大邱空港を利用して大邱から慶尚北道の観光都市、安東・慶州・浦項・聞慶へアクセス
 吉村剛史(トム・ハングル)
 2024/01/26 改:2024/01/27 

韓国を旅するリピーターや、韓国ドラマや歴史・文化などに関心がある方で、韓国の地方都市に出かけたいとお思いの方は多いのではないでしょうか。

ソウルや釜山を通じて地方都市へ行くのもよいですが、東京・大阪からは韓国の南東部にある都市・大邱(テグ)行きの便が出ており、大邱空港を利用して周辺地域を旅するのも意外と便利だといえます。

しかし大邱空港から地方の周辺都市へのアクセスが非常にわかりにくく、よりスムーズに移動できるようにならないものかと思います。大邱の周辺地域に関心がある方に安心して出かけていただけるように記事化しました。


【安東・慶州・浦項・聞慶】

この記事では大邱空港から大邱市内、そして慶尚北道の観光都市ともいえる安東・慶州・浦項・聞慶の見どころ、アクセス方法をお知らせします。

大邱空港から大邱中心部までのアクセス

大邱国際空港へは成田・関西からの飛行機が毎日運航されています(2024年1月現在)。


【大邱国際空港©LERK(CC-BY-SA 4.0)】

大邱空港からは大邱市内の中心部まで近く、大邱の中心街となる東城路までは道のりで約7キロ、KTXが停車する駅でもあり、駅のそばにバスターミナルがある東大邱駅までは約3.5キロと、アクセスしやすいことが特徴です。


【大邱空港~東大邱駅までの道順】

とはいっても大邱空港から東大邱駅までは3キロあるため、空港前から市内バスに乗車するか、もしくはタクシーが便利です。バスの場合は基本料金の1,500ウォン程度、タクシーの場合は約5,000ウォン前後となります。

大邱市内の観光も楽しめますし、大邱を拠点にして主に市外バスを利用し、世界遺産の安東河回村・慶州遺跡地区などの観光地を巡るのもよいですし、慶尚北道の都市で宿泊してみるのもよいでしょう。

大邱空港から慶尚北道へは東大邱ほかターミナルを経由して

大邱空港から安東、慶州、浦項などの慶尚北道の主要観光地へアクセスできるリムジンバスはありません(2024年1月現在)。ちなみに大邱空港からは朴正煕大統領の生家があり、工業都市の亀尾(クミ)行きのバスは出ています。

慶尚北道への公共交通を利用しての観光は、基本的には東大邱駅周辺に出る必要があり、市外バスに乗車する場合は1.東大邱駅複合乗換センター(東大邱ターミナル)、鉄道を利用する場合には2.東大邱駅または大邱駅からのアクセスとなります。

東大邱駅複合乗換センター(東大邱ターミナル)

大邱周辺の地域に出かける場合はここで市外バスに乗り換えることになります。慶尚北道の主要都市へはバスが頻繁に出ているため、アクセスが容易です。

よほど混雑する日や時間帯、出発直前でなければ予約をせずに乗れることが多いので、バスターミナルに行ってしまえばさほど心配することもありません。

▪東大邱→安東
料金:12,200ウォン、約1時間40分(1日24本)

▪東大邱→慶州
料金:8,000ウォン、約1時間(1日40本)

▪東大邱→浦項
料金:8,600ウォン(※最安)、約1時間10分(1日69本)

▪東大邱→店村(聞慶)
料金:15,300ウォン、約1時間50分(1日18本)
※料金などは変更になることがあります(所要時間や本数は大きくは変化しません)。

KTX東大邱駅(慶州・浦項へのアクセス)

東大邱駅から最短で慶州、浦項へ行くには東大邱駅を利用し、高速鉄道KTXに乗車するとよいでしょう。新慶州駅まではわずか20分弱、浦項駅までは約35分でアクセスできます。

▪東大邱駅→新慶州駅
料金8,000ウォン、約20分

▪東大邱駅→浦項駅
料金10,000ウォン、約35分

新慶州・浦項を経由するKTXは1時間に1~2本、その間にはヌリロ号が出ており、新慶州駅までは50分程度、浦項までは約1時間20分でアクセスが可能で、料金もKTXより数千ウォン安くなります。

安東(안동・アンドン)

安東といえば朝鮮時代に両班たちが暮らし、豊山柳氏の同氏村として、今も伝統を守って暮らし続ける安東河回村(アンドンハフェマウル)があり、ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。

河回村のあたりは韓国統治下最長の川である洛東江が蛇行した地形になっており、芙蓉台(プヨンデ)という高台に上ると河回村の韓屋が並ぶ光景が一望できる絶景スポットです。

B級グルメともいえる安東チムタク(鶏の辛煮)、偽の祭祀ごはんという意味のホッチェサパプ、特産品としては伝統の焼酎である安東焼酎が有名です。

人口約15万が暮らす都市でもあり、2016年には慶尚北道庁が移転してきた街で、市内にはカフェやレストランなども多くあります。

–安東市内のアクセス
KORAIL安東駅・安東バスターミナルは隣接。安東河回村まではバスで1時間弱(22km・車で約30分)

慶州(경주・キョンジュ)

慶州は新羅時代の都であり、当時の面影を残す歴史的な観光地として知られています。

▪慶州歴史遺跡地区
慶州中心部にはその当時の古墳、遺跡が点在しており、慶州歴史遺跡地区はユネスコ世界文化遺産にも登録されています。新羅王宮の離宮である「東宮と月池」、新羅初代王らが眠る慶州五陵、当時の天文台である瞻星台などが中心地にあり、徒歩でも観光できます。


[瞻星台]

また大陵苑の周囲には「皇理団ギル(ファンニダンギル)」と呼ばれる人気のカフェなどが集まる通りがあり、若い世代の観光客にも人気があります。

▪仏国寺と石窟庵
慶州郊外にある吐含山(トハムサン)の麓には新羅時代の仏教寺院、仏国寺(プルグクサ)があります。木造の建築物は17世紀以降に再建されたものがほとんどですが、境内には8世紀当時の石造の遺構が数多く残されています。

また仏国寺から1.7キロ(道のりでは3キロ強)離れたところには石窟庵(ソックラム)があり、石窟のなかで釈迦如来坐像が安置されています。石窟庵と仏国寺はユネスコ世界文化遺産に登録されています。

–仏国寺へのアクセス
慶州駅からはバスで約50分、慶州高速・市外バスターミナルからは約30分

▪良洞民俗村
良洞民俗村(ヤンドンミンソクチョン)は慶州北部に位置し、500年以上の歴史を誇る両班の村です。月城孫氏と驪江李氏による集姓村として形成されています。藁ぶき屋根や瓦屋根なさまざまな韓屋が集まっています。

また良洞民俗村は安東河回村とともに「韓国の歴史村」としてユネスコ世界文化遺産に登録されています。

–良洞民俗村へのアクセス
慶州高速・市外バスターミナルから203番バスで約50分(乗り換え含めたアクセス手段あり)。

浦項(포항・ポハン)

浦項は韓国を代表する製鉄企業・POSCO(ポスコ)の本社があることでも知られる都市です。東海岸有数の港町として知られ、近年ではドラマ「海街チャチャチャ」や、「椿の花咲くころ」のロケ地としても注目されています。

東海岸最大規模を誇る竹島市場(チュクトシジャン)は、様々な海の幸を味わえる市場であり、東海岸で獲れるズワイガニ、その時の旬の魚を使ったお刺身に酢コチュジャンを溶かした水をかけて食べる冷や汁のようなムルフェが味わえます。

浦項といえば日本統治時代に形成され、今も補修されて残る九龍浦日本人家屋街や、日の出の名所であり、朝鮮半島の虎の尾にあたる虎尾串(ホミゴッ)という岬が名所として知られています。

浦項には国内線の空港があり、ソウルへ空路で行くこともできます。

–浦項のアクセス
竹島市場:浦項バスターミナルからバスで約10分
九龍浦:浦項バスターミナルからバスで約40分(九龍浦から虎尾串まで約30分)

聞慶(문경・ムンギョン)

聞慶(ムンギョン)は朝鮮時代には漢陽(現:ソウル)へ科挙の試験を受けに行く人たちが越えていく難所でもあった、「聞慶セジェ」という峠が知られています。またこの一帯は聞慶セジェ国立公園に指定されています。

聞慶セジェは三つの関門がありますが、第一関門を越えたところにドラマのオープンセット場があります。このセット場は朝鮮時代の街並みが再現されており、これまでも「トキメキ☆成均館スキャンダル」など様々な有名な時代劇ドラマの撮影が行われています。

–聞慶セジェへのアクセス
大邱からは店村ターミナル(聞慶市)を経由し、市内バスで聞慶ターミナルまで約1時間。
聞慶からは東ソウルターミナルなどへの各所への直行バスあり

慶尚北道の魅力的な都市は大邱空港から

慶尚北道は安東・慶州といった観光客に人気の都市があります。とくにソウルからのアクセスが遠いのですが、大邱空港を利用して、大邱を経由して訪れることで時間も短縮ができます。

ソウルや釜山には及びませんが、大邱の中心街にはひととおりのお店や飲食店が揃っています。大邱で宿泊をしたり、さらに慶尚北道の都市で一泊して休暇を過ごすというのもよいのではないかと思います。

空港から直接アクセスできないことはネックですが、それでも慶尚北道へは大邱空港、大邱市内を経由して出かけてみるのもよいかと思います。

※ソウルや釜山から大邱へのアクセスは以下の記事をご覧ください。

ソウルから大邱、釜山から大邱へ!韓国国内から第3の都市大邱へ出かけてみよう




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