デジタルメディアシティ(DMC)~テレビ局がやってきた新都市
 2014/09/22 吉村剛史(トム・ハングル)

デジタルメディアシティ(DMC)。ソウルの地下鉄路線図に、日本語で表記されたカタカナの駅名。IT大国の韓国らしい駅名ですが、何度も路線図を見たことある方なら、きっと一度は目に留めたことがあるはず。

しかし、空港鉄道の一般列車で訪れた場合、隣の駅が若者の街、弘大(ホンデ)。そのため、なんとなく降りずに通り過ぎてしまう方が多いのではないでしょうか。

近年、主要テレビ局がこの地に移転し、韓流ファンたちも訪れるようになったデジタルメディアシティ(DMC)を探ってみたいと思います。

デジタルメディアシティはどんな街?

デジタルメディアシティは、ソウル・上岩洞(サンアムドン)と呼ばれる町にあります。韓国の大手テレビ局3社、および通信社がここに社屋を建てて移転し、2015年に完工。汝矣島(ヨイド)に代わるソウルのメディアの中心地となりました。

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空港鉄道は2010年末にソウル駅まで開通。それにともない、空港鉄道周辺の駅が開発されていますが、デジタルメディアシティ駅周辺も例外ではありません。

新しい建物が続々と建っていますが、ミラービルのようでもあり、独特でスタイリッシュなデザインの建物が多く、宇宙基地のような、近未来を感じさせてくれます。東大門デザインプラザ(DDP)に似た雰囲気の建物もあります。

独特なオブジェが立っていることもあってか、アメリカ映画の『アベンジャー2』のロケがココで行われているのにもご注目を。関連記事:映画『アベンジャーズ2』のロケ地

上岩洞(サンアムドン)はソウルの夢の島!?

デジタルメディアシティがある上岩洞(サンアムドン)は、かつてゴミ処理場があったことで知られています。

ワールドカップ競技場が建設される以前、上岩洞周辺にはゴミ処理場がありました。そこは「蘭芝島(ナンジド)」と呼ばれる漢江沿いの土地。現在は埋め立てられ、ノウル公園とハヌル公園に生まれ変わっています。

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ワールドカップ公園のハヌル公園

ワールドカップ公園はかつての「島」という名前の名残は全くなく、漢江を見渡せる丘の公園になっています。もちろん春や夏も良いのでしょうが、秋のススキ野原はおすすめです。

●アクセス
ワールドカップ公園(월드컵공원、ウォルドゥコプコンウォン)
地下鉄6号線・ワールドカップ公園駅下車(デジタルメディアシティ駅の隣)

以前、上岩洞(サンアムドン)に住んでいた方の話を聞いたことがありました。ゴミ処理場側に住んでいる人たちに対して、多少の差別感情があったそうです。しかしこの地域が発展したことにより、地価は上昇。

そのため、ごみ処理場の向かいの地域に住んでいた人たちは一気に逆転されてしまった、と語っていたようです。時代によって、政策によって、立場がガラッと変わることはよくあるのです。

デジタルメディアシティ駅前は?

デジタルメディアシティ駅前には、DMC中小企業タワーがあり、この一回には中小企業展示館などの施設があります。

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中小企業展示館では、韓国の中小企業に関するパネル展示、中小企業による工業製品を見ることができるほか、1997年のIMF経済危機、という激動の時期の不渡り手形も見ることができました。

韓国は2010年前後、サムスンや現代といった財閥企業ばかりが注目されてきましたが、近年は中小企業の育成にも力を注いでいるようです。

デジタルメディアシティ駅を抜け、グルメやカフェも

駅近くの路地に入ると上岩洞(サンアムドン)の飲食店街が並びます。この街の開発とともにできた新しいお店が立ち並んでいる様子がうかがえます。

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ここ数年、韓国では日本酒や日本のビールや食べものが韓国で受け入れられている様子ですが、日本スタイルのお店も並んでいます。その名も「思い出横丁」。

看板も新宿の思い出横丁そっくり。ほかにも焼き鳥の店があったり、日本語の看板が並んでいたりしました。

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聞いた話ですが、韓国で日本食の店をオープンする人のなかには、日本への留学経験者も多いのだそう。韓国人が日本へ留学するようになったのは80年代ごろから、ですから、そのとき20歳前後だった人はちょうど40歳後半から50歳前半。韓国の働き方を考えると、ちょうど脱サラして始めるのにはよい年齢でしょうか。

巨大な未来都市、デジタルメディアシティ

飲食店街を抜けると、デジタルメディアシティ。新しい高層ビルが着々建設されている様子。「ソウルはまだまだ発展を続けている!」そんな印象を受け驚いたと同時に、日本に、東京にこの活力を持ってこなければ、と思いました。

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放送局SBS(左)とYTN(右)のビル

テレビ局の建物をはじめ、ミラーガラスのように空の青を映した透明のガラスが美しいビル街。休日だからかたくさんの人々がここに集まってきています。ビルの1階にテナントとして入るコスメショップが目にとまりましたが、新しい町の休日をみんな楽しんでいるよう。

幼かった頃、絵本で見たような近未来的な世界がここに広がります。デジタルメディアシティ!名前からしても、21世紀にとてもふさわしいビルの景色が美しく続いています。

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テレビ局MBC

上の写真の後ろの建物は、韓国の文化放送のMBC。汝矣島から移転する予定になっています。

しかしよく考えてみるとテレビ局と通信社が全部同じ場所にあるというのは妙に不思議な気がします。しかし韓国の同業者って、なぜ同じ場所に集まるのでしょうか?

韓流ファン、K-POPファンもご注目

デジタルメディアシティは、韓国の放送局が集まっていることから、バラエティー番組や公開収録の観覧など、韓国芸能ファンやK-POPファンにも人気で、旅行中、それをお目当てに立ち寄る人も多いのです。

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STAR PARK

●MBC WORLD
最も大きな建物をもつのが、MBCの社屋。MBC WORLDでは、テレビ番組のニュース体験のほか、VR体験など様々な体験コンテンツが楽しめます。観覧料金は有料で、大人18,000ウォン~。MBC WORLD公式(韓国語・中国語)

●CJ E&Mセンター
CJ E&Mセンターでは、人気音楽番組、M COUNT DOWNの視聴が可能です。先着順で一般観覧することができますが、人気アーティストの場合、入場ができないこともあります。Mnet(韓国語・番組案内)

韓国映像資料院~映画博物館

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そしてこちらが韓国映像資料院です。「韓国版ハリウッド」といわれるデジタルメディアシティですが、それを象徴する建物なのかもしれません。1階には映画博物館があり、韓国映画に関する歴史やパネル展示、小道具などがいろいろ飾られています。尋ねてみたところ撮影禁止ではなかったので、写真を撮ってみました。

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映画博物館は韓国映画ファンにとっては一度は訪れたいところかもしれません。ソウル近郊の映画スポットといえば、デジタルメディアシティよりも前から知られている京畿道富川市が有名です。そちらでは映画祭が開かれたりもします。

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映画博物館を出て、駅のほうにまた戻ることにしました。洗練された、スタイリッシュなビル街のパワーに圧倒され、かなり興奮気味(?)だったのですが、これからの発展に期待がかかりますし、新しいプレイスポットとして今後注目されるでしょう。仁川、金浦空港からも電車で一本で行ける、というのは観光客にとっても魅力的なはず。これからは韓国ドラマ、映画、テレビファンにとっても期待がかかる場所です!

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駅まで歩いていく途中には、アパートが立ち並ぶ地区もありました。以前からの住宅街もあり、飲食店街もあり、そして新しいビルが立ち並ぶ、そんなデジタルメディアシティ、これからもその動向をウォッチし続けたいところです。

デジタルメディアシティの地図

(※1)ワールドカップ競技場の住所は、麻浦区城山洞です。
(※2)東京・江東区に「夢の島」というゴミ埋め立て地の公園があります。


記事に関連するエリア情報はこちら:上岩洞・デジタルメディアシティ(DMC)弘大


トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
デジタルメディアシティは、テレビ局街となりましたが、韓流コンテンツの発信地として観光客にも人気を集めています。アートが点在し、フォトスポットとしてもおすすめできる場所です。

空港鉄道では弘大(ホンデ)エリアもわずか一駅。秋にはススキ野原は広がる、ワールドカップ公園内のハヌル公園に立ち寄ってみてもよいかも。カップルにが訪れるのにも最適です。

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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。31歳。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、地方にも関心が高い。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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