韓国でのキャッシュレスはこれで!WOWPASS・クレジットカードのどっちがお得か?~NAMANEや現金との比較も
吉村剛史(トム・ハングル)
2023/05/17 改:2023/08/24
韓国はかねてよりキャッシュレスが浸透しており、クレジットカードが中心の社会です。ショッピングモールや大型店はもちろんのこと、路地にある小さな食堂や商店でもクレジットカードが使えるところがほとんどです。
多くの店は現金で支払いができますが、近年ファーストフードやカフェのチェーン店などでは、クレジットカードなどキャッシュレス決済しかできない店、現金を扱わない店まで登場しており、ますますクレジットカードが必需品になっています。
この記事では韓国のキャッシュレス決済の手段として、クレジットカード、また観光客向けに登場しているWOWPASS・NAMANEといったプリペイド式カード、どちらを持っていき、さらに現金を含め、双方をどのように活用すればよいのかについてお伝えします。
※WOWPASSはワウパス(一部ではワオパス)、NAMANEはナマネと呼ばれています。
■韓国のキャッシュレス事情を読み解く
■日本発行のクレジットカードでは不十分か?
■韓国旅行で現金は不要なのか、必要なのか?
■現地の機械でチャージ!プリペイド式クレジットカード・WOWPASS・NAMANE
■WOWPASSカード
➤➤外貨チャージ0.5%還元クーポン・招待コード
■NAMANEカード
■クレジットカード・WOWPASS他どちらも便利・じぶんに合う方法で
まずはWOWPASS(ワウパス)などの近年登場した観光客向けのキャッシュレスサービスについて触れる前に、韓国のキャッシュレス事情と日本発行のクレジットカードでは不十分なのか、という点を取り上げて考察していきます。
➤➤WOWPASS 外貨チャージ0.5%還元クーポン・招待コード
韓国のキャッシュレス事情を読み解く
韓国は1997年のIMFショック以降の政府の政策により、クレジットカードによる決済が盛んになりました。
その一方で近年では日本で使われているようなバーコード・QRコード決済も存在し、Naver Pay、Kakao Payなどがありますが、基本的に韓国の電話番号、住民登録番号等が必要となるため、韓国を訪れる観光客にとっては使いづらいものです。
[観光客には使えない場合が多いQRコード決済]
クレジットカードとしてはVISAやMarter Card、JCBなどが使用できる店舗がほとんどですが、ごく一部の店舗では韓国国内発行のカードが中心で、海外カードでは決済できないケースがあり、観光客にとっては不便なところがあります。
そんななか観光客向けのサービスとして2022年前後からWOWPASS(ワウパス)・NAMANEといった国内カード会社のシステムを使ったサービスが始まっています。まずはじめに日本発行のクレジットカードについて解説していきます。
日本発行のクレジットカードでは不十分なのか?
日本で発行されているクレジットカード、銀行口座から即時引き落としとなるデビットカードは、韓国国内であっても基本的に多くの店で使用できます(※日本で発行されているプリペイド式カードは一般的に海外では使用できません。)
■海外で使用可能なクレカは持っておこう
そのため海外で使用可能なクレジットカードは1枚以上は持っておくと、万が一のときに備えて何かと安心できます。また国際クレジットカード対応のATMであれば、韓国にある街中のATMで現金を引き出したり、海外キャッシングをすることも可能です。
※グローバルATM(Global ATM)と記載されているATMであれば、現金の引き出しができます(ただし数は限られているため、注意は必要です)。
日本発行のクレジットカードの為替手数料比率は?
クレジットカードを海外で使用する場合には1.クレジットカード会社の基準レート(VISA、Mastercard、JCBともに公表)+、2.カード会社(例えば楽天・エポスなど)ごとに設定されている外貨取扱手数料が基準となります。
基準レートに加えてプラスされる、クレジットカードの外貨取扱手数料はカード会社により異なりますが、1.6%程度であることが多いようです(2%のところもあります)。一方でデビットカードは海外で使用する際にそれよりも高く設定されており、2~3%台となっています。
クレジットカードの場合は、使用額に応じてポイントで還元がされるのでそれを含めて考えると、クレジットカードがお得になる場合もあります。
※韓国旅行でクレジットカードの使用について検討される方は以下をご覧ください。
韓国旅行で現金は不要なのか、必要なのか?
韓国はクレジットカード社会ですが、現金は必要なのか、一方で現金だけで決済をすることも可能なのか、という点について触れます。結論からお伝えすると、現金は必要となります。必ず手元に持っておかなければなりません。
例えば屋台や露店などでお金を支払う場合は、基本的に現金を使用することになります。そのため、先に述べたクレジットカードでのATM引き出し、キャッシングもひとつの手段となります。
そのほかソウル・釜山の繁華街には公認両替所があり、観光客が訪れる駅や街中には自動両替機が存在しており、その他平日であれば、ほとんどの銀行の窓口でも両替が可能です。
地方に行く場合はソウルでまとめて日本円に両替をしておきましょう。
現金両替はどこがお得か?
現金両替をするにあたり、どのように両替すれば最もお得か、といえば、ソウル・明洞や釜山・南浦洞にある公認両替所が最もお得となります。
そのような場所には複数の両替所がありますが、隣接するお店ごとにほとんど大差はないと考えてよいと思います。両替の手数料比率としては、1%以下になることが多いようです(※ただしクレジットカードにはポイント還元あり)。
ここまででクレジットカードや現金の必要性は、お分かりいただけたでしょうか。もちろんクレジットカード・現金だけでもよいのですが、先にも述べたように韓国では国内銀行カードが普及しているという特有の事情があるため、WOWPASSをはじめ、NAMANEカード他は韓国旅行用に開発されたプリペイドカードは手元にチャージして置いておくと便利です。
現地の機械でチャージ!プリペイド式クレジットカード・WOWPASS・NAMANE
2022年以降はWOWPASS・NAMANEといった韓国を訪れる旅行者専用のプリペイド式クレジットカードが登場しています。韓国で海外発行のクレジットカードが使えないことに着目した、韓国国内の企業による新サービスです。
韓国では日本などで発行された海外クレジットカードが使えないことが稀にあります。稀にではあっても実際に使えない事態が生じれば、少し不安な気持ちになるものです。そこで韓国旅行を楽しむにはWOWPASS(ワウパス)やNAMANE(ナマネ)といったカードも同時に発行しておくことをおすすめします。
WOWPASS・NAMANEならアプリで残高確認可!
WOWPASS・NAMANEの双方ともにアプリで残高を管理できます。
カードを駅や観光地などに設置された機器を利用して、プリペイドカードにチャージする形です。NAMANEカードは海外クレジットカードからもチャージができます。
WOWPASSカードとNAMANEカード、LOCA Mカードの共通点と違い
いずれも発行にあたって手数料がかかり、WOWPASSカードは5,000ウォン(空港セットなら4,000ウォンのキャンペーン価格)、NAMANEカードは7,000ウォンです。
双方ともに交通カード(T-money)の機能が付帯しており、T-moneyを発行するだけでも4,000ウォン程度の手数料がかかるため、どちらか1枚を持っておいても損はないでしょう。
WOWPASSカードとNAMANEカードの違いを筆者なりに最も簡単に述べるならば、円貨から機器でチャージするならWOWPASSカード、独自のデザイン+アプリ上での交通カード(T-money)への残高移行機能を重視するならNAMANEカードとなります。
交通カード・T-moneyカードとは?
T-moneyカードとは韓国の地下鉄・バス等に乗車する際に使える交通系ICカードです。コンビニや駅の自販機など一定の場所で電子マネーとしての決済は可能です。
WOWPASSカード・NAMANEカードとも地下鉄やバスに乗車できる交通系ICカードの機能が付帯しています。またWOWPASSカード・NAMANEカードともにT-moneyカード・交通カードとは勘定が区別されています。
わかりやすく説明すると、食堂や観光地などでの通常の決済用の財布と、地下鉄・バスなど主に交通カード残高の財布が別々になっているということで、片方の財布に残高が残っていても、使うほうの財布が残高不足だと決済できません。
WOWPASSカードの場合は、いったん現金を引き出して、駅やコンビニでT-moneyにチャージします。一方でNAMANEカードはアプリ上で決済用の「PAY残高」から「交通残高」への移行ができるという違いがあります。
WOWPASS(ワウパス)とT-moneyの違いについては以下の記事をご覧ください。
WOWPASS(ワウパス)カード
WOWPASSカードはORANGE SQUARE社から発行されているプリペイド式クレジットカードです。駅や観光地に設置されている機器を利用して、カードを発行したり、円やドルなど外貨からチャージが可能であることが大きな特徴です。
WOWPASSの機器はWOW EXCHANGEという外貨両替機の機能があり、その場でウォン現金に両替したり、WOWPASSにチャージしたお金をウォン現金として引き出すことも可能です(1回あたり10万ウォンが限度、手数料1,000ウォン)
発行にあたっては、まずはWOWPASSのアプリをダウンロードする必要があります。ダウンロードしたあとに招待コードを入力すると、外貨チャージ時に0.5%が還元されます。
同時に「空港セット」も申し込んでおくと、仁川空港や金浦空港、釜山・金海空港・釜山港のカウンターでもカードが受け取れます。※チャージは別途機器で行います。
WOWPASS招待コード <アプリに登録する前にクーポンを入力><外貨チャージ0.5%還元クーポン>※2023年12月31日まで
カードを発行し、アプリ登録前にコードを入力すると、外貨チャージ時に0.5%還元となるクーポンです。
上の招待コードを入力することにより、両替が少しお得になるのでぜひ活用してください。
※WOWPASSについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
NAMANE(ナマネ)カード
NAMANE(ナマネ)カードはアイオーロラ社から発行されているプリペイド式クレジットカードです。駅やコンビニなどに設置されている機器を利用してカードを発行し、ウォン現金・海外クレジットカードからのチャージが可能です。
好きなアーティストの写真など自分だけのデザインをプリントしたカードが発行できることが大きな特徴です。まずはスマートフォンのアプリをダウンロードする必要があります。
※NAMANEカードについて知りたい方は以下をご覧ください。
LOCA Mカード
LOCA Mカードとは”Cashbee”の会社が運営するカードで、プリペイド式クレジットカードとしての決済機能と、交通カード(Cashbee)の機能が一体となったカードです。駅の機器やコンビニ等でチャージが可能です。
※LOCA Mカードについて知りたい方は以下をご覧ください。
WOWPASSカード・NAMANEカードどちらを使うか
どちらのカードのメリット・デメリットも示したうえで、筆者の個人的な意見をお伝えします。
NAMANEカードはクレジットカードからのチャージは可能なものの、その際の手数料が3%かかるとされています。小規模店で海外クレジットカードが使えないことだけを理由にNAMANEカードを発行するのはおすすめできません。
ただ独自のデザインのカードを作りたい方がNAMANEカードを作るのに適しているといえるので、その点を重視したい方はNAMANEカードを発行するとよいでしょう。
発行手数料からしても基本的にはWOWPASSカードがおすすめで、NAMANEカードは必要に応じて発行するほうがよいと思います(2023年5月現在)
結論:クレジットカード・WOWPASS他どちらも便利・じぶんに合う方法で
筆者の結論としては日本発行のクレジットカード、WOWPASSやNAMANEなどのプリペイド式クレジットカード、さらには現金など、どれも用意しておき、それぞれに合った方法で支払うのが最もよいでしょう。
たしかにレートや手数料比率は大事なことですが、日本のクレジットカードであればポイント還元が発生します。またWOWPASSのようなプリペイド式カードでもキャンペーンコードを入力して外貨チャージすると還元がありますし、ソウル・釜山など観光客が行くような駅・ホテルなどに機器が設置されており便利です。
両替レートの良い場所を狙って現金両替をするために、交通費や時間をかけてわざわざ訪れるよりも、韓国旅行では限られた時間を有効に使うことも大事かと思います。そんなことをざっと頭に入れたうえで旅をお楽しみください。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール