韓国でのキャッシュレスはこれで!クレジットカード・WOWPASSほかどっちを使うか~決済アプリ・現金との比較も
吉村剛史(トム・ハングル)
2023/05/17 改:2023/06/03
韓国はかねてよりキャッシュレスが浸透しており、クレジットカードが中心の社会です。ショッピングモールや大型店はもちろんのこと、路地にある小さな食堂や商店でもクレジットカードが使えるところがほとんどです。
現金でも支払いができますが、近年ファーストフードやカフェのチェーン店などでは、クレジットカードなどキャッシュレス決済しかできない店も登場しており、ますますクレジットカードが必須になっています。
この記事では韓国のキャッシュレス決済としてクレジットカード、また観光客向けに登場しているWOWPASS・NAMANEなどのプリペイド式カード、どちらを持っていき、両方をどのように使用すればよいのかについてお伝えします。
韓国のキャッシュレス事情
韓国は1997年のIMFショック以降の政府の政策により、クレジットカードによる決済が盛んでした。
その一方で近年では日本で使われているようなバーコード・QRコード決済も存在し、Naver Pay、Kakao Payなどがありますが、基本的に韓国の電話番号、住民登録番号等が必要となるため、韓国を訪れる観光客にとっては使いづらいものです。
クレジットカードとしてはVISAやMarter Card、JCBなどが使用できる店舗がほとんどですが、ごく一部の店舗では国内発行のカードしか使用できないことがあり、観光客にとっては不便なところがあります。
そんななか観光客向けのサービスとして2022年前後からWOWPASS・NAMANEといった国内カード会社のシステムを使ったサービスが始まっています。
まずはじめに日本発行のクレジットカードについて解説していきます。
日本発行のクレジットカードでは不十分か?
日本で発行されているクレジットカード、銀行口座から即時引き落としとなるデビットカードは、韓国国内であっても基本的に多くの店で使用できます(※プリペイド式カードは一般的に使用できず、また使用できない設定になっている場合もあります)
そのためクレジットカードは1枚以上は持っておくと、万が一のときに備えて何かと安心できます。また国際クレジットカード対応のATMであれば、韓国にある街中のATMで現金を引き出したり、海外キャッシングをすることも可能です。
※グローバルATM(Global ATM)と記載されているATMであれば、現金の引き出しができます。
クレジットカードの手数料比率は?
クレジットカードを海外で使用する場合には1.クレジットカード会社の基準レート(VISA、Mastercard、JCBともに公表)+、2.カード会社(例えば楽天・エポスなど)ごとに設定されている外貨取扱手数料が基準となります。
クレジットカードの外貨取扱手数料はカード会社により異なりますが、1.6%程度であることが多いようです(2%のところもあります)。一方でデビットカードは海外で使用する際にそれよりも高く設定されており、2~3%となります。
韓国旅行で現金は不要なのか、必要なのか?
韓国はクレジットカード社会ですが、現金は必要なのか、一方で現金だけで決済をすることも可能なのか、という点について触れます。結論からお伝えすると、現金は必要となります。
例えば屋台や露店などでお金を支払う場合は、基本的に現金を使用することになります。そのため現金は手元に用意しておく必要があるので、先に述べたクレジットカードでのATM引き出しもひとつの方法です。
そのほかソウル・釜山の繁華街には公認両替所があり、観光客が訪れる駅、街中には自動両替機が存在しており、その他平日であれば、ほとんどの銀行の窓口でも両替が可能です。
現金両替はどこがお得か?
現金両替をするにあたり、どのように両替すれば最もお得か、といえば、ソウル・明洞や釜山・南浦洞にある公認両替所が最もお得となります。
そのような場所には複数の両替所がありますが、ほとんど大差はないと考えてよいと思います。両替の手数料比率としては1%以下になることが多いようです(※ただしクレジットカードにはポイント還元あり)。
現地の機械でチャージ!プリペイド式クレジットカード・WOWPASS・NAMANE
先に述べたように、韓国では日本などで発行された海外クレジットカードが使えないことが稀にあります。稀にではあっても実際に使えない事態が生じれば、少し不安な気持ちになるものです。
そこで韓国旅行を楽しむにはWOWPASSやNAMANEといったカードも同時に発行しておくことをおすすめします。双方ともにアプリで残高を管理できます。
カードを駅や観光地などに設置された機器を利用して、プリペイドカードにチャージする形です。NAMANEカードは海外クレジットカードからもチャージができます。
WOWPASSカードとNAMANEカードの共通点と違い
いずれも発行にあたって手数料がかかり、WOWPASSカードは5,000ウォン(空港セットなら4,000ウォンのキャンペーン価格)、NAMANEカードは7,000ウォンです。
双方ともに交通カード(T-money)の機能が付帯しており、T-moneyを発行するだけでも4,000ウォン程度の手数料がかかるため、どちらか1枚を持っておいても損はないでしょう。
WOWPASSカードとNAMANEカードの違いを筆者なりに最も簡単に述べるならば、円貨から機器でチャージするならWOWPASSカード、独自のデザイン+アプリ上での交通カード(T-money)への残高移行機能を重視するならNAMANEカードとなります。
交通カード・T-moneyカードとは?
WOWPASSカード・NAMANEカードとも地下鉄やバスに乗車できる交通カードの機能が付帯しています。またWOWPASSカード・NAMANEカードともにT-moneyカード・交通カードとは勘定が区別されています。
わかりやすく説明すると、食堂や観光地などでの通常の決済用の財布と、地下鉄・バスなど主に交通カード残高の財布が別々になっているということで、片方の財布に残高が残っていても、使うほうの財布が残高不足だと決済できません。
WOWPASSカードの場合は、いったん現金を引き出して、駅やコンビニでT-moneyにチャージします。一方でNAMANEカードはアプリ上で決済用の「PAY残高」から「交通残高」への移行ができるという違いがあります。
WOWPASS(ワウパス)カード
WOWPASSカードはORANGE SQUARE社から発行されているプリペイド式クレジットカードです。駅や観光地に設置されている機器を利用して、カードを発行したり、円やドルなど外貨からチャージが可能であることが大きな特徴です。
WOWPASSの機器はWOW EXCHANGEという外貨両替機の機能があり、その場でウォン現金に両替したり、WOWPASSにチャージしたお金をウォン現金として引き出すことも可能です(1回あたり10万ウォンが限度、手数料1,000ウォン)
発行にあたっては、まずはWOWPASSのアプリをダウンロードする必要があります。ダウンロードしたあとに招待コードを入力すると、外貨チャージ時に0.5%が還元されます。
同時に「空港セット」も申し込んでおくと、仁川空港や金浦空港、釜山・金海空港・釜山港のカウンターでもカードが受け取れます。※チャージは別途機器で行います。
WOWPASS招待コード <アプリに登録する前にクーポンを入力><外貨チャージ0.5%還元クーポン>※2023年12月31日まで
カードを発行し、アプリ登録前にコードを入力すると、外貨チャージ時に0.5%還元となるクーポンです。
上の招待コードを入力することにより、両替が少しお得になるのでぜひ活用してください。
※WOWPASSについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
NAMANE(ナマネ)カード
NAMANE(ナマネ)カードはアイオーロラ社から発行されているプリペイド式クレジットカードです。駅やコンビニなどに設置されている機器を利用してカードを発行し、ウォン現金・海外クレジットカードからのチャージが可能です。
好きなアーティストの写真など自分だけのデザインをプリントしたカードが発行できることが大きな特徴です。まずはスマートフォンのアプリをダウンロードする必要があります。
※NAMANEカードについて知りたい方は以下をご覧ください。
WOWPASSカード・NAMANEカードどちらを使うか
どちらのカードのメリット・デメリットも示したうえで、筆者の個人的な意見をお伝えします。
NAMANEカードはクレジットカードからのチャージは可能なものの、その際の手数料が3%かかるとされています。小規模店で海外クレジットカードが使えないことだけを理由にNAMANEカードを発行するのはおすすめできません。
ただ独自のデザインのカードを作りたい方がNAMANEカードを作るのに適しているといえるので、その点を重視したい方はNAMANEカードを発行するとよいでしょう。
発行手数料からしても基本的にはWOWPASSカードがおすすめで、NAMANEカードは必要に応じて発行するほうがよいと思います(2023年5月現在)
結論:クレジットカード・WOWPASS他どちらも便利・じぶんに合う方法で
筆者の結論としては日本発行のクレジットカード、WOWPASSやNAMANEなどのプリペイド式クレジットカード、さらには現金など、どれも用意しておき、それぞれに合った方法で支払うのが最もよいでしょう。
たしかにレートや手数料比率は大事なことですが、日本のクレジットカードであればポイント還元が発生します。またWOWPASSのようなプリペイド式カードでも還元があり、ソウル・釜山など観光客が行くような駅・ホテルなどに機器が設置され、便利です。
両替レートの良い場所を狙って現金両替をするために、交通費や時間をかけてわざわざ訪れるよりも、韓国旅行では限られた時間を有効に使うことも大事かと思います。そんなことをざっと頭に入れたうえで旅をお楽しみください。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール