釜山駅周辺で注目の観光スポット!~港を一望、夜景も美しい草梁イバグギル | 韓国&韓国旅行 | トム・ハングル

釜山駅周辺で注目の散策スポット!~港を一望、夜景も美しい草梁イバグギル
 2018/09/07 吉村剛史(トム・ハングル)

約350万人が暮らす韓国第2の都市・釜山。その玄関口ともなるKORAIL釜山駅の近くには、九州や下関、大阪とを結ぶ釜山国際旅客船ターミナルがあり、観光客が船で行き来し、釜山駅にはソウルやその他の都市から観光客や出張客がやってきます。

海風薫る釜山駅を出ると、正面には山々が見えます。港町・釜山は目の前に海があるだけでなく、実は山に囲まれた都市。釜山の面積の半分ほどが山、ともいわれています。そのため実際に斜面に暮らす人も多く、最近では住民たちのためにエレベーターが設置されていたりもします。

釜山駅到着後、日本からやってきた観光客の多くは、チャガルチ市場や南浦洞を目指しますが、特にリピーターの方は「釜山駅周辺をじっくり回ってみませんか?」というのが今回のご提案。駅の前にある丘からは港を一望でき、夜になると夜景も楽しめるのです。

ここ数年、釜山駅周辺は観光地としての整備も進められており、「草梁イバクギル」は釜山の名所のひとつになりつつあります。じっくり見ていきましょう。

草梁イバクギルとは?

釜山港は1876年の日朝修好条規により開港。その後、140年以上の歳月が経ちました。開港以後、海外の文化が入り込んだことにより、あちこちに西洋式の近代建築が残っているほか、今もなお当時から続くチャイナタウンがあるなど、国際的な要素が感じられます。

釜山駅のある釜山東区ではこのような場所の整備を進めており、釜山駅前から草梁洞一帯の名所めぐりの道を「イバグギル(이바구길)」と名付けました。

「イバグ(이바구)」は韓国語を勉強している人でもなかなか馴染みのない言葉。釜山のある慶尚道という地域の方言で、標準語であれば「イヤギ(이야기)」。「話、ストーリー」という意味の言葉です。「イバグギル(이바구길)」をもう少しわかりやすい言葉でいうならば「ストーリーのある道」ということ。様々な歴史が詰まっている場所を散策しよう、というものなのです。

イバグギル(이바구길)
イバグギル(釜山・東区公式ページ・韓国語)

釜山駅周辺と草梁イバグギルの地図

釜山駅前は前述のとおり、斜面になっているため、ゆっくり歩いて登っていく必要があります。「イバグギル」には滑りやすい道があるわけではないですが、できるだけ歩きやすい靴で散策することをおすすめします。

釜山駅を出て草梁テキサスのゲートをくぐったあとは。右に曲がって路地を進みます。旧百済病院とTOP MART(スーパー)の前を通り、市場には入らずに山のほうへ向かっていきます。168階段を上りつつ、イバグキャンプまで歩いていくのがこの道のルートです。

※釜山駅で時間が余った場合はコインロッカーに荷物を預け、徒歩10分圏内のスーパーや市場で買い物をしたりすることもできます。翌日の移動を考えて、駅前のホテルに宿泊するというプランもまた良いでしょう。

釜山駅周辺の観光を楽しみたい方は、市場に屋台に外国人街!多様な色を持つ釜山駅周辺~観光も買い物もグルメもココでをご覧ください。

イバグギル(이바구길)を歩いてみよう

釜山駅を出て「中央路(중앙로)」という大通りを渡ります。草梁テキサスのゲートをくぐったらスタート。

●旧・百済病院
まずは史跡見物から。小さな十字路の角にある赤レンガ造りの建物。釜山初の個人総合病院として1922年に建設された百済病院の建物です。その後は主に公的機関として様々な用途で使われてきましたが、100年近くたった今もなおこの場所に残っています。

旧百済病院の建物はリノベーションされ、現在は「ブラウンハンズ(브라운핸즈、ブラウンヘンジュ)」というカフェ兼ギャラリーになっています。お茶を飲むついでに入ってみてはいかがでしょうか。しかしイバグギルは始まったばかり。ここで休んでいると前へ進めません。

ブラウンハンズ(브라운핸즈)
営業時間:10:00~23:00
公式ページ(韓国語)

●南鮮倉庫
旧・百済病院を過ぎ、草梁市場へと向かう通りを歩くと、右側にはTOP MART(탑마트、タプマトゥ)というスーパーがあります。このスーパーの横にレンガ塀が残されているのですが、これは1900年に建てられた南鮮倉庫(当初は北鮮倉庫と呼ばれていた)の名残。

現・北朝鮮の咸鏡道から運ばれてきたスケソウダラを保管する倉庫として使われ、そこから鉄道で各地に運搬していたようです。この建物は2009年に撤去。現在は取り壊されて外壁のレンガの一部が史跡として残されています。


[南鮮倉庫]

残された外壁には説明が書かれているのですが、注意して見ていなければ通り過ぎてしまいそうなほどです。

●草梁市場
草梁市場も長い歴史をもつ市場。釜山駅が今の場所に移ったのは1960年代ですが、市場自体はそれ以前からあるようです。釜山駅に最も近い市場としてにぎわっており、食材や衣類はもちろん、市場内には地元ローカルさが感じられる飲食店が多く、お店の前の椅子に腰かけてチヂミなどをつまむこともできます。

釜山駅を訪れてお時間のある方は、旧・百済病院のカフェや草梁市場の散策がおすすめです。ただしイバグギルを歩く場合、立ち止まっていても進まないので、なるべく前進しましょう。市場には入らず、まず168階段を目指します。

イバグギルは斜面のため、坂が多いことはもちろん、168階段以外にも下の写真のような階段があります。道しるべとなる案内版はもちろん、ブロック塀にイバグギルを示すウォールアートが施されていたりもして、散策道として分かりやすくなっています。まわりはもちろん住居ですので、あまり騒ぎすぎないようにご注意。

ところどころにある坂や、階段を一歩一歩上がってみると、168階段にたどり着きます。

●168階段
イバグギルで一番の名所となっている168階段。その名の通り168段の石段があり、この階段を行き来する住民たちの不便を解消するために作られたモノレールが設置されています。

韓国も日本と同様、高齢化が進んでいるという実情があります。釜山の斜面にある道は「山腹道路」と呼ばれ、釜山市ではその環境を改善すべく、このような電動式のモノレールを配置するなどしているのです。

168階段の真ん中あたりには、釜山出身の詩人キム・ミンブ(김민부)の名前を冠したキム・ミンブ展望台があります。ここからは釜山港一帯を見渡すことができ、高台から解放感に浸ることができます。ここはぜひ訪れてほしいおすすめスポット。階段の途中にはほかにもこぢんまりとしたおもちゃ博物館があったりもします。

ここに夜にやってきたらきっと美しいだろうな、と思い、暗くなってから再び訪れてみることにしました。

釜山の穴場夜景スポットならココ

釜山市民の誰もが知る有名な夜景スポットといえば、広安里海水浴場や海雲台方面にある「荒嶺山(황령산、ファンリョンサン)」という山。そこはケーブルカーがなく車で訪れるしかないため、外国人はほとんど訪れません。

しかし観光客が気軽に訪れることができるところといえば、168階段なのではないでしょうか。住宅街のなかにあるため、数年前までは知る人ぞ知る穴場のスポットという印象でしたが、最近では人気スポットになりつつあるようです。


いかがでしょう?この美しい夜景。

この168階段を上り終わったところには、いくつかお店があります。そのなかでも夜景を見渡せる絶好の場所にあるのが、釜山名物おでんのお店。釜山にはおでんメーカーがいくつかありますが、こちらは1966年創業のヨンジン食品(영진식품)が運営するカフェバー。この会社は草梁洞に本店があります。


[ヨンジンオムク&コンガンカフェ(영진어묵&공감카페)]

ヨンジンオムク&コンガンカフェというお店。2013年頃に魚の練り物を揚げたオムクコロッケ(어묵고로케)が登場しましたが、ここのお店でも食べることができます。

オムクコロッケ&チップスは箱入りになっており、ケチャップやマヨネーズにつけて食べます。チップスと書かれていますが、フライドポテト。そして日本ビールを含めた海外ビールが充実。近年の海外ビールの人気が反映されています。


[オムクコロッケ&チップス(13,000₩)+青島ビール(6,000₩)]

釜山港の夜景を楽しみながら、美味しいオムクコロッケを味わってみてはいかがでしょうか。ひとりでゆっくりするのもよいですが、カップルや友人、家族と訪れることをお勧めしたいと思います。

ヨンジンオムク&コンガンカフェ(영진어묵&공감카페)
ホームページ

イバグキャンプ

168階段からさらに上っていくと、歴史を感じさせる物品が展示されているイバク工作所(이박구공작소)があり、その先には「イバグキャンプ(이바구켐프)」という宿泊施設があります。この宿泊施設はこの山腹道路のなかで最も上に位置する場所で、眺望がとても良い場所。値段も安く宿泊できます。

このイバグキャンプでは、地域住民と青年たちが一緒に運営しており、季節に合わせて様々なイベントが企画されたりもしているようです。

イバグキャンプのゲストハウスは、ドミトリーだけでなく家族が泊まれるような大部屋や、カップルルームもあります。若い世代が運営に携わっているため、新しいアイデアの元で運営されているようにも思えます。宿泊料金は1泊あたり平日料金でドミトリーが25,000ウォン、オンドル部屋が40,000ウォンから。

住宅街に位置し、アットホームな雰囲気で過ごせるのではないでしょうか。

イバグキャンプ
イバグキャンプ(이바구켐프)公式(韓国語)

ひとりで美味しい焼肉が味わえる技師食堂街~草梁プルペッ通り

夜景を眺めながら、お酒を飲むのもロマンチックなひと時ですが、それよりも地元ローカルな食堂が好き、という方におすすめしたいのは技師食堂。技師食堂とは、おもに運転士(運転技師)がやってくる食堂でコスパの良い店が多いのです。

草梁洞にある技師食堂街は、「肉通り(육거리、ユッコリ)」や、「プルペッコリ(불백거리)」とも呼ばれており、豚の焼肉定食のお店が何件も並んでいます。

「プルペッ(불백)」という言葉はあまりなじみがないかもしれませんが、「豚プルコギ定食(돼지불고기백반、テジブルゴギベッパン)」の略。

一人前6,500~7,000ウォンで、鉄板に乗った焼肉だけでなく包み野菜のほかたくさんのおかずがついてくるというこのボリューム感!確実に満足できることでしょう。

ただしグループ旅行(特に夕食の場合)は草梁市場のすぐそばにあるテジカルビ(豚焼肉)通りがおすすめ。焼肉は基本2人前以上を注文しなければならないので、ひとりの方は技師食堂街に訪れるほうが無難です。

釜山駅周辺は穴場的な見どころがたくさん!

これまで観光地としては見逃されていた釜山駅周辺。このエリアには穴場的な見どころがたくさんあります。この記事を手がかりに釜山駅周辺を歩いていただき、お気に入りの場所を発見していただけると嬉しく思います。



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トム・ハングル(吉村剛史)

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビューし、同年中央日報に掲載される。これまで文化センター講座、トークイベントでの発信も1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破。海外の常識をレポートする『海外ZINE』の韓国担当ライター、2018年2月号『散歩の達人』第2特集の取材・文を担当。同6月から韓国水産食品(K-FISH)広報サポーターズ。プロフィール・お問い合わせ






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