エスニックな梨泰院のおしゃれストリート&路地を攻略!
 2017/11/13 吉村剛史(トム・ハングル)

ソウル・漢江の北側にある繁華街、梨泰院(イテウォン、이태원)。

日本統治時代はここに日本軍の基地があり、その後は米軍が駐留する龍山基地となっています。梨泰院はアメリカだけでなく、様々な国のお店が集まった異国情緒漂うエスニックタウンなのです。


[梨泰院メインストリート]

メインストリートとそのすぐ裏通りは、外国のような雰囲気が感じられる一方で、路地へと足を踏み入れると、韓国の住宅街でよく見られるレンガ造りの小さな商店や住宅が並んでいます。

韓国人の若者はもちろん、外国人が集う場となっている梨泰院のクラブ街や、各国のグルメが味わえる飲食通りは、”エスニックタウン梨泰院”のイメージにぴったりの場所ともいえるでしょう。

しかし近年のソウルでは路地裏が発展が目覚ましく、梨泰院エリアも例外ではありません。梨泰院を訪れたら、ぜひ通りや路地に気を留めて歩いてほしいのです。

この記事では、梨泰院のメインストリートを起点として、梨泰院駅裏手の1.「世界飲食文化通り」、次に2.「メインストリートの南側にある2つの路地」、3.「梨泰院のとなり、緑莎坪駅から行ける経理団通り・解放村」、最後に4.「漢南洞の大使館通り」へと続きます。

●梨泰院駅のメインストリート

地下鉄6号線・梨泰院駅を出ると、そこはメインストリート。あたりを見渡すと外国人が多く、海外グルメの看板が目立ちます。駅前にはハミルトンホテルがあり、梨泰院エリアのランドマーク的な存在です。


[梨泰院駅前・ハミルトンホテル]

梨泰院のメインストリートの地下には地下鉄6号線が通っており、西に行けば緑莎坪駅、東方向へ道なりに進んでいくと、北寄りのカーブを経て漢江鎮駅へと続きます。

このメインストリートは車の行き来も多いですが、オープンスタイルのカフェや、ブティック、観光客向けに小物を売る露店があったりとにぎやか。

特に梨泰院周辺ではメインストリートから路地へと一歩入ってみると、そこに個性あふれるお店が並んでいます。


[梨泰院の地図]

梨泰院・世界飲食文化通り

梨泰院のなかで、最も異国情緒を感じさせるのが、ハミルトンホテル裏手の「世界飲食文化通り」。世界各国の食べ物を扱う飲食店が並んでおり、ふらっと入れそうなスタンディングバーもあります。


[日中の梨泰院・世界飲食文化通り]

ナイトクラブがあるのもこのあたり。梨泰院のクラブは20代前半の若者たちが多い弘大よりも、年齢層が高めで外国人が多いのが特徴。現地でハジケたい大人の貴方はこの界隈のクラブへ。


[梨泰院の飲食店はこの通りに]

世界飲食文化通りには、インド、パキスタン、ヨーロッパ、日本など世界各国の飲食店が並んでいますが、ハングルの看板は多くありません。

ハングルで書かれているのは、店の立て看板に書かれたメニューくらいといっても過言ではないほど。


[梨泰院の通りの夜は、異国感が増す]

夜に歩いて見ると、店の明かりで異国感が増し、韓国の繁華街とは一線を画します。ソウルにも外国人街がいくつかあるとはいえ、ここ梨泰院は様々な文化が入り混じる「地球村」なのです。

●人気のクラフトビールを味わう!
韓国では、ここ2~3年のあいだ、輸入ビールがコンビニやスーパーで目立った形で販売されているほど、ビール人気が高まっていますが、この梨泰院・緑莎坪エリアでは、クラフトビールが人気。

通りを歩く外国人はもちろん、お店には現地の韓国人も多く訪れます。クラフトビールのお店でのおすすめはサンプラー。

数種類のビールを用意している店では飲み比べができたりするのです。最初の1杯は味を比べて飲みながら、次に飲む1杯を決めましょう!


[「CRAFT HAN’S」サンプラー 8,000ウォン]

●「CRAFT HAN’S(クラフトハンズ)」
定休日:無休
住所:龍山区梨泰院路19キル6-5
場所:世界飲食文化通りの最も緑莎坪駅寄り

梨泰院の世界飲食文化通りではお酒を飲んだり、各国のグルメを楽しむのに最適!散策をするなら、他の通りも見てみましょう!

梨泰院メインストリート南側の通り

世界飲食文化通り以外にも、梨泰院のエスニックな雰囲気が感じられる場所があります。それは、メインストリートの南側といえるでしょう。

ここにも異国情緒あふれる梨泰院らしい特徴的な路地があるのです。

●梨泰院市場周辺
梨泰院といえば、皮革製品のオーダーメイドのお店があることも良く知られていました。

90年代にソウルを旅行した方からも、「昔、梨泰院で革製品買ったことがあるよ」という話を聞いたことがあります。

今でもオーダーメイドでレザー製品やカバン、スーツなどを買いに梨泰院を訪れる人も多いのです。

エスニックな梨泰院のファッションエリアといえば、梨泰院市場周辺の路地。

梨泰院市場自体は建物のなかに入っていますが、メインストリートから隠れた場所にはお洒落なショップがちらほら。

梨泰院という場所柄からなのか、ここで売られている衣類は韓国のどこにでもあるショップとは異なり、心なしかアメリカンチックな色づかいを感じます。(気のせいかも・・・)

東大門など既成の品物ではサイズが合わない!という方、ビックサイズの洋服も梨泰院のこの周辺なら見つけられるかもしれません。

●雩祀壇通り(우사당길)
メインストリートの南側、もう一つの路地は、名前からしてミステリアスな感じがする雩祀壇(ウサダン)通り。

漢字の「雩」は雨ごい、という意味。朝鮮時代に雨ごいの祭りをするために建てられた「雩祀壇」に由来します。

現在この通りにはイスラム教ソウル中央聖院があり、礼拝のために訪れる人が多いのですが、祭祀や祈祷にかかわる場所、というのは当時から変わっていないのでしょうか。

雩祀壇通りの周りは人々の生活の場。ここには古いレンガ造りの建物が多く、理髪店や街の不動産屋など商店のほか、住宅が密集しています。

近年この場所にアーティストが入りこんだことで、街の姿が変化し、若者に受け入れられるカフェバーや飲食店が増えています。

梨泰院という様々な文化が混在する街の路地裏には、昔の面影が残り、その場所へアーティスティックな新しい風が吹き込んできているのです。

韓国では雩祀壇通りのような住宅街に限らず、町工場街でもアートを施したり、空き家に芸術家が集まったりと、似たようなムーブメントが起きています。

緑莎坪(ノクサピョン)駅方面の二つのストリート

梨泰院駅から西側へ10分ほど歩き、メインストリートを抜けると、緑莎坪駅へとたどり着きます。

そこからNソウルタワーの見える南山方面に進んでいくと、左右に分かれる道があり、そこが近年おしゃれストリートとして脚光を浴びています。


[緑莎坪駅前からNソウルタワーを望む]

●経理団通り(경리당길、キョンニダンギル)
左右に分かれる道を右に行くと、梨泰院エリアで近年最も注目を集めている「経理団通り(경리당길、キョンニダンギル)」があります。

この経理団通りは、かつて韓国陸軍の中央経理団(財務を担当する部署)があったことから、このように呼ばれていますが、現在では海軍の同じ部署が統合され、「国軍財政管理団」となり、経理団通りの入口付近にその施設があります。

この通りは南山の麓、グランドハイアットホテル付近まで続く坂道で、経理団通りとその路地裏には、洒落たカフェや飲食店が集まり、若者たちにも人気のスポットになっています。


[坂の上のほうにはハイソなカフェが並ぶ]

この通りの道を隅々まで歩けば、小さなカフェがたくさんあります。通りにあるお店は高級な感じがしますが、路地に入るとこぢんまりとして、気軽に入りたくなる可愛いお店がたくさんあります。

こだわりのドリップコーヒーのお店だけでなく、スムージーなどのドリンク、濃厚なソフトクリームや、流行りのレインボーロールケーキ、チュロスといった話題のお店も集まっています。

梨泰院駅周辺は近くにクラブがあることもあり、外国人が多いですが、とくに週末の夜、韓国人の若者たちでにぎわうのが、この経理団通りなのです。

●解放村(해방천、ヘバンチョン)
緑莎坪駅方面から左右に分かれる道を左に行くと、そこは「解放村(해방천、ヘバンチョン)」といわれる場所です。

1945年に韓国が日本の支配から解放されたのち、海外から帰国した人や、その後の朝鮮戦争の避難民がこの周辺の斜面に暮らしたことから、このように呼ばれています。

この解放村の入口ともいえる通りには、近年、ハンバーガーショップやピザのお店のほか、バーなど西洋風のお店が集まって、新たなムーブメントが起きています。

そんな洋風のお店がなければ、ごく普通にありふれたレンガ造りの店舗や住宅街。ですが、様々な飲食店があることから、週末の食事時にはピザのお店の前に人が並んでいたりと、非常ににぎわいます。

●マッコリの飲み比べなら、タモトリ(다모토리)
この解放村の通りで有名なお店のひとつが、2010年からこの場所にある「タモトリ(다모토리)」という店。

韓国各地のマッコリを飲み比べができる、という画期的なお店で、メディアにもよく取り上げられました。

数種類のマッコリの試し飲みができるサンプラーはわずか3,000ウォン(約300円)という破格。


[サンプラー・3,000ウォン]

このサンプラーを飲んでから、美味しかったマッコリを注文してみるとよいでしょう。

チヂミなどのごく一般的な韓国料理が、創作料理のようにつくりこまれており、洒落た雰囲気で味わえるのもこの店の魅力です。量もたっぷりで美味しいので、おすすめです。

タモトリ(다모토리 히읗)
営業時間:18:00~深夜(下のページ参照のこと)
住所:ソウル市龍山区新興路31
店舗詳細:タモトリ(Naver store)

ハイソなレストラン街、漢南洞の大使館通りへ

ここまでに紹介した通りは、おもに「梨泰院洞」という街のなかにある通り。異国的なイメージが強いエリアですが、韓国の住宅街らしい場所とが混ざり合って、韓国のエスニックタウンを形成しています。

梨泰院駅からメインストリートを東側に進み、漢江鎮駅方面へ。そこから南方向へ続く道へと降りていくと、漢江に面した漢南洞(한남동、ハンナムドン)という街へと入ります。

梨泰院メインストリートから漢南洞五差路まで1キロ弱続く道。この通りは大使館通り(대사관길、テサグァンギル)と呼ばれ、通りとその路地にはタイや、カンボジア、スイスなど各国の大使館が集まっているのです。

周りは住宅街でもあるのですが、この通りには世界各国の料理を提供するレストランが集まっており、ハイソな印象を受けます。庶民派の方には少しばかり敷居の高いお店のようです。

梨泰院駅周辺は、にぎやかなエスニックタウンという印象を受けますが、特別な方をもてなしたいときは、より高級感があって、静かな場所が好まれることでしょう。

そんなときにおすすめしたいのが、この大使館通りのお店。もしくは経理団通りの南山寄りにあるお店がよいと思います。ぜひこの場所をセレクトしてみてください。

梨泰院は通りと路地を楽しみながら歩こう!

異国的な雰囲気が存分に感じられる梨泰院周辺には、それぞれ個性あるストリート、路地があります。各国のクラブやバーが集まる通りや、レストランが集まる通り、レンガ造りの店舗など様々。

ここではそれらの特徴をお伝えしましたが、このエリアを歩くときは、それぞれの通りの雰囲気の違いを楽しみつつ、歩いていただけたらと思うのです。



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。31歳。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、地方にも関心が高い。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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