噂の’幽霊空港’、韓国・襄陽空港から釜山へ行ってみた!
 2016/04/10 吉村剛史(トム・ハングル)

韓国の東海岸に位置する江原道・襄陽(ヤンヤン)郡。韓国の名峰である雪岳山(ソラクサン)の麓に位置し、気温の特性から国内では松茸の産地として最も有名な場所です。

襄陽のすぐ南に位置する、江原道・平昌(ピョンチャン)では、2018年に冬季オリンピックが開催されることが決まっており、今後の発展が期待される地域。

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襄陽-釜山の地図

ソウルからは現在バスで約2時間半かかりますが、2017年末にソウル-襄陽高速道路が全線開通すれば、より短縮されることになります。

襄陽バスターミナル近くまでやってくると、ゆるゆるなご当地キャラクターの「ソンイヒャンイ(송이향이)」が不敵な笑みでピースしてくれます。

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ちなみにソンイは韓国語で「松茸」、ヒャンは「香」を意味し、イは名前のあとにつける親しみを込めた言い方。平たくいえば「松茸香ちゃん」といったところでしょうか。

松茸の産地、襄陽(ヤンヤン)郡!

襄陽郡は2015年末現在、人口が約2万7400人。江原道(カンウォンド)全体では約156万人で、韓国全人口のわずか3%ほど。しかし、この街には2002年に開業した襄陽国際空港があります。

空港までは襄陽バスターミナルから、タクシーで約10分。2012年の初春に松茸を食べに襄陽を訪れたとき、見物がてらこの空港を訪れたことがあります。

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豪快な松茸鍋

空港はなかなか立派な大きさ。空港周囲を取り巻く車寄せレーンも本格的に作られています(当たり前!)。とはいえ当時、発着便はゼロ。

「空港、大きいですね」というと、タクシー運転手は少々、自虐気味な口調で「国際空港だからね」と。

ちなみに韓国では空港は軍事施設とされているため、写真の撮影は禁止されています。しかし近年は、インターネット上で公開している方もいるので、ご関心ある方は韓国のブログ等を検索してみてください。

襄陽空港は「幽霊空港」との噂も。

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「襄陽国際空港」

襄陽空港は2002年に空港が開通し、これまで国内線ではソウル・金浦、釜山・金海と光州への定期便、国際線では中国・上海への定期便のほか、ハルビン、台北へのチャーター便が運行されたこともあります。

4億ドル(約400億円、1ドル=100円として算出)の高額な予算で建設された空港で、前述したとおり見るにも立派な空港。しかし実際には使用されていない時期も多かったようで、英メディアでは「幽霊空港」と報道されたとのこと。この件は、ロケットニュースが2009年に記事にしています。ロケットニュース(襄陽空港)

英BBCの動画は次の通りです。空港の写真の代わりにご覧ください。
英BBCサイト(英語)

ちなみに、江原道知事の崔文洵知事は2014年に来日した際に、鳥取県や襄陽-羽田のチャーター便の実現を目指したい、との意向を示しており、今後の動向が期待されます。

2016年、釜山・金海路線再就航!

2016年2月頃、韓国の航空会社コリアエクスプレスエアが、襄陽-釜山路線を再就航しました。近年では国内路線となる光州、釜山への路線が運行されていましたが、再び中断していました。そして今回の再就航。平日は1日1便、土日は午前午後の2便(水曜を除く)となっています。

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釜山―江原道襄陽空港50人乗りジェット機運航

今回は自治体も力を入れているようで、襄陽バスターミナルから襄陽空港までシャトルバスが運行されています。3月の上旬の週末、夕方に乗車しましたが、そのバスに乗っていたのは私ひとりだけ。おそらく50人は乗れる観光バスなのに・・・。

一番前の席にちょこんと腰かけましたが、後ろを見渡しても誰もいない。まさに”幽霊空港”に行くシャトルバスです。

噂の幽霊空港、到着!

空港の自動ドアから入ると、航空会社のカウンターが並んでいます。中国の航空会社のカウンターもありますが、営業していたのはコリアエクスプレスエアの一社のみ。2016年4月現在、襄陽-釜山路線のみが運航されています。

インターネット予約も可能ですが、海外のクレジットカードでの決済ができなかったので、仕方なく空港でチケットを購入。釜山・金海への料金は94,000ウォン(約9,400円、1,000ウォン=100円で算出)です。

ネットで購入すると90,000ウォンと少し安くなりますが、韓国のクレジットカードでしか決済できず、直接空港カウンターで購入することにしました。

職員の方:「お席はどうされますか?」
私:「どのあたりが空いていますか?何席くらい空いてますか?」
職員の方:「50人乗り飛行機で、乗客はお客様を含めまして・・・‥5人です。」
私:「・・・・」
私:「では窓際でお願いします。」

この日の搭乗客はなんと5人!ちょっと贅沢感があります。

空港のなかを見回してみると・・・

噂の襄陽空港。この日は2階の出発ロビーの半分だけが電気がついていて、中央には額に入った江原道(カンウォンド)の観光地の写真がずらりと並べられています。そしてなんと1階の到着ロビーは真っ暗。

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就航記念の横断幕

レストランや軽食コーナーもありますが閉業しており、セブン・イレブンだけが店を開いている状態。この日は、空港職員や航空会社の職員のほうが多かったようです。

少ししてから、航空会社のカウンターの方が話しかけてくださったのですが、日本にも留学された経験がある、ということで日本語堪能でした。その方と話していたときに、中年の男性が職員の方に声をかけ、ゆっくりと入ってきます。「あの方が機長ですよ」と。

人が少ないだけに、なんだかアットホーム感のある国際空港です。航空ファンの方は、ぜひ訪れるべき空港のひとつ。

CAの方に日本語で話しかけられ、驚く!

この日の出発時刻は17時5分。15分前にアナウンスされ、出発ゲートを通り、手荷物検査場へ。手荷物検査とボディーチェックを受け、搭乗前の本人確認を終えたらすぐ外へ案内されます。

天候はあいにくの雨。傘が貸し出され、飛行機まで歩いていきます。機種はブラジル・エンブラエル社のERJ-145。全長は約30メートルで、機内のシートは1列×2列。ざっと見積もると1列あたり16~17席となります。

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CAの女性は2人。「どちらのお席ですか?」と日本語で声をかけられたので驚きました。しかも発音はほぼ完ぺき!

あとで尋ねてみると「業務で使う日本語だけ」とおっしゃっていましたが、それなりに実力をお持ちなのだろうと思います。

シートベルト着用すると、離陸準備完了!当たり前ですが、機内アナウンスも他の航空会社と同じように行われます。つっかえることもなく、きれいなアナウンスでした。

この日はこの1機だけなので、待機時間もなくすぐ離陸!

機内サービスも上々

上空に上がりシートベルトのサインが消えるとすぐに、ドリンクサービス。先ほどのCAとは異なるもう一人の女性の方が「お飲み物はどうなさいますか?」とやはり日本語で。

また驚き、日本語で「何がありますか?」と尋ねると、「コーヒーと、コーラーと、オレンジジュースと・・・」と。ということなのでコーラをお願いしました。

他の乗客にはアンケートが配られていたようだったので、私も書きたい、といったところ韓国語のアンケート用紙が渡されました。飛行機で乗客アンケートというのはまた珍しい。

設問はすべて韓国語で。例えば「普段飛行機のチケットを購入される際、何を重視されますか?」など、そんなアンケートです。気になる方は乗ってみてください。

この日は雨でしたが、雲の上まで行くと晴れています。雲の切れ目からは、数百キロに渡って続く、美しい海岸線を望みます。

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韓国の東海岸は地図を見るとよくわかりますが、単調で一直線。きれいな海岸線が続きます。

ちなみにバスで南下すると一部では海沿いの国道を走り、釜山まではおよそ4~5時間ほどかかります。料金は3万ウォン(約3,000円)程度で飛行機の3分の1の価格です。飛行機なら待機時間を含めてもわずか2時間ほどです。

釜山の上空で大きく旋回!

途中揺れることもなく約40分ほどで釜山の上空へ。ここでようやく大きく旋回をします。空からは釜山港を臨み、韓国で最も長い全長525キロの河川、洛東江(ナクトンガン)の河口を通り越し、金海空港に飛行機が降りていきます。

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約55分の空の旅。陸上の移動であれば、釜山からバスで4時間半かかることを思うと、かなり時間の短縮ができた気がします。空港ロビーに出たときの時間が18時25分。

江原道で一日遊んでも、これから釜山の夜を満喫できる、と思えば、かなり贅沢なこと。今回のルートとは逆に、釜山から襄陽まで飛行機で飛んでいき、韓国の名峰・雪岳山や、オリンピックが開かれる平昌に出かけるなど、自然豊かな江原道の観光もまたおすすめです。

ちなみに私としては、襄陽-羽田路線のチャーター便の実現をひそかに願っています。いつか貸切ツアーなんてやってみたいですよね。賛同してくださる方は私と気が合いますので、TwitterFacebookInstagram、どれか一つをご登録ください(笑)。賛同しなくても登録お願いします。

<運行情報>
コリアエクスプレスエア(Korea Express Air)
襄陽(ヤンヤン)-釜山
通常料金:94,000ウォン
Web:http://www.keair.co.kr/(韓国語)
※最新の運行状況はホームページでご確認ください。


記事に関連するエリア情報はこちら:襄陽江原道


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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。韓国旅行・地方旅の総合発信者。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、講座、トークイベントでの発信も。これまで韓国100市郡以上を踏破。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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