韓国観光の玄関口、ソウル駅周辺の観光は徒歩でGO!
 2017/11/22 吉村剛史(トム・ハングル)

韓国旅の玄関口ともいえるソウル駅。空港鉄道でソウル駅までやってきて、ここを拠点に「何をしようか?」「どこに行こうか?」と考えるのがこの駅です。とくにトランジットで韓国を訪れる場合、かなり時間が限られているはず。


[ソウル駅前]

地下鉄で移動するのもよいですが、階段の上り下りをしたり、乗り換えにかかる労力や時間を考えると、ソウル駅周辺は歩いて旅したほうが効率が良い場合も。今回はソウル駅から徒歩で観光をしたい方へ、その道しるべとなればと思います。エリア情報:ソウル駅

かつては南大門停車場だったソウル駅

韓国最初の鉄道は1899年に開通した「京仁線(경인선、キョンインソン)」。仁川と鷺梁津を結ぶ鉄道だったのですが、翌年には漢江に橋がかかり、線路が伸びてきました。のちに「南大門停車場」という名前へ。

日本統治時代には「京城駅」と改称されてターミナル駅となり、1925年に塚本靖の設計で東京駅にも似た赤レンガの駅舎が完成。それ以後2003年に現在の駅舎ができるまで、この建物が使われていたのです。


[2003年まで使用されていた旧ソウル駅舎]

京城駅には仁川とを結ぶ京仁線、釜山とを結ぶ京釜線、中朝国境付近の新義州駅、満州方面へとを結ぶ京義線(現・京義中央線)の路線が乗り入れており、半島の交通の要衝でした。

ソウル駅の変遷の詳細はさておき、「南大門停車場」という名前を経ているソウル駅ですから、ソウル駅から南大門までは当然、徒歩圏内にあるということ。

地下鉄路線図とにらめっこして乗り換え方法を考えるよりも、「歩いて観光」という選択肢があってもよいのではないでしょうか。

ソウル駅観光のポイントは徒歩で!

ソウル駅周辺を徒歩で旅する、というのが今回の目的。とはいえ、仁川空港の乗り継ぎの合間にソウルを訪れて、1時間程度でサクッと街を見て回るだけなら、地下鉄を利用するのが無難かも。


[現在のソウル駅駅舎]

乗り換えも重要!?ソウル駅の構内は?

空港鉄道から地下鉄1号線、4号線に乗り換えるには、かつて地上に上がり、再び地下に戻る、ということをしなければなりませんでした。しかし2015年春に連絡通路が完成すると、地下通路を歩いて乗り換えられるようになったのです。

地下通路は空港鉄道ソウル駅地下3階から。空港鉄道は地下6階、7階にホームがあるので、いったんはそこまで上がって乗り換え通路を通る必要があります。南大門、明洞、鍾路方面へはそちらを利用しましょう!


[ソウル駅構内・周辺地図]

ただ2~3時間の余裕があって徒歩で回るなら、空港鉄道からソウル駅の地上までエスカレーターを登って地上に上がります。コンコースを通り抜けて、東側の出口へと出ましょう!

南大門市場・明洞へは歩いて行こう!

東側の出口を出ると、タクシー乗り場とバス乗り場(ここを「ソウル駅乗換センター」といいます。)。そこから南大門市場や明洞(ミョンドン)まで、街並みを楽しみながら歩いてはいかがでしょうか。


[ソウル駅前の乗り換えセンター]

ソウル駅の地上、東側の出口を出ると、五方向に道が分かれているのがわかります。ソウル駅周辺の観光には左から2番目の南大門市場方面または、3番目の明洞方面へ進みます。南大門(崇禮門)までは徒歩約7~10分、明洞までは約20~25分です。


[ソウル駅から南大門市場、明洞へ]

ソウル駅から世宗大路を通り、南大門(崇礼門)へ

左手2番目の道は、世宗大路(세종대로)と呼ばれている通り。この道は南大門、徳寿宮前を通り、李舜臣将軍や世宗大王の銅像を経て、景福宮に突き当たります。

ソウル駅から出て左手に進み、いったん地下通路を経由して道を渡ります。正面すぐに南大門が見えてくるのですが、これが韓国の国宝1号「崇禮門(승례문)」で、通称・南大門とよばれています。


[南大門]

崇禮門は韓国最古の木造建築で、韓国の国宝1号指定。2008年に放火されてしまい、その後数年の歳月を経て2013年に再建されました。そのすぐに南大門市場があります。ソウル駅を出てから、徒歩約10分ほどで、南大門市場に到着するのです。


[南大門市場の様子]

南大門市場は韓国最初の常設市場といわれており、ありとあらゆるものが売られています。衣類や輸入品、時計からおみやげ品はもちろん、偽ブランド(?)まで。

市場グルメは、「タチウオの煮つけ(갈치조림、カルチジョリム)」や、「チャプチェ(韓国式春雨)」が入った「野菜ホットク(야채호떡、ヤチェホットク)」などが有名ですので、食事もこのあたりでいかがでしょうか?

タチウオの煮つけは8,000ウォン(約800円)、ホットクは1,000ウォン(約100円)ほどです。

●ワンポイント
南大門市場と明洞はそれぞれ、交差点を挟んだ向かい側に位置しているため、南大門市場→明洞、明洞→南大門市場という順に歩いていきましょう。

ソウル駅から明洞へも歩いて行こう!

次に明洞(명동、ミョンドン)へ。ソウル駅の出口から見て、左から3番目の道を歩いていきます。明洞までは歩いて20~25分ほど。この通りは「退渓路(퇴계로、テゲロ)」といいます。

退渓路は朝鮮時代の儒学者、李退渓に由来しますが、この通りをずっと進んでいくと、明洞、東大門歴史文化公園駅方面へと行くことができます。

明洞(ミョンドン)は、韓国屈指の繁華街。日本でいうと、渋谷や新宿のような街です。夕方になると露店が並び、衣類や小物、食べ物を売る人でいっぱいになります。

そして明洞には韓国のほぼすべてのコスメショップが集まっており、路地裏では安価なファッションが売られています。

グルメもサムギョプサルやサムゲタンのような一般的な料理から、地方の食材を使った食べ物、流行の屋台フードまでほぼすべてが集まる街です。

ソウル駅周辺から徒歩で行ける範囲では、南大門市場、明洞あたりがビギナーにとって最も行きやすい場所といえます。

ひと通り観光したあと、ソウル駅まで戻りましょう。行きは歩き、帰りは地下鉄やタクシーに乗って戻っても良いと思います。

時間がない方はソウル駅前で楽しもう!

南大門市場や明洞に行く時間がない方や、ソウル駅まで戻ってきて時間が余っている場合は、ソウル駅前を歩いてみましょう。

●ロッテマート&ロッテモール
買い物をする場合はロッテマートまたは、ロッテアウトレットへ。交通の便利な場所なので、ここでおみやげを買っていく人も多いでしょう。

外国人が多いことから、おみやげに適したものが豊富!スナック菓子や海苔、インスタント麺などはここでのまとめ買いが便利です。


[ロッテマート]

ちなみに韓国には「タックスリファンド」という制度があり、外国人の場合、30,000ウォン(約3,000円)の買い物をすると、消費税にあたる付加価値税が免税になります。

このロッテマートでは、購入したレジで還付されるお店。合計30,000ウォンになると、10%にあたる金額がキャッシュバックされるわけです。パスポートの提示が必須!

●文化駅ソウル284(旧ソウル駅)
過去のソウル駅舎を見学するなら、古い赤煉瓦の駅舎へ。2003年に新駅舎が使われるようになってから、工事が始まり、新たにオープンしたのは2011年。284は「史跡第284号」という意味です。東京駅にも似た姿は、親しみやすくもあります。


[旧ソウル駅のステンドグラス]

「文化駅ソウル284」に入ってみると、中央の天井にあるステンドグラスが目を引きますが、これは当時の複製品です。建物の内部は待合室のシャンデリアなど、当時の面影を残しており、昔の駅に思いを馳せながら、レトロなソウル駅の姿を愉しんでみましょう。

文化駅ソウル
10:00~19:00
公式ページ(韓国語)

ソウル駅の西部(ソブ)駅の観光スポット!

ソウル駅の西側の出口は西部駅(서부역、ソブヨッ)と呼ばれています。一般的には空港鉄道側の出口を総称した言い方になっているようです。ソウル駅から空港に行く場合は、「西部駅」を利用したほうが、ソウル駅構内の移動に便利です。

●ソウル路7017
2017年にソウル駅すぐのところにできた新たな観光スポットは、「ソウル路7017」。70年代に作られた高架道路が老朽化し、歩道という形でリニューアルされたのがここ。


[ソウル路7017]

「ソウル駅まで来たけれど時間が余っている」という方は「西部駅」から出て、ここを歩いてみて、駅周辺を空中散歩してはいかがでしょうか。花壇などもあり、空中庭園といった印象。ソウル駅周辺の憩いの場となっています。

ソウル路7017
ソウル路7017公式(韓国語)

●チムジルバン/シロアムサウナ
ソウル駅まで出かけて、軽く汗を流したい場合は、韓国式サウナの「チムジルバン」がおすすめ。ソウル駅の西部駅から徒歩7分ほどのところに「シロアムサウナ」があります。

このシロアムサウナは、外国人観光客に優しいチムジルバン。日中は10,000ウォン(約1000円)、夜間・深夜利用は15,000ウォン(約1500円)と他のチムジルバンに比べてお高めですが、サービスがよいのです。

外国人慣れしている、という印象。夜間タオルケットは無料貸し出し、荷物が多ければロッカーを二つ貸してくれる、というサービスの良さが魅力です。

シロアムサウナ
営業時間:年中無休
アクセス:ソウル西部駅徒歩約7分
シロアムサウナ公式(韓国語)

ソウル駅からまずは歩いて見よう!

韓国旅行の玄関口として訪れるソウル駅。路線図とにらめっこせず、まずは歩いてみませんか?というのが今回のご提案でした。

明洞や南大門市場にも歩いて行けるソウル駅。街を散歩してみれば、きっと新しい発見ができることでしょう。



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破。海外の常識をレポートする『海外ZINE』の韓国担当ライター、平昌オリンピック開催地の『江原道公式ブログ』にも連続寄稿中。プロフィール・お問い合わせ


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