庶民派グルメの宝庫、鍾路3街の屋台&食堂街さんぽ

地下鉄1号線、3号線、5号線の3路線が交差する鍾路3街(チョンノサムガ)駅。ソウルの地下鉄路線図を見ると、ほぼ中央上に位置しています。

一度でもこの駅で乗り換えたことがある方なら、乗換の複雑さから、なんとなく記憶に残っていることでしょう。

そんな鍾路3街駅周辺には、庶民的な居酒屋や屋台が立ち並びます。ソウルの中心街で働く人々のお腹を満たし続けているこのエリアを散策してみましょう。

鍾路3街(チョンノサムガ)とは?

鍾路3街(チョンノサムガ)とは、光化門広場から東大門の少し先まで続く鍾路(チョンノ)という大通り沿いに位置します。日本統治時代は鍾路3丁目と呼ばれていた地域。

実際には楽園洞(ナグォンドン)、敦義洞(トンウィドン)、観水洞(クァンスドン)という町(「洞」は日本の「町」に相当)を含んでおり、仁寺洞(インサドン)の東隣にあたりますが、わたしたち観光客としては、鍾路3街(チョンノサムガ)という名前を覚えておけばよいでしょう。

目印となる建物は楽園楽器商街(낙원악기상가)。1階部分は道路になっていますが、ソウルの楽器店がこのビルに集まっています。地下には市場があり、ある意味混沌としたディープな空間です。

ひとりでも大丈夫!楽園洞のチープグルメ街

地下鉄1号線・鍾路3街駅1番出口から3分ほど直進すると、右側に小さな門があり、タプコル公園(旧・パゴダ公園)があります。

朝鮮時代までは寺があり、国宝の石塔があるこの公園は、3.1独立運動発祥の地として知られています。そのタプコル公園(旧・パゴダ公園)の北側は、楽園洞(ナグォンドン)とよばれるエリア。公園とともに、今はおじいさんたちの盛り場です。

公園の裏手には2,000ウォンで食事ができる飲食店、カット3,000~4,000ウォン(300円~400円)の理髪店や、中古の衣類を売る露天商が集まっており、リタイアした60代、70代のおじいさんたちがここで時間を過ごすのです。

●スンデクッパ横丁
そんななかでも観光客にも勧められるのが、楽園楽器商街すぐ横にあるクッパのお店が並ぶ横丁。長屋のように連なる店が5~6件、豚の頭が置かれていたりもしますが、これらはすべて同じスンデクッパを出す店。

スンデは豚の腸詰なのですが、この界隈ではスンデだけでなく豚のカシラ(モリコギ、머리고기)もたっぷり入っています。アツアツのスープにご飯が入っており、タデギという辛味を混ぜて食べます。

スンデクッパ(4,000ウォン)と、お値段もかなりリーズナブル。茹で上がった豚肉をおつまみにしてお酒を飲むのもおすすめです。

●ソムナンチプ・クッパプ専門(旧・ソムナン・チュオタン)
スンデクッパ横丁のすぐ隣にある店。古い木造の店舗ですが、わずか2,000ウォンで食事ができます。牛のスープのなかに、ウゴジ(白菜などの葉)が煮込まれています。もちろんご飯付き。


[お店の外観 2016年初夏に撮影]

このお店ではお酒も飲むことができ、焼酎は瓶半分(1,000ウォン)から注文OK。朝ご飯の時間から、仕事終わりの軽く一杯までをカバーしているお店です。

●ユジン食堂
ユジン食堂は、タプコル公園のすぐ裏手にあるお店。とくに夕方以降になると、お酒を飲む人たちでにぎわいます。

メニューはソモリクッパ(牛カシラのクッパ)や冷麺の食事メニューのほか、おつまみメニューのスユク(ゆで豚)、ホンオチム(エイの和え物)、ピンデトッ(緑豆チヂミ)など。

とくに最後に食べる冷麺(6,000ウォン)は、店の外にある製麺機で押し出したものを使っており、これまた絶品です。

この界隈での食事は「韓国最低価格」の水準。近年は低価格で食べられる店も増えてきたようですが、ソウルで2,000ウォン(約200円)の食事ができる、というのは学食を除けばココぐらい。

さらにディープな方はこちらも→鍾路3街のディープすぎるシニア街、楽園洞

メインは屋台街

メインとなるのは屋台街。ドラマで見た風景を感じたい方にとって「屋台で飲む」ということは、嬉しいことなのではないでしょうか。そんな方々のために屋台街をご紹介したいと思います。

韓国の屋台は、酒飲み屋台のポジャンマチャ(布張馬車、포장마차)のほか、間食を売るノジョム(露店、노점)があります。鍾路3街の目玉はやはり酒飲み屋台。

●酒飲み屋台(보장마차)
夕方になると地下鉄3号線~地下鉄5号線の鍾路3街駅の前には、屋台が立ち、営業を開始します。ポジャンマチャは、テント小屋のようになっており、冬になると暖かいのが魅力です。

おつまみメニューは屋台によって異なりますが、一皿12,000~15,000ウォンで、刺身や炒め物、チヂミなど様々な料理が、お酒とともに味わえます。

ただしトイレがないのが難点。どうしても、というときは鍾路3街駅のトイレを利用します。※最近では鍾路3街駅前に、公衆トイレができた、との情報を頂きました。(2017/2/17)
参考:たかとう矯正歯科医院ブログ

さらにこの酒飲み屋台は、間食屋台の露店を通り過ぎ、大通りを渡った向かい側、清渓川へと続く道にもあります。こちらは「光の通り」と呼ばれ、観水洞(クァンスドン)と呼ばれるエリアにあたります。

時間のある方は、日が沈みかけたころやってきて、一通り散策してから屋台に入ってみてもよいのかも。

●露店(노점)
鍾路3街には間食屋台も多く出店しています。南北に連なる道を「多文化通り(다문화거리)」といいますが、ここには間食屋台が並びます。ここで食べられるのは一般的な屋台フード。

ケランパン(卵パン)やホドゥガジャ(クルミ菓子)などが屋台で販売されています。お酒が飲めない方は、屋台フードで食べ歩いてもよいでしょう。

さらには焼肉・カルメギサルも!

夕方鍾路3街駅の6番出口を出て、少し北へ入っていくと、肉の匂いで煙がモクモクと立ち上る路地があります。Y字路の真ん中に、薄暗い夜に赤い看板が際立つ店があります。そのお店の名を「味(ミ)カルメギサル」といいます。

店名にもなっているカルメギサル(갈매기살)は、豚の横隔膜と肝臓のあいだにある希少部位で、ハラミやサガリといわれるところ。歯ごたえのある食感でヤミツキになる人もいます。そしてもう一つがカブリサル(가브리살)。こちらは豚の背肉。1皿12,000ウォン~。

お店のなかはレトロな雰囲気。ドラム缶の上に焼き網が並んでいます。すぐに満席になり、外のテーブルへ。味にこだわったお店がここにあります。

量を求めたい方は別のところでサムギョプサルを食べるのがよいでしょうけれど、日本ではあまり馴染みのない部位を、じっくり味わいたい方にはこのお店を訪れるとよいでしょう。

ソウルの屋台で飲み歩くなら鍾路3街で!

屋台で飲み歩きたい方だけでなく、庶民派グルメを味わってみたい方に魅力的なのが鍾路3街。昼間はおじいさんたちでにぎわう、異色的なエリアの楽園洞、そして夜になると屋台が経ちはじめる敦義洞(トンウィドン)や観水洞(クァンスドン)。

この一帯は中高年が集まる街ですが、お酒が好きで、舌の肥えた人たちが集まっているところといえるかもしれません。しかもお値段はリーズナブルなのが魅力。そんな鍾路3街のグルメ、ぜひ現地でお楽しみください。

鍾路3街は屋台がおすすめですが、お酒を飲んでも飲まないに関わらず、伝統ある本格グルメで路地裏気分を味わいたい方は、鍾路・ピマッコルの路地裏へ。チェーン店や繁華街の雰囲気を求めるなら、鍾路・貫鉄洞をおすすめします。


記事に関連するエリア情報はこちら:鍾路鍾路3街


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トム・ハングル
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。韓国旅行・地方旅の総合発信者。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、講座、トークイベントでの発信も。これまで韓国100市郡以上を踏破。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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