韓国のクリスマス街歩き~キラめくソウル都心を散策!
吉村剛史(トム・ハングル)
2016/12/01 改:2019/11/27
12月25日はクリスマス。韓国では11月半ばになると、街中にクリスマスツリーがおかれたり、繁華街でイルミネーションが始まるなど、クリスマスの準備が進みます。
韓国ではキリスト教人口が3割、という事情もあってか、クリスマスが祝日となります。そのため、イブの夜とクリスマス当日には催しが行われるなど、日本以上に盛り上がりをみせます。
[市庁前特設スケート場にて]
この記事では、韓国のクリスマス事情に加え、クリスマスのおすすめスポット、クリスマスのソウルの街並みなどを、旅行情報としてお伝えします。
韓国のクリスマスの気温はどうなの?
12月25日のクリスマスは、日本では学校の冬休みシーズンに差し掛かる、きわどい時期。うまく土日が重なりさえすれば、学校や会社を休まずにソウルを訪れる、という方もいるはずです。
冬に韓国に訪れるとなると、防寒対策を十分にしておきたいところ。韓国・ソウルは12月も半ば頃になると、朝晩は氷点下、という日が続きます。
旅行する人にとってはこの寒さが辛くもあり、日本の一部地域の方を除いては、日常的に体験できない寒さを感じることができるので、逆にウキウキする人もいるはずです。
過去のクリスマスの気温はどうなのでしょうか?12月25日のソウルと釜山の気温を見ていきたいと思います。
●ソウル
年 | 最高気温(℃) | 最低気温(℃) |
2014 | 1.8 | -5.9 |
2015 | 3.7 | -4.9 |
2016 | 6.4 | -4.5 |
2017 | 0.6 | -4.9 |
●釜山
年 | 最高気温(℃) | 最低気温(℃) |
2014 | 7.2 | -0.8 |
2015 | 9.8 | 2.2 | 2016 | 14.8 | 3.5 |
2017 | 7.5 | 0.1 |
※韓国気象庁のデータによる
ソウルの気温を見ると、氷点下4~6℃ほどのため、夜の時間に出歩く際はそれなりの防寒対策が必要です。
釜山はわりと東京の気温と同程度ですが、海風が吹くため、体感的には気温以上に寒くなる可能性があります。
「とにかく寒い!」 。しっかり着込んで、風邪には気を付けましょう。
韓国はキリスト教人口が3割
韓国では仏教徒の人口が国民の2割ほどですが、キリスト教人口が約3割におよびます。
キリスト教のうち、天主教(천주교)と呼ばれるカトリック(가톨릭)、改新教(개신교)とよばれるプロテスタント(프로테스탄트)にわけられますが、一般的にはプロテスタントを基督教(기독교)とよぶ傾向にあります。
このコラムを書く私は無宗教ですが、韓国各地を歩いていると、宗教の勧誘も多く、旅の途中で何気ない会話をした人からも、勧められることがあります。
韓国にはキリスト教に限らず、その他の宗教も含めて、表向きにも熱心な信者が多く、そうした事情を頭に入れておく必要があります。
[梨大(イデ)前のクリスマス聖歌隊]
そういった事情もあり、日曜日には聖堂や教会への礼拝を欠かさない人も多いのです。もちろんその信仰の度合いは様々ですが、敬虔なクリスチャンの場合はクリスマスはきわめて重要です。
ちなみに韓国では仏教行事である釈迦誕生日も祝日。釈迦誕生日は旧暦4月8日。日本では新暦に寺院で行事が行われます。釈迦誕生日の様子はこちらをご覧ください。参考:釈迦誕生日の風景
というわけで、クリスマスは韓国の国民的行事。そこでソウルのクリスマスの様子を見ていきましょう。
明洞のクリスマスと、イルミネーション
明洞(ミョンドン)はソウルの中心部で、多くの観光客や買い物客が訪れる街。韓国屈指の繁華街です。単にクリスマス気分を味わうだけなら、この街を歩くだけでもよいでしょう。
ただし明洞は通常の休日以上の大混雑。明洞駅の地下鉄の出口から出るのも大変なのではないか、と思うほど、たくさんの人たちが集まります。
●明洞のイルミネーション
明洞のクリスマスのイルミネーションを見ていきましょう。こちらは、ロッテ百貨店の前の写真。壁面には木の枝のようなイルミネーションがかけられています。このようなビルのイルミネーションもなかなか綺麗ですね。
次の写真は明洞・新世界百貨店前です。こちらは、壁面全面を使ったイルミネーション。まぶしいほどキラキラして「光の実」がたくさんなっているかのよう。
新世界百貨店は1930年代の日本統治時代に、「三越百貨店」として建てられた近代建築。重厚な味わいと、イルミネーションの金びかりが、さらに高級感を感じさせます。
クリスマス恒例の「Free Hug(フリーハグ)」
そして明洞メインストリートの入口では、「Free Hug(フリーハグ)」が行われていたりもします。平和や友愛のアピールとして行われているもの。参考:明洞のクリスマス、フリーハグ
「Free Hug」のボードを持っているということは、抱きついてOK!ということ。このときにはもうマイナス5度を切っていて、かなりの寒さに凍えきってしまいそうですが、ここだけはかなり熱いハグが見られました。
「Free Hug」の運動は、2000年代に、アメリカで始まったそうですが、2016年現在は、ヘイトスピーチに対抗するために行っている人もいるようで、インターネットで活動している人もいます。
この写真を収めた2011年はヘイト言動に対して行われていたものではありませんが、、それでもクリスマスの熱い雰囲気だけは、十分に感じていただけるはずです。
ソウルの街のクリスマス
●COEXモール
下の写真は、蚕室(チャムシルにある大型商業施設COEXモールの入口の写真。ショッピングや映画を見に訪れた人たちがイルミネーションの下をくぐっていきます。
●千戸洞ロデオ通り
こちらは千戸洞のロデオ通り。千戸駅周辺には現代百貨店や、千戸ロデオ通りといった繁華街になっており、その周辺の雰囲気をカメラに収めました。
クリスマスらしく、街路樹にイルミネーションがかけられています。
テーマパークの催しやクリスマスライブ狙いで訪れる人は12月24日、25日が重要ですが、それ以外の観光客の場合は、街歩きしながら、クリスマス気分を味わう、ということになるでしょうか。
気分だけ味わえればよいとなると、クリスマスが過ぎてからクリスマス気分に味わう方法もあります。
旧正月までクリスマスモード
日本ではクリスマスが終わるとすぐにツリーやイルミネーションが撤去されますが、韓国ではクリスマスが終わっても、飾りはそのままです。例年1月下旬から2月上旬になる旧正月が終わったころ、撤去されます。
以下のツイートは1月12日にソウルを訪れたときの様子をスマホに収めたものです。
相変わらずだけれど、韓国は未だにクリスマスモード(※ソウル往十里駅にて)。商店街の新年(旧正月)の挨拶の垂れ幕もほぼ一年中かかっていたりする。https://t.co/qyLlXaTB1O
— トム・ハングル(吉村剛史) (@tomhangeul) 2015年1月12日
市場の新年のあいさつの垂れ幕も、次の年の正月まで飾られていたりすることもあり、それには驚かされることも…。
クリスマス当日にぴったり合わせて旅行する、というのはなかなか難しいかもしれませんが、韓国のクリスマスの街中の雰囲気だけを味わうなら、1月になっても大丈夫です。そんなクリスマスの繁華街の様子を知っていただきたくて、記事にしました。
最後にソウル・釜山でクリスマスの雰囲気を味わえる場所を乗せていますので、ぜひご覧ください。
おまけ・クリスマスの看板娘
韓国の店頭に置かれていた、宣伝用の看板娘。おそらく2011年ごろから出てきて、全国各地のお店の前に置かれていましたが、2016年の今でも時々見かけます。
様々なコスチュームのパターンを見ましたが、こちらはクリスマスバージョン。ゆっくりと回転して、お辞儀をします。
失礼ながらも「ちょっと趣味悪い・・・」と感じてしまいましたが、一時期、この同型のフィギュアをおくことが、かなり流行っており、2016年現在でも各地で見られます。
そんな韓国のクリスマス、街を歩いて楽しく旅してみてはいかがでしょうか。
※2013年11月に公開した記事を、加筆・修正しています。
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11月半ばから12月初めごろになると、町はクリスマスモード。繁華街や大型商業施設、テーマパーク、高級ホテルを中心にイルミネーションが設置され、夜の街を彩ります。
ソウルであれば明洞や清渓川周辺(2016年~新年の清渓川はデモの影響が懸念)、釜山なら光復路、そのほかは街中を歩きながら、クリスマスの雰囲気を感じてみるとよいでしょう。シーズンを多少過ぎても、旧正月までは雰囲気を味わえます。

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール