龍山駅屋台村~かつての置屋街の今は?
 2015/04/27 吉村剛史(トム・ハングル)

ソウル・龍山(ヨンサン)駅。ソウルと全羅道方面を結ぶ列車の発着駅で、秋葉原のような電子街としても有名な街。地下鉄1号線ではソウル駅から2駅、南へと進んだところにある駅です。

観光ガイドブックでは、最大級ともいえるチムジルバン「ドラゴンヒルズスパ」が紹介されています。そして駅前には龍山駅屋台村、通称「ポチャンマチャ村(포장마차촌)」があるのです。

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龍山屋台村とは?

電子街のある反対側の出口を出ると、E-Martなどの商業施設があります。そんな龍山駅前に、とある週末の夜10時ごろに訪れてみたところ、若者たちを中心にワイワイとお酒を飲んでいました。カラフルなライトに照らされており、とても明るい雰囲気の屋台です。

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旅行情報サイト『コネスト』の記事によると、再開発に伴いこの屋台街は2015年に撤去になる、とのこと。駅前にテント屋台が並んでいるというのはよくあることですが、このように。新しい屋台が駅前に並んでいるというのは、わりと珍しいことのように感じます。

遅い時間帯だったこともあるのか、とくに若い人の姿が目立っていました。それだけに、にぎやかな雰囲気。屋外のような場所でお酒が飲めるというのは、まさに韓国らしい場所といえるでしょう。

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屋台にはおでんやティギム(天ぷら)、トッポッキなどのおなじみの屋台メニューから炒め物、そして日本風の食べものお店まで様々。一般的な屋台とは異なり、きれいな雰囲気なので、韓国旅行ビギナーの方にも安心です。

龍山駅前はかつて集娼街があった(2010年の写真より)

龍山駅前、2011年夏ごろまでには、ピンク色の置屋がひしめく集娼街がありました。多い時には1000軒もの店があり、入口には「青少年通行禁止」と書かれ目隠しがされていたのです。下の写真は2010年ごろのもの。

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私は2010年のとある夏、龍山駅前のチムジルバンに訪れるために、この駅にやってきました。駅前を歩いてみたところ、このような置屋街、いわゆる売春地帯があったのです。当時23歳だった私は、初めて見たこの物珍しさに、入口からこっそり1枚写真におさめました。※中には入ってはいません

しかしその翌年となる2011年、自主廃業を促したり摘発を行ったことにより、置屋街は壊滅。これにより取り壊されました。目に見えるところに集娼街がある、というのは時代にもそぐわないのでしょうし、先進国としてのイメージが落ちてしまうという考えもきっとあるでしょう。

そして、社会としてはこの場所で働いていた人たちへのケアも大切。韓国の省庁のひとつ、女性家族部による支援策もあったようですが、実際には対策不足だという批判もありました。そのようななか摘発が行われ、実際には売春の認可を求めるデモにまで発展したこともあります。

置屋街が全廃された龍山駅前は、だいぶすっきりした姿へと生まれ変わっています。この跡地には、これからビルが建ち、再開発される予定です。

ちなみにこのような集娼街は、主要な鉄道駅近くに建てられることが多かったようです。例えば清涼里(チョンニャンニ)や、永登浦(ヨンドゥンポ)には現在もなお、飾り窓の街があります。しかしこれらは時代の流れとともに消える運命にあります。

龍山駅前の路上には屋台が並んでいた(2010年の写真より)

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もともと集娼街脇の道路には、酒飲み屋台がずらりと並んでいました。道路の脇で店を出す光景は、ソウル・鍾路3街の屋台街の雰囲気とも似ています。写真は2010年の夏ですが、路上にテーブルが置かれ、夕涼みする感覚でトッポッキを食べたり、お酒を飲んだりすることができました。

現在の屋台とは異なり、夏にはパラソル一本とテーブルだけが用意されているような、そんな場所です。

かつての置屋街がなくなり、龍山駅前の雰囲気はがらりと変わりました。来年には再開発され、屋台村は姿を消すことになりますが、徐々に新しいソウルへと変化していきます。

2015年中に、ぜひこの屋台村を訪れて、夜の風に当たりながらお酒とおつまみを楽しんでみることをおすすめします。従来の屋台には少し入るのを躊躇ってしまう方も、女性でも気軽に足を踏み入れられる屋台です。

トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
2004年に施行された性売買特別法により、韓国では売春が禁じられるようになりました。売った側も買った側も処罰される規定になっており、もちろん観光客も例外なく適用されます。興味深いのは、このような集娼街の横には交番があるということ。黙認している面もありつつ、いつでも取り締まったり、場合によっては保護できるような体制になっているのかもしれません。

記事に関連するエリア情報はこちら:龍山・二村ソウル駅・市庁


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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。韓国旅行・地方旅の総合発信者。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、講座、トークイベントでの発信も。これまで韓国100市郡以上を踏破。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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