韓国・東大門のショッピング攻略!~ファッションビル・卸売市場で買い物を楽しむコツ
吉村剛史(トム・ハングル)
2016/11/13 改:2020/02/21
韓国で最新ファッションを購入したり、安く仕入れをするときに、その候補としてあがるのが東大門。この東大門エリアには、ファッションビルや市場が密集しています。
そこには衣類や下着はもちろん、ノーブランドのファッションから、スタイリッシュな韓国ブランドまで、様々な衣類が取りそろえられており、韓国の買い物客のみならず、多くの外国人観光客も訪れ、ショッピングを楽しみます。
[東大門ファッションタウンの様子]
東大門エリアは、通称「東大門市場」ともよばれ「東大門市場」という市場はありません。
そして韓国語読みでは、「トンデムン」(동대문)と呼びます。タクシーで訪れるときのために、まずは「トンデムン」という言葉を覚えましょう。エリア:東大門
この記事では東大門でショッピングを楽しみたいビギナーの方のために、東大門市場の全体像とファッションビル、そして値切りの方法などの情報を詰め込んでご紹介します。
東大門市場でショッピングする前に地図をチェックしよう!
東大門へのアクセスは、地下鉄1号線、4号線の東大門駅、または2号線、4号線、5号線の東大門歴史文化公園駅が最寄りとなります。
東大門エリアには、1.一般の観光客が訪れるファッションビル、2.お店側が一般の観光客をあまり好まない卸売専門のファッションビル、3.衣料品や普段使い品を扱う既存の市場があります。
下の地図をご覧ください。中央に東大門デザインプラザがあり1.中央左側は小売のファッションビル街、2.中央右(東)側が買い付けに訪れる業者のための卸売街、3.東大門駅側の川沿いに並んでいる建物が既存の市場街です。
以下では若い世代を中心に幅広く受け入れられる、東大門ファッションタウンでショッピングを楽しむために知っておきたい情報をお伝えしますが、まずは以下で小売り専門のファッションビルにはどんな特徴があるのかを見ていきましょう。(※以下の営業時間や定休日は変更になる可能性があるため、最新の情報は店舗HP等でご確認ください)
東大門の小売り専門ファッションビルでショッピング!
●ショッピングモール感覚で買い物できる、DOOTA MALL(ドゥータモール)
ファッションビル街のなかで最も北側に位置しているのは「DOOTA MALL(ドゥータモール)」です。
2013年にリニューアルされるまで、「Doota!(ドゥータ)」という名前で親しまれていました。このDOOTA MALL(ドゥータモール)は、デパートほどではないものの、まさに買い物客のためのファッションビルです。
DOOTA MALL(ドゥータモール)は、店内も洗練されており、誰でもふらりと立ち寄れる雰囲気。基本的に値札が付いていて、ビルの中を歩いていても客引きは比較的少なめです。
店内もスタイリッシュな雰囲気だけに少々値段が高め、という点はネックとなりますが、日中にも営業しており、立ち寄るのに便利です。
●店員との駆け引きを楽しむなら、東大門ミリオレ・ハローapM
DOOTA MALL(ドゥータモール)のすぐ南側に位置するのが、東大門ミリオレ、その南にハローapM(ハローエーピーエム)が続きます。
東大門ミリオレもハローapMも、小売街に位置するファッションビルで、どちらもカジュアル系がメイン。ハローapMは個室の試着室もあります。
[ミリオレ(手前)、ハローapM(奥)]
両者とも小売のファッションビルとはいえ、中に入ってみると韓国の昔ながらの市場を彷彿とさせるがごとく、所狭しと商品が敷き詰められています。エスカレーターに乗り、フロアに一歩足を踏み入れた瞬間、ショップの店員さんに呼び止められる雰囲気。
「何探してますか?」というように声をかけられ、気持ちが休まる暇もありません。客引き多めのファッションビル。店員につかまってしまうと、しっかり断らない限り、ずるずると購入してしまう可能性があるのでご注意を!
韓国語がわかる方は、コミュニケーションを取りながらの買い物もできるので、お得に買い物ができる可能性が高まるかも。わからなくてもジェスチャーや片言の英語だって構いませんし、販売程度なら、日本語がわかる人も多いです。
相手のペースに乗せられすぎないように、ほどよく楽しみながらショッピングしましょう。
10:30~4:30、定休日:月曜日(火曜の朝まで)、旧正月・秋夕の前日。(※夏季休業は店舗ごとに異なる)
●ゆったり見るならGOOD MORNING CITY(グッドモーニングシティー)、スタイリッシュなLOTTE FITIN
グッドモーニングシティーは、2008年にオープンした比較的新しいのショッピングモール。東大門歴史文化公園駅と接続しています。こちらのビルは、わりと静かで雰囲気で通路は広めなので、ゆっくり見たい方はよいでしょう。
店員もわりと静かで、お客さんに無関心なところがありますが、人によってはガツガツ売り込んでくることも。
グッドモーニングシティーの9階には映画館のMEGA BOXがあり、地下にはチムジルバン(サウナ)があります。東大門エリアで買い物の疲れを癒したいときにこのビルを訪れるのもよいでしょう。
[LOTTE FITIN(左)、グッドモーニングシティー(右)]
LOTTE FITINは、2013年にオープンしたショッピングモール。日本人観光客が減少し、中国人が増え始めた時期にオープン。こちらには韓国で人気のファッションブランドが多数入店しており、市場というよりもファッションモールという印象が強いビルです。建物にはコスメショップもあります。
上階には食堂も充実しており、新しいファッションビルということもあり、女性にも入りやすいお店が多いことも特徴です。
LOTTE FITINの9階は、K-POPホログラム公演が行われるなど、ライブ公演を楽しめます。K-POP人気のなかで建設された新しいショッピングモールらしさがここにあります。
AM10:30~AM1:00、定休日:火曜日(水曜日の朝まで)、1月1日、元日、秋夕の前日、当日 (※夏季休業は店舗ごとに異なる)
●現代シティーアウトレット東大門
2016年3月に開業したのは、現代シティーアウトレット東大門。この場所、以前はケレスターというファッションビルでした。
現代シティーアウトレット東大門は、高級感さえ感じられるフロアながらも、アウトレットということもあり、韓国国内外のブランドが比較的、手の届きやすい価格で販売されています。
こちらはわりとデパートに近い感覚。店員さんはほどよく、ほおっておいてくれるので、比較的ゆったりと買い物できます。地下には書店や、バナナ牛乳のテーマカフェもあり、ファッションの買い物だけでなくても、訪れる価値があるでしょう。
東大門のファッションビルでのショッピングの基礎知識
●東大門のショッピング、定休日にはご注意!
東大門でのショッピングは、当たり前ですがファッションビルがお休みの日には注意しなければなりません。月曜、火曜に休業するファッションビルが多いようなので、事前にまとめてチェックしておきましょう。東大門市場の営業時間
旧正月と秋夕といった韓国の名節にあたる日は休みになりますが、名節の前日と当日に休むお店が多いようです。7~8月には夏季休業するショップもあり、ファッションビルごとに個別に発表されます。
●試着ができるビルも。返品は不可の店が多いので慎重に。
ファッションビルでの試着は、上から服を重ね合わせてサイズを決めます。試着ができるファッションビルでも共同のスペースまで行き、試着をすることになります。返品は不可の店が多いのでご注意を!
●過度な値切り交渉は禁物だが…
最近は値札が付いている店が多くなりましたが、値札が付いているものやセール品は基本的に値切ることはできないと考えたほうがよいでしょう。駆け引きに慣れていない観光客は、過度に値切ろうとしてしまう人もいるため、それはそれで問題だそうです。
愛嬌を込めて「5,000ウォンまけてください、10,000ウォン安くしてください」と言ってみるだけ言ってみるようにします。以下は私の失敗談としてひとつ。
<旅の韓国語> 東大門のファッションビルでナップザックを買った。25,000ウォンと言われたが、タグには18,000ウォンと書かれていた。韓国語で指摘したが店員は「値札は도매가(トメガ・卸値)です」と言うが、そんなことあるのか?それはともかく도매가(都賣価)は「卸値」という意味。
リュックサックを買おうとした私。店員さんは25,000ウォンだといいます。商品についているタグを見たところ18,000ウォンと書いてあるのです。「お客さん、これは仕入価格ですよ」といわれ、25,000ウォンで買ってしまいました。よく考えてみるとおかしな話です。ふっかけられたのだろう、と。
つまり東大門ファッションビルでの買い物は「韓国語ができる、できない」はあまり関係がありません。旅行中は疲れていることもあり、判断を誤らないようにご注意を。
次に専門卸売街で買い物される方への情報をお伝えします。
専門卸売市場街で買い物してみよう!
ファッションビルでの買い物もよいですが、maxtyleのちょうど裏手あたり(東大門総合市場を除く)で2.卸売のファッションビル街よりも北側、1.既存の市場街に近いエリアには、一般の観光客も購入できる皮革、靴、カバン、服飾小物や生地などの専門市場があります。
日本人観光客には、光煕市場・Queen’s Square(クイーンズスクエア)、南平和市場、東大門靴卸売市場、東大門総合市場のあたりが人気です。
[東大門市場卸売街の地図]
それらの市場ではどんなものが買えるのか、以下で見ていきましょう。
歴史ある皮革&レザーマーケット!~光煕市場・Queen’s Square
光煕市場(クァンヒシジャン、광희시장)は1980年9月に開業した歴史ある市場。2階では皮革製品やレザー製品が購入できることから、観光客にも人気を集めています。
3階より上の階は、2013年にリニューアル。「Queen’s Square(クイーンズスクエア)」としてスタイリッシュなファッションビル風になりました。
ファッションビル風とはいえ、ここでは皮革・レザー製品を多く取り扱うことから、それを目当てに日本人観光客がよく訪れます。ムートンコート、ファーなどを手ごろな価格でまとめ買いするのによいでしょう。
営業時間は夜から!まさにナイトショッピング・スポットです。
カバンや財布などを買うなら、南平和市場へ
南平和市場(N.P.H)は、カバンを扱う専門卸売市場。ここにも小売りをしてくれる店があり、ショッピングが大好きな観光客にも人気です。
カバン、ポーチ、リュックサックなどを探しているのならここへ。まとめて購入することで、値引きをしてもらえたりするのも、このような市場の魅力でもあります。
裁縫、服飾小物を買いたい方は東大門総合市場へ
清渓川の北側に位置する東大門総合市場(동대문종합시장、トンデムンチョンハプシジャン)は、自身で裁縫をする方や、服を作る方が生地、服飾小物を購入できる場所。そのほかアクセサリや寝具などが売られており、食堂街もあります。
[服飾小物]
東大門総合市場は他の市場やファッションビルとは異なり、営業時間が日中であることに注意しなければなりません。布・衣類エリアは8時~18時、アクセサリーは9時30分~19時となっています。
スニーカーやブーツなど、お手頃な靴が揃う東大門靴卸売商街
こちらも東大門総合市場と同様、清渓川の北側に位置する靴専門の卸売市場。
「東大門靴卸売専門商街(동대문신발도매전문상가)」です。川沿いにA棟~C棟まで長く建物が連なっており、卸売、小売のお店が集まっています。
1階には数多くの小売店が集まっており、運動靴や登山靴、スニーカー、革靴やブーツなど様々な靴が販売されています。セール品では10,000ウォンほどで購入できる靴も。
箱の中に無造作に入れられているものから、偽物のようにも見えるスポーツブランドまで、様々な靴が並べられています。市中で売られている価格よりも、3割ほど安い、とも言われているのでお得な買い物ができるかも。
最近では看板を変え、スタイリッシュな看板を掲げたりする店もありますが、やはり市場らしくすぐ前に段ボールから出したような状態で靴が並べられている店もあります。
卸売ファッションビル街を覗いてみよう、夜の東大門!
東大門ファッションタウンの卸売り街を、深夜に歩いてみます。こちらは基本的に卸売専用ビルのため、観光客は相手にしてくれません。ただどうしても買いたいものがあれば、交渉に応じてくれる店もあるかも。
り、荷物が集められています。
ここではビルの外を見てみることにします。韓国全国のデパートの名前が、立札に貼り付けられています。
歩道にはビニール袋に入った袋が散乱。これらはゴミ袋のようにも見えますが、中味は衣類。東大門で購入した商品をまとめてデパートや小売店に送るのです。
釜山で小さなセレクトショップを営む友人に聞いてみると、やはり仕入れはソウル・東大門からのものが多いとのこと。韓国では多くのものは一度ソウルを経由して、地方に届けられます。不思議なシステムですよね。
東大門歴史文化公園付近は屋台街に
夜になると、東大門歴史文化公園駅付近では黄色いテントが並びます。数十、ざっと見た感じでは五十、六十あるかもしれません。
そこでは衣類をはじめ、カバンや靴など様々なものが売られています。ブランド品のようなものも、ちらほら見られるのですが、おそらく偽物ではないかと思います。
偽ブランドは帰国の際には持ち込めず、没収されることになるので、くれぐれも購入にはご注意ください。ノーブランドの靴下や小物などを屋台でまとめ買いするのはよいかもしれません。
番外編・東大門から徒歩圏内!周辺の古着スポット
近年、韓国では若者にも古着が人気です。日本のバイヤーたちも韓国に古着を買い求めにやってきており、
●広蔵市場
●東廟市場
※東大門市場周辺で古着を購入される方は以下の記事をご覧ください。
この記事では東大門でショッピングを楽しむための基礎知識をお伝えしました。ぜひ頭に入れて、ショッピングを楽しんでみてください。
※東大門エリアは卸売市場でもあるため、店舗がファッションビルごとに分かれており、一か所でまとめてという買い物には不便なとここもあります。セール品を見つけるために高速ターミナルへ出かけるのもよいでしょう。こちらも日本人観光客に人気です。
記事に関連する韓国観光エリア情報はこちら:ソウル、東大門・東大門市場
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DOOTA MALL(ドゥータモール)やLOTTE FITIN(ロッテフィットイン)は、値札が付いており、基本的に値切りはできませんので初心者向け。
東大門ミリオレやハローapM(ハローエーピーエム)は、客引きも多く、交渉して買いたい中級者向け。上手くいけば安く手に入ります。それぞれのファッションビルの特徴を知ったうえで、東大門ショッピングを楽しみましょう!

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール