさせる装飾品の展示などがされています。

「生活」という誰にでも身近な視点で、韓国の伝統的な暮らしを学ぶことができるので、誰もが関心を持ちやすい内容となっています。

博物館外の展示スペースには、韓国の伝統家屋、韓屋が移築されていたり、近代のレトロな街並みが再現されており、インスタ映えスポットにもなっています。

国立民俗博物館
公式ホームページ

●大韓民国歴史博物館
光化門のすぐそば、アメリカ大使館の隣にある大韓民国歴史博物館は、近現代史中心の博物館。大韓民国成立は1948年ですが、その始動ともいえる19世紀後半から扱われています。


[大韓民国歴史博物館]

とくに日本からの解放後の展示が見もので、目覚ましい発展を遂げた韓国の現代を垣間見ることができます。流行した映画のポスターや初の国産車などの展示もあります。

今に近い時代のことが中心のため、親近感を持って楽しむことができるはずです。大統領執務室はなかなかインパクトがあり、大統領の椅子に腰かけて写真を撮ってみてはいかがでしょうか。

大韓民国歴史博物館
公式ホームページ

●ソウル歴史博物館
ソウル歴史博物館は、光化門交差点から西側に歩いて5分ほどのところに位置する博物館。ここでは漢陽から漢城、京城、そしてソウルへと移ってきた変遷がビジュアルとともに理解ができます。


[ソウル歴史博物館]

見ものなのはソウル市全体の模型!リピーターの方々にとっては、自分の訪れた場所、これまで暮らした街などを探すのが面白く感じられることでしょう。

博物館の正面にはかつてソウルの街を走っていた路面電車が展示されており、内部へと入ることができます。

ソウル歴史博物館
公式ホームページ
定休:月曜日

光化門周辺のおすすめグルメ

光化門はソウルの中心。政府庁舎やアメリカ大使館や日本大使館が近くにあり、飲食店もちらほら。とはいえ観光客としては特徴があるお店に行ってみたくなるもの。


[光化門周辺の地図]

ふらっと路地に入って、お店を探してみたい方のために特色あるグルメ通りをご紹介したいと思います。

●世宗マウル文化飲食通り
光化門の西側、景福宮駅前交差点のすぐそばには、「世宗マウル文化飲食通り」があります。この路地には飲食店が密集しており、昔ながらの路地という雰囲気。

この市場はもともと、「禁川橋(クムチョンキョ、금천교)市場」と呼ばれていました。

鍾路のピマッコルのような風情ある路地が消えていくなか、世宗マウル文化飲食通りは昔の面影を残し、都会のど真ん中だけにたくさんの人が訪れます。


[世宗マウル飲食文化通り]

世宗マウル飲食文化通りにある有名なお店の一つが、「体府洞チャンチチプ(체부동 잔치집)」。チヂミやビビン麺、卵焼きといった簡素なメニューで、一品が1,000ウォン~5,000ウォン(100~500円)くらいの価格に集中。


[体府洞チャンチチプ]

マッコリを飲みながら、お財布にも優しいおつまみをたくさん注文して、おなかいっぱい食べられるのがよいところ。気張らずに入れる庶民的なお店です。参考記事:体府洞チャンチチプ

●慶熙宮カフェ通り
光化門周辺でもうひとつ私が注目しているのは、ソウル歴史博物館の裏手に位置する通り。ソウル歴史博物館のすぐ東側から入ることができ、なんとなく高級感が感じられるお店が多いのです。

この通りは慶熙宮ギル(경희궁길)と呼ばれており、ハイソなカフェ・レストランや、韓屋カフェが集まっています。

この通り自体には特に名前が付けられているわけではなりませんが、私は勝手に「慶熙宮カフェ通り(경희궁 카페거리)」と呼ぶことにしています。わりと静かなエリアで、それなりに高級感が感じられます。

慶熙宮カフェ通りにある「PUREARENA(ピュアアレナ)」は、人気アイドルグループJYJの広報を行う会社が運営していたこともあり、韓流ファンにもよく知られたお店。


「PUREARENA(ピュアアレナ、퓨어아레나)」

カジュアルな外観ですが、店内の棚には本などが並べられ、ステーキピビンパや、パスタなど、フュージョン料理が多く、ゆったりと過ごせる雰囲気。

普段通いのカフェとしてもよいですし、お食事はちょっぴり贅沢な気分に浸れる、わりとカジュアルなレストランでもあります。

PUREARENA(ピュアアレナ)
店舗ホームページ(韓国語)

光化門ではデモも行われる場所

光化門はときにデモが行われます。記憶に新しいのは、2016年に行われた朴大統領退陣要求デモ。1日に100万人を超える人たちが光化門広場を埋め尽くしたことがあります。

また2008年には米国産牛肉輸入を反対する大規模なろうそくデモが行われました。韓国の大規模デモが行われる場所がここ、光化門広場なのです。

昨今の韓国のデモはわりと緩やかな形で行われることが多く、歌や寸劇なども行われ、出店まで登場することもあるなど、端から見るとお祭りのようにも見えます。


[光化門・デモの様子]

デモが起こるからといって、今の韓国ではあまり心配しすぎる必要はありませんが、なかには過熱化して行動が過激になる人もいるようですので、その点はご注意ください。

600年を超える歴史をもつ首都ソウルの中心、光化門広場。景福宮の正門前に続く幅広い車線の道路こそ、韓国のエネルギッシュさの源泉のような気がします。

光化門広場は、韓国に住む人にとっては憩いの場であり、市民活動の表現の場として、観光客にとっては文化スポットを訪れる拠点として、これからも親しまれていくことでしょう。



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。31歳。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、地方にも関心が高い。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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