ソウル・市庁(シチョン)は旅の目じるしとなる街~ソウル市民が集う中心地 | 韓国&韓国旅行 | トム・ハングル

ソウル市民が集う中心地、市庁~ソウル旅の目印となる街
 2018/08/13 吉村剛史(トム・ハングル)

ソウルの中心ともいえる場所に位置し、地下鉄1号線、2号線が通る市庁駅。ソウル市庁前にあるソウル広場には、コンサートやパブリックビューイングなどの行事が行われることもあり、市民が集う場となっています。市庁は韓国語では”시청(シチョン)”と読みます。


[市庁駅前のソウル広場、後ろにはNソウルタワーとプラザホテル]

市庁駅前にはプラザホテル、ウェスティン朝鮮などの有名ホテルが集まっている場所でもあり、明洞(ミョンドン、명동)もこのすぐお隣。近くには朝鮮末期に正宮としての機能を果たした徳寿宮があり、近代のソウルにおける中心地でもあります。

誰もがいちどは訪れるといっても過言ではない明洞は隣にありますが、あえて市庁駅を中心に街を歩いてみませんか、というのが今回のご提案です。

ソウル市庁はどのあたり~市庁駅から明洞へは歩いてすぐ

市庁駅は南には南大門市場やソウル駅、北には光化門広場、東には明洞、という観光の中心的な場所に位置します。いずれの場所も市庁駅から徒歩5分程度。このあたりを歩くとき、ソウル広場を目印として使うにはよいかもしれません。


[市庁駅の地図]

もし市庁駅で降りて周辺を歩いてみるならば、徳寿宮やその裏手にあるソウル美術館、貞洞劇場に足を運んでみるのもよいでしょう。

とにかくグルメという方は、ソウル市庁のすぐ西側にある茶洞、武橋洞というエリアは、ソウルの中心街らしいの路地裏らしく、長年営業している老舗が集まっています。伝統の味を楽しむならこのあたりを。

市庁駅には格式の高い観光ホテルが集まる

市庁駅周辺には、日本統治時代からの歴史をもち、韓国初のホテルである「ウェスティン朝鮮ホテル」のほか、市庁前広場すぐそばにあるザ・プラザホテルソウルや、プレジデントホテル、徳寿宮の北側の光化門広場寄りにはコリアナホテルといった宿泊施設が集まっています。


[ウェスティン朝鮮ホテル]

このあたりは韓国のなかでも伝統があり、格式の高いホテルばかり。ソウルの中心地である市庁、さらには屈指の繁華街、明洞の観光にも便利な場所。ソウルを初めて訪れる方、リピーターの方でもたまには優雅な気分に浸りたい方にとってはよいでしょう。

近代史の舞台・徳寿宮と、別れのスポットとして有名なトルダムギル

市庁横にある徳寿宮は、朝鮮の近代史の舞台となった場所です。朝鮮時代中期ごろから宮殿として使用されるようになり、朝鮮第26代王の高宗の妻の閔氏が暗殺されたことを機に、ロシア公使館に近い徳寿宮に移り住むようになり、そこから正宮の役割を果たすようになります。

ソウルの古宮のなかでも最も遅い夜21時(入場20時)まで営業しており、夜には建物がライトアップされるため、夕方以降の散策もまたおすすめ。近隣のホテルに宿泊しているならば、散歩がてら訪れてみるとよいかもしれません。

この徳寿宮の面白いところは、ほかの宮殿とは異なり、諸外国の建築様式が入り込んでいること。高宗の居場所だった「静観殿」には洋風のテラスがあるほか、「石造殿」という神殿風の建物はイギリス人の建築家によって建てられた建物で、現在は国立現代美術館として機能しています。

「歴史散策はつまらない」などと思い込んでいる方も、とくに夜の徳寿宮はおすすめしたいと思います。

入場料:1,000ウォン
毎日夜21時(入場20時)まで。月曜定休
Web:徳寿宮(韓国語)

●別れのスポットといえばココ、石垣道(トルダムギル)
徳寿宮の正門は、現在のように東側(市庁側)ではなく、もともとは南側にあったとされています。その南側には石垣があり、秋になると紅葉が美しい散歩道でもあります。

ミュージカル化されたことでも有名なイ・ムンセ(이문세)の名曲「光化門恋歌」の舞台となった石垣道(トルダムギル、돌담길)です。


[徳寿宮・トルダムギル]

トルダムギルには都市伝説のような噂話があります。「この道をカップルが歩くと別れる」ということ。近くに、家庭裁判所があったことが理由だとか。もっともトルダムギルの横にあるソウル市立美術館は、かつて最高裁判所として使われていた建物です。

そしてトルダムギルを過ぎた少し先には貞洞劇場があり、韓国の伝統をベースにした公演が行われます。「伝統」といっても、伝統芸能そのものではなく、ストーリーのなかに伝統芸能が取り込まれているようなイメージ。ミュージカルのような雰囲気で愉しめます。


[貞洞劇場]

私たち外国人が訪れても、言葉の壁の心配はなく、優雅に鑑賞を愉しむつもりで訪れてみるとよいでしょう。詳しくは貞洞劇場の日本語公式ブログをご覧ください。貞洞劇場公式ブログ(日本語)

ソウル市庁とソウル広場

「市庁」という駅名ですが、観光客が「ソウル市庁」に用事があって訪れる機会はまずないでしょう。市庁前広場を訪れたときに目立つのは重厚な旧ソウル市庁舎。その後ろに一風変わった形をしたガラス張りの建物が新ソウル市庁舎です。

旧ソウル市庁舎は日本統治時代の1926年に建てられ、2012年に新庁舎が完成するまで市庁舎としての機能がありました。今は図書館として生まれ変わっています。


[手前が旧ソウル市庁舎、奥が現在のソウル市庁舎]

ソウル市庁前の「ソウル広場」はまさに市民のための広場。ここではスポーツ大会のときにパブリックビューイングが行われたり、そのほか各地方の物産展やコンサートなど大きなイベントが行われたりもします。


[ソウル広場で行われているイベント]

冬場はスケートリンクが設置され、スケート場としても生まれ変わります。ソウル市が運営するだけあって、なんと1時間あたり1,000ウォン(約100円)という破格。観光客が遊ぶこともできるので、冬場は立ち寄ってみましょう。


[スケートが楽しめるソウル市庁前]

ソウル市庁前のスケート場からは南山にそびえるNソウルタワーを望むことができ、都会のビルを眺めながらスケートを楽しめます。

市庁駅周辺のグルメ&カフェ

市庁周辺には長らく営業を続けている名店が多いことが大きな特徴。韓国屈指の繁華街、明洞にも近いことから韓国人だけでなく、韓国を訪れる観光客にも長年愛されてきたお店が集まっています。

ここでは何店舗かをピックアップしてお伝えしますが、このあたりのお店は既存のガイドブック等でも取り上げられることが多く、かなり情報が多いといえます。ですが、ここで紹介するお店も参考にしていただければ幸いです。

●晋州会館(진주회관、チンジュフェグァン)
晋州会館はコングクス(콩국수)という豆乳スープの冷たい麺料理で有名な専門店。スープはとにかくクリーミーで濃厚。それが太めの麺に絡まり、冷たさと挽いた大豆の旨味が口のなかに広がります。値段は11,000ウォン。コングクスは冬の最も寒い季節を除いて食べられます。参考:晋州会館

●武橋洞プゴクッチプ(무교동 북어국집)
ソウル市庁の西側に位置する武橋洞(무교동、ムキョドン)。ここはタコ炒めのお店が集まることでも有名なのですが、干したスケソウダラのスープ、プゴ(北魚、북어)を使った「プゴクッ(북어국)」の専門店です。

メニューはひとつのみで、お店に入ると人数分のスープが出てきます。干したらのスープのなかで卵がふわり。そして豆腐も。スパイシーな韓国料理のなかでも、これはとにかく優しい味。朝7時から営業しているため、市庁・明洞エリアの朝食にもおすすめのお店です。

●南浦麺屋(남포면옥、ナムポミョノク)
南浦麺屋は乙支路入口駅の北側、茶洞にある平壌冷麺の専門店。そば粉を使った麺ですが、こちらのお店では大根を塩漬けさせて発酵された冬沈(동치미、トンチミ)がスープの素材であり、口当たり爽快です。

市庁エリアはソウルの中心!

日本統治時代にソウル市庁が建てられて以来、ソウルの中心的な場所となった市庁駅周辺。周辺には古宮や美術館のような文化スポットが多いだけでなく、老舗ホテルや食堂もあります。

さらに光化門、鍾路、南大門市場にも隣接しているため、ソウル観光を楽しむうえで、ひとつの目印となる場所といえます。市庁周辺を訪れるときは、一歩立ち止まって地図を眺め、次の目的地へと向かう新たな出発点としてみてはいかがでしょうか。



  • 記事が役に立ったらシェア!
トム・ハングル(吉村剛史)

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビューし、同年中央日報に掲載される。これまで文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、実際に自分の目で見聞きした韓国を伝えている。海外文化を伝える『海外ZINE』(トラベロコ)の韓国担当ライター、2018年2月号『散歩の達人』第2特集の取材・文を担当。同6月から韓国水産食品(K-FISH)広報サポーターズ。プロフィール・お問い合わせ






このページの先頭へ