江原道・太白(テベク)の素朴であったか、すいとん(カムジャオンシミ) | 韓国&韓国旅行 | トム・ハングル

江原道・太白の素朴であったか、ジャガイモすいとん
 2014/12/18 改:2016/12/21 吉村剛史(トム・ハングル)

9月上旬のソウル・清凉里駅。早起きして朝7時過ぎの列車・ムグンファ号に飛び乗ります。列車はいったん原州(ウォンジュ)を通り、忠清北道の堤川(チェチョン)を抜け、再び江原道へ。列車のなかはリュックサックを背負って鮮やかなウィンドブレーカーをきたハイカーたちでにぎわいます。

列車のなかで、私のほうをじろりとみてくるのは白髪のおじいさん。「あなた日本人かね。」と、突然声をかけてきました。「でしょ?そうだろうと思った」「昔、九州に住んでたことがあるんだ。これから、どこ行くんだ?」「テベクに行きます」と私が答えると、「そうか」と、にっこり笑って席へ戻っていきました。

太白(テベク)まで、列車ではおよそ4時間。バスを利用すると約3時間。太白(テベク)という名前を聞いたとき、何を思い浮かべるでしょうか。

中国の詩人、李太白?小説『太白山脈』?韓国の地理に詳しい方なら、おそらく朝鮮半島の東側を南北に縦断する太白山脈が真っ先に思い浮かぶはず。そのおよそ中央にあるのが太白山(テベクサン)です。

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洛東江の源流、黄池、そして黄池自由市場

列車を降りると、ひんやりとした秋の風は少し肌寒く感じられます。もうお昼どき。食事をしようと私が向かったのは、市場です。せっかちな韓国のドライバーも市街地では、びっくりするほどゆっくり走行しています。こんな光景がみられるのも江原道ならではかもしれません。

駅から歩いておよそ10分。韓国統治下では最も長い525キロメートル、釜山から海にそそぐ洛東江(ナクトンガン)の源流地があります。

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源流といってもここにあるのは、小さな池。その名を黄池(ファンジ)といいます。ここからどのようにして大河へと発展していくのか不思議。そんな場所なのです。池の写真をとっていたら、昼から酒を飲んでいる酔っ払いに絡まれましたが、なんとか振り切り、この池の名前を冠した黄池自由市場へ。

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すいとんの店、釜山カムジャオンシミへ

入ったのは釜山カムジャオンシミという店。「模範業所」の看板が掛けられていました。店の名前にもあるオンシミとはすいとんのことで、江原道(カンウォンド)の郷土料理。カムジャはジャガイモのこと。つまりカムジャオンシミとはジャガイモのすいとん。

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これは、米が不足した寒い冬に食べた料理だというのです。もともと江原道では山を焼き畑を耕して、ジャガイモやそばを二毛作で植える農業が行われていました。

店を切り盛りするアジュンマは、解放のころ釜山に住んでいた、と話していらっしゃいました。そのためお店の名前に釜山とついているのだそう。さっそく注文したのは、カムジャオンシミ(6,000ウォン)。

ジャガイモのすいとん、カムジャオンシミ

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ジャガイモチヂミ(カムジャジョン)を作ったことがある方はお分かりかもしれませんが、ジャガイモをすりおろし、でんぷんを沈殿させて、再び身の部分と混ぜ合わせて、団子状にしてスープのなかで茹でます。

実際に作ってみるとわかりますが、一個のジャガイモからは大して量をとることができません。1杯に4~5個くらいだろうと話していましたが、すり下ろしたりすることを考えると、作るのにもかなりの手間がかかるはずです。

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店に掲載されていた現地の雑誌の記事を見ると、煮干しや昆布の出汁を使って出しているのだそう。具材にはシイタケとナズナが使われており、これが味を引き立てるようです。

もっちりしたジャガイモの団子に、風味良い薄味のスープ。見た目にはキノコの風味さえ感じられそう。このすいとんのなかにはカルグクス(うどん)の麺も入っていました。そして、ヨルム大根のキムチが付け合わせに出てきます。

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元祖・健康食、江原道フード

秋の入口に差し掛かかり、少しひんやりとしたこの時期。少々空気も乾燥してくるなかでの、ジャガイモのすいとん。すすると何か懐かしくも思えてくる素朴な味。食べると体が温まってきて、心なしか力が出てきました。

ジャガイモはカロリーも低いと言われます。そばに、ジャガイモに、と江原道は健康食の宝庫だといえるかもしれません。太白(テベク)のおふくろの味、ともいえるであろう、カムジャオンシミ。ぜひ行かれたときは召し上がってみてください。

店舗情報
店名:釜山カムジャオンシミ
住所:太白市黄池洞黄池中央市場内

太白(テベク)黄池中央市場の地図


記事に関連するエリア情報はこちら:江原道太白


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トム・ハングル(吉村剛史)

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビューし、同年中央日報に掲載される。これまで文化センター講座、トークイベントでの発信も1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破。海外の常識をレポートする『海外ZINE』の韓国担当ライター、2018年2月号『散歩の達人』第2特集の取材・文を担当。同6月から韓国水産食品(K-FISH)広報サポーターズ。プロフィール・お問い合わせ






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