オリンピック開催地、平昌で最高級の焼肉をリーズナブルに
吉村剛史(トム・ハングル)
2012/10/08 改:2018/06/27
平昌郡は、東海岸に沿うように南北に連なる太白山脈の名峰、五台山(오대산、オデサン)の麓に位置。平昌郡内は平均700mの高地にあるため、"Happy 700"というスローガンが掲げられています。
[スローガン”Happy 700″ マスコット・ヌンドンイ(눈동이)]
江原道(カンウォンド、강원도)は韓牛の産地として知られており、各地にブランド牛があります。江原道内では平昌の隣にある横城(フェンソン、횡성)が最も有名です。
もちろん江原道以外にも韓牛が有名な地域があり、ソウルから比較的近い京畿道の安城や、全羅北道の井邑、金堤など、各地に韓牛の名産地があるのです。
[市場の名前も「平昌オリンピック市場」に]
ちなみに平昌の名物グルメといえば韓牛のほかに、ソバやジャガイモを使った料理や、冬の寒い外気のなかで冷解凍を繰り返したスケトウダラの干物などがあります。
[平昌バスターミナル]
2012年9月のとある日曜日、私は同行者の方と二人で平昌へ。平昌(ピョンチャン、평창)には、いくつかのバスターミナルがありますが、最初に到着したのは平昌バスターミナル。ソウル・東ソウルバスターミナルから約2時間30分です。参考:平昌のアクセス(第2回目)
しかし平昌バスターミナル(平昌邑)周辺の韓牛のお店は、この日が休みだとわかり、現地の方に聞いて探すことにしたのです。
[平昌郡周辺の地図]
バスターミナルの方や、観光案内電話1330(※韓国の電話観光案内サービス)で話を聞いてみると、バスで15分ほどの隣町、「大和(テファ)面に韓牛のお店がある」ということで一致。早速バスに乗り、大和面へと向かいました。
途中、車窓から見えるのは黄金色に染まり始めた田んぼ。江原道はコメの育たない場所で、ソバやジャガイモが主に栽培されていると聞いていたのですが、実際には水田があります。
このときは台風シーズンのため、天気はどんよりとした曇り空。ぽつぽつと雨の降りだすなか、平昌に訪れた秋を感じながら車窓からの風景を眺めていたところ、すぐに大和面に到着したのです。
自分で選んだセルフ焼肉が食べられる「平昌韓牛マウル」
大和面のバスターミナルのすぐ横にあるのが「平昌韓牛マウル(ハヌマウル、한우마을)」という店。
この「平昌韓牛マウル」というお店は、店舗で韓牛の直売をしているだけでなく、購入した韓牛を店舗併設の食堂で味わうことができるシステム。(※韓牛を扱う飲食店は郡内にたくさんありますが、「セルフ焼肉店」のひとつして記事にしています。)
平昌郡内には全3店舗あるこの店は、この大和店が本店。バスを利用しての観光客が最も訪れやすいのが大関嶺IC近くの大関嶺店、そしてフェニックスパークにも近い蓬坪面の綿温店があります。
店に入ると大きな冷蔵ショーケースのなかにはパック詰めされた韓牛の数々。ひとつひとつ見てみると、値段とともに等級が書いてあるのです。
韓牛の等級を見ながら、韓牛を選ぶ
韓牛の等級は5段階に分かれています。そのランクは「1++(ツープラス)/1+(ワンプラス)/1/2/3/等外」という順になっています。
そこでお店の人に尋ねながら、美味しい肉を探してみたのです。二人で選んだ韓牛はこちら。
[購入した韓牛]
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●韓牛の霜降りロース(한우꽃등심)
値段:100g=10,000ウォン(約1000円)
等級:1++(100g、10,000ウォン)
154g&186gの2パックを購入=34,000ウォン(約3,400円)
●韓牛のムネ肉(한우업진살)
等級:2(100g、8,000ウォン)
122g=9,760ウォン(約976円)
34,000ウォン(約3,400円)+9,760ウォン(約976円)
合計:43,760ウォン(約4,376円)
※100円=1,000ウォンで計算
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最上級となる1++(ツープラス)は100gあたり10,000ウォンまたはそれ以上のお値段。滅多に食べることのない、なかなかの高級品です。
このようなセルフ式焼肉店では、お店にセッティング費用を払います。金額は1人あたり4,000ウォン(約4,000円)。この金額を払うとサンチュやキムチなどの副菜がついてきます。
[キムチなどのおかず(セット料金に含む)]
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●セッティング代金1人
4,000ウォン(約400円)×2人=8,000ウォン(約800円)
肉を合わせた総計:51,760ウォン(約5176円)
※100円=1,000ウォンで計算
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計算すると、1人あたり約26,000ウォン(約2,600円)。この価格で最高級の韓牛が食べられる、というわけです。かなり安い!肉は一人当たり約230グラムですが、美味しい肉をしっかり味わって食べるには十分満足できる量なのです。
美味しい牛肉を食べすぎるのは、あまりおすすめはできないので、このくらいにとどめておいて、締めに冷麺やテンジャン(味噌)チゲを注文するとよいでしょう。
最上級1++(ツープラス)の肉は、しっかり締まっている上に柔らかい!脂の乗りぐあいもちょうどよく、じっくり味わっていただきたいと思うのです。
江原道・平昌を訪れて韓牛を味わうワケは?
韓牛を自分で選び、自分で焼く、というスタイルはやはり楽しい。ソウルにもセルフ焼肉店はありますが、やはり本場ともいえる江原道を訪れて食べるからこそ美味しいのです!
平昌には小説「そばの花咲くころ」の舞台になった蓬坪や、スキー場・リゾート地が多く、ヒーリングがてら訪れて韓牛を味わうのがおすすめです。
ソウルのように密集した都市ではなく、山に囲まれた自然の空気を胸いっぱいにすいこみ、最高級の焼肉を平昌(ピョンチャン)でぜひ味わってみてください。
●平昌韓牛マウル(평창한우마을)
大和本店
位置:大和ターミナルすぐ横
公式ページ:http://www.pchw.co.kr/(韓国語)
アクセス:東ソウルターミナル→長坪ターミナル(江陵行き)→市内バスで約15分。
東ソウルターミナル→平昌ターミナル(安興経由、旌善行き)→バスで約15分。
大関嶺店
位置:大関嶺ICから400m。
アクセス:東ソウルターミナル→横渓ターミナルから徒歩15分。タクシー基本料金程度。
※2012年10月8日公開の記事を再確認ののち編集したものです。牛肉の価格は多少の変動が予想されます。
※2018.5.12 地名誤字訂正
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール