これから大注目!?平昌オリンピックマスコット~国際大会キャラも勢ぞろい!
吉村剛史(トム・ハングル)
2017/05/29 改:2017/09/26
今月5月18日、韓国観光広報館が羽田空港国際線ターミナル4階にオープンした。7月17日までの約2か月間、ブースが開かれ、主に平昌五輪のプロモーションが行われている。
すでにメディアや各種ブログ等でも伝えられているが、今回、立ち寄ってみたので簡単にレポートするとともに、ブースで頂いたグッズから、平昌オリンピックのマスコットのことをより深く知ってみたいと思う。
[羽田空港・韓国観光広報館]
韓国観光広報館の前に訪れ、ブースの少し後ろで眺めていたら、スタッフの女性に英語で話しかけられた。日本にいながらも、英語で話しかけられるとは思ってもいなかったので一瞬驚いた。実際のところ、私の前には外国の方が説明を受けていた。
江原道公式ブログで発信することを伝えたところ、スタッフの方は快く対応してくださった。このように、平昌五輪には現地の方を含め、事前の準備段階から多くの方が関わっていることを忘れてはならない。
ブースにはパネル展示がされているほか、ボブスレーやスキージャンプなどのVR体験で、ゴーグルを目に当ててみると、実際に体感しているような気分になれる。羽田から旅立つ前に、立ち寄ってみてもよいだろう。
今回は応援メッセージを書くように勧められたので、筆ペンで記入してみた。平昌五輪、そして2020年東京五輪の成功を祈願するとともに、「江原道」の文字もしっかり入れておいた。
[平昌五輪応援メッセージ]
なんと当日はキャンペーン期間中、ということで、平昌五輪グッズを頂いた。マウスパッドとシール、そしてピンバッジの3種類だ。(※欲しい方は早めに立ち寄ってみてほしい。)
[平昌五輪のマスコットとグッズ]
今年に入り、韓国ではマスコットの人気が高まり、一時期グッズが品薄状態に陥ったという。今は解消されているのだろうか。それにしても3種類頂けるとは、かなりの大盤振る舞いだ。
せっかくなので、この愛らしいマスコットのことをもう少し知っておこうと思う。すでに韓国メディア等でも紹介されてきたが、これを機会に江原道にちなんだキャラクターであることを再認識していただけたら嬉しく思う。
●バンダビ(반다비、Bandabi)
バンダビは、韓国の天然記念物329号に指定されたツキノワグマをモチーフにしたマスコットだという。
ツキノワグマは韓国語で「バンダルゴム(반달곰)」といい、江原道を象徴する動物とされる(ツキノワグマは韓国南部・智異山でも生息が確認されている)。
韓国では、クマといえば朝鮮建国の神話、「檀君神話」にも登場し、神聖な動物ともいえるが、一般的には「のろまで愚かな動物」というイメージも強い。
ちなみに日本で「クマみたいな人」といえば、野性的な力強い人といったところだろうか。しかし韓国では認識が異なるのである。
いずれにせよ、マスコットキャラクターなので、とても親しみやすい印象をうける。後述する江原道のマスコットキャラクターもツキノワグマである。
●スホラン(수호랑、Soohorang)
スホランは、守護神とされる「白虎」がモチーフとなっている。「スホ(수호)」は漢字で「守護」、虎は韓国語で「ホランイ(호랑이)」。これらと韓国の民謡、アリラン(아리랑)にもかけている。
アリランは韓国各地、地域ごとにあり、平昌オリンピックで一部競技が開催される旌善(チョンソン)では、「旌善アリラン」が有名で、三大アリランの一つとされる。
旌善で2と7のつく日に開かれる五日市は、韓国のなかでも規模が大きく全国的にもよく知られている。この市の開催日には、アリランの公演が楽しめるので、頭の片隅にでも入れておいていただけたらと思う。
●以前のスポーツ大会のキャラもチェック!
これまでの国際大会のキャラクターもチェックしておくことにしよう。
●1988年ソウルオリンピック
ソウルオリンピックのマスコットキャラクターは、「ホドリ(호돌이)」で「虎の子」だという。虎は昔話や神話にも登場するほか、朝鮮半島にはかつて虎が生息していたという。余談だが、筆者は86年生まれなので、ソウルオリンピックは全く記憶にない。
[ソウルオリンピック]
●2011年大邱世界陸上選手権大会
2011年に行われた大邱(テグ)の世界陸上選手権大会で登場したのは、韓国の在来種、サプサルゲをモチーフにした「サルビ(살비)」というキャラクターである。
サプサルゲは、豊山犬(プンサンゲ)や、珍島犬(チンドッケ)などと同じように、韓国固有の犬種である。毛に覆われ、くりっとした目が可愛らしい。
[大邱世界陸上のマスコット]
大邱では繊維産業が盛んで、「カラフル・テグ(colorful daegu)」というスローガンを掲げているが、マスコットの顔にかかる毛は、それを表している。
●2014年仁川アジア競技大会
2014年に開催された仁川アジア競技大会のマスコットは、ゴマフアザラシの「ビチュオン(비추온)」「バラメ(바라메)」「チュムロ(추므로)」の3匹で、それぞれ「光、風、舞」の意味をもつという。
ゴマフアザラシは韓国統治下の西端にあたる、白翎島(ペンニョンド)の頭武津という場所に生息しているらしい。
[仁川アジア大会のマスコット]
とにかく国際大会だけに、国やその地域を象徴する動物をマスコットとして採用しているのである。平昌五輪では当初カササギや、珍島犬が候補として挙げられていたというが、とくに犬は食用にもされることから外れた、という話もある。
●江原道のマスコットは「バンビ(반비)」
オリンピックが開催される、江原道のマスコットは「バンビ」である。果たして彼の知名度はいかほどのものか?
江原道ブログ読者の方々は、いつも何気なく見ていると思うが、このクマのキャラクターの名前をご存じだろうか?ぜひこれを機会に覚えてほしいのだ。
[江原道のマスコット・バンビ(原州市にて)]
ちなみに、私がかねてから気になっているのは、東京・四谷のコリアセンター、江原道観光事務所にいる「バンビ」である。彼はみずからを「永遠の3歳」と称し、日々、江原道の情報を伝えている。
ソンイ!ソンイ!
(マツタケ!マツタケ)韓国でマツタケといえば、
江原道の襄陽(ヤンヤン)郡。
おすすめ松茸レストランを紹介!
バスターミナルも近くて便利だよぉマツタケのプルコギや
マツタケの炊き込みご飯を… http://t.co/7knnNgjfBj— 강원도쿄office_江原道観光事務所 (@gangwon_banB) 2015年9月4日
常に語尾が「~だよぉ」で締めくくられるのが、私の心を妙に刺激するのだが、彼の注目すべき点は、3歳でありながら異様に口が達者なことだ。
さてそんな3歳のバンビ君に告ぐ。「白馬に乗った王女様」がいっこうに現れず、相変わらずひとり旅を続ける私と一緒に、江原道を旅してくれないだろうか。
そのときは江原道・東海岸の「刺身街道」で、バンビ君が好物の新鮮な刺身を、ご馳走してあげようと思う。華川のヤマメや、平昌のマス、高城の鮭、のような食べ慣れた川魚ではなくてもよいだろうか?
だが突如、ツキノワグマの本性をあらわして、私を襲わないことを約束してほしい(笑)。
※この記事は韓国・江原道公式ブログに掲載されたものです。(2017/5)
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール