ソウルから光州、釜山から光州へのアクセスは?~どちらから行くのが便利か
吉村剛史(トム・ハングル)
2021/07/05 改:2021/07/08
光州(クァンジュ)は韓国の南西部に位置し、韓国第4、5を争う都市(仁川を含めれば5,6位)です。
1980年に光州事件が起きた場所として知られ、韓国映画にも登場することから「一度は訪ねてみたい」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
[旧・全羅南道庁]
光州は地図で見ると、ソウルや釜山からも遠く、なかなか出向くことはない場所ですが、交通手段が発達した今の時代にはそれほど時間がかからず移動ができます。
この記事では光州がどんなところなのかをお伝えするとともに、ソウルや釜山からのアクセス方法について詳しくお伝えします。
光州とはどんな都市なのか
光州は韓国南西部に位置する都市で、かつては全羅南道に属していました。現在は光州広域市であり、150万弱の人口を有する都市です。
光州の代表的な山として無等山(무등산、ムドゥンサン)という山があり、市の東側は国立公園に指定されています。
そして光州といえば、1980年5月に民衆の蜂起が起き、政府軍が介入したことにより150名以上の死者を出した光州事件の場所としても知られており、政治的には革新勢力が強い地域でもあります。この事件は2017年のヒット映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』にも描かれています。参考:光州
さらに観光的な要素としては2年に1度、秋に現代的な美術展である光州ビエンナーレが開催され、10月頃には光州世界キムチ祭りが開催されます。
ソウル・釜山から光州の距離はどのくらいなのか?
ソウルから光州の距離は直線距離で約270kmあります。ただし高速鉄道KTXでの道のりはおよそ300キロほどです。ソウル-光州は東京から新潟が直線距離で255キロくらいなので、それと同じくらいと考えるとよいでしょう。
釜山から光州までの直線距離は約200km。この区間を一気に走る高速鉄道はありませんが、自動車で行く場合の道のりは約260キロとなります。
距離的には釜山から行く方が近いように感じられますが、ソウルからのほうが短時間でアクセスできます。
ソウルから光州への行き方~高速鉄道KTX・SRTなら2時間弱
ソウルから光州へアクセスする場合は、KTX・高速バス・飛行機の3通りがあります。
高速バスが最も安い交通手段ですが、限られた時間での移動ではKTXやSRTを利用するのが最も効率的だといえます。SRTは料金が少し安くなっています。
高速バスはセントラルシティバスターミナル(江南ターミナル)から、KTXは龍山駅から、SRTは水西駅からの出発となります。飛行機の場合は金浦空港からになりますが、空港やその近くからアクセスする場合以外は他の交通手段のほうが一般的です。
以下では所要時間と料金を交通手段別に示したものです。
交通機関 | 所要時間 | 料金 |
高速バス | 約3時間20分 | 19,000ウォン(一般)、28,100ウォン(優等)、36,500ウォン(プレミアム) |
鉄道(KTX/SRT) | 約1時間50分前後 | 47,100ウォン/40,200ウォン |
飛行機 | 約1時間 | 50,000ウォン前後(時期により異なり、これを下回ることも) |
飛行機の場合はこれまでは光州空港でしたが、今後は務安空港に移転統合する予定があります。務安空港は光州中心部からバスで約1時間かかります。そのため飛行機よりも鉄道が最も早い移動手段となります。
※車でアクセスする場合は、渋滞等も考慮した場合、バスの所要時間以上かかる可能性があります。
龍山駅を利用しよう
鉄道を利用する場合、SRTを利用するのもよいですが、ソウル中心部からの場合は龍山駅を利用します。ソウル駅からは地下鉄1号線で2駅にあたるので、主に地下鉄で移動する形になります。
龍山駅はステーションビルのようになっており、駅ビルは複合商業施設になっており映画館もあります。また龍山電子商街という韓国最大の電子街があることでも知られています。
またソウルドラゴンシティというホテル群があり、ここに前泊してもよいかもしれません。https://www.koreatravel-expert.com/yongsan-st/
釜山から光州へアクセス~高速バスが最も早い手段
釜山から光州へアクセスする場合は高速バスで移動します。鉄道で光州へ直接行ける列車は急行列車にあたるムグンファ号しかなく、本数が1日に5本程度と非常に少なく、時間もかかるため高速バスで移動するのが一般的です。
高速バスは釜山綜合ターミナルと釜山西部ターミナルの二か所があり、どちらも本数が多く出ていることから、いずれかのうちの近いところから乗車するとよいでしょう。
交通機関 | 所要時間 | 料金 |
高速バス | 約3時間20分 | 26,000ウォン(一般)、33,800ウォン(優等)※釜山綜合ターミナル基準 |
※車でアクセスする場合は、渋滞等も考慮した場合、バスの所要時間以上かかる可能性があります。
釜山綜合ターミナル・釜山西部ターミナル
釜山から光州へ移動する場合は、釜山綜合ターミナル(老圃洞、ノポドン)と、釜山西部ターミナル(沙上、ササン)のいずれかを利用します。釜山西部ターミナルを利用する方が、2000ウォン程度安くなります。
釜山駅や南浦洞からは地下鉄でターミナルに向かう場合は、老圃駅前にある釜山綜合ターミナル(老圃洞)のほうが10分程度早く行くことができる程度の違いで、どちらを利用しても大差ありません。
一方で金海空港からは釜山金海軽電鉄を利用して釜山西部ターミナル(沙上)を利用するほうが便利です。釜山西部ターミナルは沙上駅前にあり、ここは地下鉄2号線も通っている駅です。
次に到着した時に利用する光州の主要ターミナルについて解説していきます。
光州の玄関口となる主要駅とバスターミナル
●U・square
光州の最も大きなバスターミナルはU・squareという複合ターミナルです。ソウル・釜山から高速バスに乗るとこのターミナルに到着します。
ここには様々な店がテナントとして入っており、フードコートや飲食店が多数あり、買い物もできる大型ターミナルです。光州市郊外、周辺地域へアクセスにはこのバスターミナルから市外バスに乗り換えます。
U・squareは最寄りの地下鉄駅である農城駅から約15分くらいかかります。市内バスを利用して中心街へアクセスすることも考える必要があります。
●光州松汀駅(광주송정역)
光州までKTXやSRTを利用する場合はこちらの光州松汀(광주송정、クァンジュソンジョン)駅を利用することになります。
駅前から地下鉄が出ており、光州中心街へのアクセスは容易です。この駅は郊外にさしかかるところに位置しているため、中心街までは地下鉄で25分ほどかかります。
このほかに主要駅として光州駅がありますが、上記の交通手段では利用することがないため、説明を省略します。
韓国国内から光州へ出かけてみよう
韓国南西部に位置しており、日本からはなかなか行きにくい場所にある光州ですが、務安空港と成田・関空を結ぶ直行便が出ていたこともあり、近年は海外からの観光客招致にも観光にも力を入れているようです。
この記事を通して光州への韓国国内での移動手段も知っておくことにより、旅をするうえでのプランを考えるうえで役に立つのではないでしょうか。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール