江陵(カンヌン)の観光は、江陵駅から湖のほとりへ!~オリンピック都市を歩く | 韓国&韓国旅行 | トム・ハングル

江陵の観光は駅と湖のほとりを歩こう~歴史と伝統が現代にも息づく街
 2018/02/03 吉村剛史(トム・ハングル)

江陵(カンヌン)は、韓国の東海岸に位置する人口約21万人の都市。韓国を代表する芸術家や儒学者を輩出し、朝鮮時代からの邸宅が残る歴史ある街です。近年では平昌五輪のスケート競技が行われることでも注目を集めています。

ソウルからは鉄道や高速バスを利用すると約2時間。江陵の観光スポットは、オリンピックの競技場も含め、海岸線沿いに位置する鏡浦湖のほとりに集中しており、足腰が弱くない方であれば歩いて巡ることもできます。

この記事ではいちどは訪れたい江陵の観光スポットと、現地での旅の仕方をご提案します。

江陵へのアクセスは、高速鉄道KTXが便利!

江陵へアクセスする手段はいくつかありますが、2017年12月に開業したKTXが便利。五輪開催期間中はソウル駅からの出発となりますが、五輪終了後は上鳳駅から出発する、という計画が有力です。

高速鉄道KTXを利用すれば、ソウル駅からは1時間54分。東ソウルバスターミナルからは最短で2時間20分です。


[江陵駅]

江陵を観光する方は、鉄道を利用するのが便利。江陵駅だけでなく、バスターミナルの前からも市内バスの発着が多いため、どちらを利用しても不便ということはありませんが、江陵駅からであれば主要観光地や市場、どちらに歩くのにも適した位置にあります。

もちろん主要なスポットをすべて歩いて回るのには時間がかかりますが、「徒歩でも回れる」というくらいに認識しておくのがよいでしょう。

湖のほとりを歩いて旅しよう~江陵(カンヌン)の地図

江陵では湖のほとりに主要なスポットが集中しており、歩いて旅することもできます。とはいえ行きたい場所へピンポイントで行くならタクシーや市内バスを使い、他に行きたいところがあれば「その場所から徒歩で散策する」というのも一つの手です。


[江陵の地図]

春には桜の美しい鏡浦湖を中心に、韓国を代表する書画家の申師任堂と、その子で儒学者の栗谷李珥の生家である烏竹軒、朝鮮時代の両班の邸宅、船橋荘といった歴史的建造物、海岸沿いには海水浴場やカフェ通りがあり、鬱陵島行きの船が行き来する江陵港といった江陵を代表するスポットがあります。

江陵オリンピックパーク・江陵市街地は、駅から徒歩圏内

●オリンピックパークは駅の北側
平昌五輪では、スピードスケートやアイスホッケーといった主にスケート競技の会場となる江陵オリンピックパーク。五輪開催時は江陵駅からシャトルバスが運行されますが、通常時はオリンピックパークを通るバスがありません。

江陵駅からはタクシーを利用する必要がありますが、歩いても15~20分ほどの距離。急いでない限り、歩いていくのもよいでしょう。


[江陵オリンピックパーク(撮影時工事中)・ホッケーセンター(右)]

●江陵駅の南西方向に中心市街地
江陵駅近くのロータリー交差点を南西方向に進んでいくと、大型スーパーのHomePlusが見えてきます。この建物には映画館があるほか、建物の裏手には江陵中央市場や、スポーツブランドのショップなどがあり、このあたりが江陵の商業街です。


[橙は江陵の中心街・紫は夜の繁華街]

江陵中央市場の地下には魚市場があり、お刺身や鍋を味わうなら、このあたりを訪れてみましょう。ヒラメやカレイ、クロソイやアイナメ、メナダなど様々な魚が並んでおり、刺身店ではその場で魚をさばいてもらうことができます。


[江陵中央市場、右側が魚市場入口]

ムルフェ(水膾)という刺身に酢コチュジャンを溶かした冷たい水をかけて、さっぱりと味わうのは東海岸の刺身の食べ方。ムルフェは15,000ウォン~、ヒラメなどの一点盛りの刺身は30,000ウォン~(2人前)。刺身を注文する場合は、あら鍋まで味わうのがベター。※値段やシステムはお店により違いがあります。

市場でお土産を買うなら、乾物店街へ。東海岸名物のイカ(20,000ウォン~)がつるされているほか、スープの具材などに使えるスケソウダラを干したファンテ(10,000ウォン~)などがおすすめです。


[乾物店街]

市場と同じ通りが、江陵の繁華街。人口が20万を超える中規模の都市だけあり、商業地が発展しています。コスメショップや、アウトドア用品、スポーツブランドのお店があり、「都会暮らしができる街」といった印象です。


[江陵の繁華街]

大型スーパーの”HomePlus”よりも江陵駅側が、江陵の歓楽街的なエリア。未成年の入場が制限されるカラオケ店や飲み屋街があり、24時間営業の飲食店が並んでいます。もし江陵に宿泊される方で、夜遅くに到着して食事をする方や、夜の街に繰り出すならこのエリアを訪れるとよいでしょう。


[江陵駅近くの歓楽街]

江陵の海岸通りはおしゃれスポットとしても注目!

江原道の東海岸の海辺は白砂浜の海水浴場が続き、その後ろには松林が続いているという特徴があります。とくに江陵市内の海辺は、都会から車を飛ばして訪れたいオシャレな雰囲気。刺身店はもちろんのこと、海岸沿いにはカフェも並んでいます。

●江門海岸(강문해변)
ここ数年「インスタ映えスポット」として注目されていたのが、江門海岸(강문해변)。鏡浦湖近くにある海辺のひとつです。ドラマ『彼女はきれいだった』のロケ地になったことから、一躍人気スポットに。

白砂浜にフォトフレームやハート型などの造形物が設置され、そこから顔を出して写真を撮り、インスタグラムに載せるのが流行っています。

夜になると海岸すぐそばにある江門橋がライトアップされ、海辺を彩ります。ここで食べられる手製バーガー(수제버거)が人気を集めており、若者たちであふれています。すぐそばには海水温泉があり、レジャースポットにもってこいの場所です。

●安木海岸(안목해변)
安木海岸もまた美しいスポット。江陵港近くから続く、海岸沿いのカフェ通りが有名です。80年代にコーヒーの自動販売機ができたことから、徐々にカフェが増えていき、カフェ通りが形成されたのだとか。

江陵では寒冷地ながらも、コーヒーの栽培が行われていたりもします。やはり江門海岸と同様、首都圏からもドライブで訪れるおしゃれスポットで、カフェの2階席からは海水浴場を見渡すことができます。デートにも最適!参考記事:安木コーヒー通り

アクセス:駅・ターミナルからバス利用

趣き深い歴史的な建物が集まる鏡浦湖周辺

江陵市内中心部から、北に3キロほどのところにある鏡浦湖。ラグーンの湖で、鏡浦湖のほとりにある「鏡浦台(경포대、キョンポデ)」は東海岸の景勝地として知られます。

この鏡浦湖周辺には、韓国を代表的する芸術家、儒学者、詩人たちの生家が集まっています。この湖の風景が、彼ら彼女らにインスピレーションを与えたのかもしれません。

●鏡浦湖(경포호)
鏡浦湖とそのほとりにある鏡浦台は、韓国焼酎『鏡月』のネーミングの由来となった場所でもあります。月見の名所でもあり、春には桜が咲き、多くの観光客でにぎわう場所です。参考記事:韓国焼酎「鏡月」のゆかりの地、江陵・鏡浦台へ行ってみた

時間がある方は自転車を借りたりして、散策を楽しむのもよいですが、まずはこの湖の周りにある歴史的建造物を巡ってみましょう。それぞれの場所は、ドラマのロケ地にもなっています。

●烏竹軒(오죽헌)
烏竹軒(오죽헌、オジュッコン)は、朝鮮時代の書画家・申師任堂(신사임당)と、その子である栗谷李珥(율곡이이)の生家。日本の重要文化財に相当する宝物165号に指定されています。


[烏竹軒]

庭園や公園といった雰囲気のなかに昔の建物がありますが、この母子が韓国の5万ウォン紙幣、5千ウォン紙幣の肖像として描かれており、ふたりの銅像があります。申師任堂は良妻賢母のイメージで認識されており、2017年にはドラマ『師任堂(サイムダン)』のロケ地にもなりました。

●船橋荘(선교장)
船橋荘もまた、鏡浦湖のほとりにある建物。朝鮮時代の両班(上流階級)の邸宅。元々は湖が目の前にあり、船で出入りしたことが名前の由来になっているようです。

最も古いとされる母屋を取り囲むように建物が立っていますが、別棟のようにたたずむ主人の居間・客間の舍廊(サラン)チェにはロシア公使館から贈られたテラスが設置されており、韓屋との融合に趣きが感じられます。


[船橋荘]

船橋荘では「韓屋ステイ」が可能で宿泊ができます。烏竹軒と船橋荘までは約1キロほどの距離で、徒歩で10~15分ほど。そのまま鏡浦台、鏡浦海水浴場方面へと歩いて行くとよいでしょう。

ちなみに湖を挟んだ反対側には、女流詩人の許蘭雪軒(허란설헌)と、その弟で文人・小説家の許筠(허균、ホギュン)の生家があります。

歴史と伝統が現代にも息づく都市、江陵

ここまでご紹介したのは、江陵市内の中心部。江原道・東海岸のなかでも最も大きい都市だけあって商業街が発展しており、海沿いには芸術家たちを輩出した景勝地があります。また近年、海岸はおしゃれスポットに。

江陵市内をさらに北上すると活気あふれる注文津市場、南には、韓国人誰もが知る日の出の名所正東津があり、1日ではすべて回り切れないほどです。さらに旧暦5月5日前後には、中央市場の裏手を流れる南大川沿いで、ユネスコ世界遺産に登録された江陵端午祭が開かれます。

江陵は歴史と伝統が現代にも息づく都市。オリンピック開催都市として世界的にも脚光を浴び、この街から新たな歴史が生まれます。まずは新しくできた鉄道に乗り、江陵へ出かけてみませんか。

食事・グルメに関しては江陵のグルメでご紹介しています。



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トム・ハングル(吉村剛史)

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビューし、同年中央日報に掲載される。これまで文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、実際に自分の目で見聞きした韓国を伝えている。海外文化を伝える『海外ZINE』(トラベロコ)の韓国担当ライター、2018年2月号『散歩の達人』第2特集の取材・文を担当。同6月から韓国水産食品(K-FISH)広報サポーターズ。プロフィール・お問い合わせ






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