安東(アンドン)にある伝統瓦が美しい慶尚北道庁とその新都市~安東河回村へのステイに
 吉村剛史(トム・ハングル)
 2024/12/14 改:2024/12/16 

韓国で最も広い面積を誇る自治体、慶尚北道(キョンサンプクト)。その道庁所在地である安東(アンドン)市には、2016年に大邱広域市から慶尚北道庁が移転してきました。

安東市には河回村(ハフェマウル)というユネスコ世界文化遺産にも登録された同氏族の村がありますが、河回村から北西に約4キロ(道のりでは6キロ弱)離れたところに道庁があり、そこに新都市が形成されつつあります。

この記事では安東への観光という視点で、慶尚北道庁のある新都市を拠点にした旅を提案するとともに、グルメや宿泊先などを交えてお伝えします。

瓦屋根が美しい慶尚北道庁

安東にある慶尚北道庁は伝統の瓦が65万枚用いられており、この敷地にある建物は2016年から使われています。背後には劍舞山という山がそびえ、そこから南へ行くと大韓民国の最長の川である洛東江が流れています。そんな地形のところに庁舎が建てられています。

慶和門(경화문)という趣のある木造の門からは、本館である安民館(안면관)が見えており、その前に広場があり、公園のような雰囲気もあります。このあたりを散策しながら、美しい庁舎と、周囲の景色を眺めることができます。また道庁の敷地内にはテニスコートや運動場もあります。

慶尚北道庁周辺は新都市として開発

慶尚北道庁のまわりは新都市として開発が徐々に進められています。すでに道庁の移転から8年経っていますが、公園も多く、道路なども広々としていますが、今のところは空地も見られ、まだまだ発展の余地がありそうです。

周辺には移住者たちのための住宅や、レストランやカフェなどが見られますが、都市としての機能はまだ小さく感じられます。移住する人が多ければ急ピッチで工事が進むのでしょうが、今後長い時間をかけて、都市として形成されていくのでしょうか。

宿泊には都市よりもかなり静かな環境で、心安らぐ環境だといえます。コンビニなどでの買い物は都会よりは多少不便な場所といえますが、10~15分歩くことが大した負担にならなければ、快適に過ごせる場所といえます。

安東河回村まで近い!タクシーでわずか10分

安東(アンドン)はソウルから高速鉄道KTXで約2時間の都市なので、日帰りでも十分に往復できます。ただし安東駅からは西側にある慶尚北道庁や安東河回村だけでなく、さらに鉄道路線の東側にある安東ダム、陶山書院などを巡る場合は1泊してもよいと思います。

時間に余裕がある方は午後にソウルを出発してから、安東で宿泊して、次の日の1日を過ごして、ソウルや大邱、慶州などの他の都市へ行くのもよいでしょう。

ちなみに慶尚北道庁の街までは、ソウルや水原、仁川空港から直行で行けるバスは出ています。ソウル・江南バスターミナルからは1日6便、仁川空港からは2便となっており、時間を合わせていくと便利です。これらは観光客向けというより公務員や周辺住民のために、それなりの数の便が確保されているといえます。

■安東駅・安東総合ターミナル→慶尚北道庁
高速鉄道KTXが停車する安東駅・そして安東総合バスターミナルは安東駅の駅前にあります。慶尚北道庁は安東ターミナルから市外バスに乗り、約20分(料金2,600ウォン)で行くことができます。

ちなみに安東河回村まで行く場合には安東駅前から210番バス(安東河回村:1日10往復、屏山書院:1日3往復)に乗っていきますが、1時間弱かかります。


【安東市内の地図】

慶尚北道庁へ立ち寄って前泊をしてから、安東河回村を訪問するというプランを考えておくのもよいでしょう。

■慶尚北道庁→安東河回村
慶尚北道庁から安東河回村へはタクシーでわずか10分でアクセス可能!料金は7,000~8,000ウォンで行くことができ、最も便利な移動手段といえるでしょう。

宿泊施設にタクシーを呼んでもらうのが無難だといえますが、道庁周辺でタクシーを拾って乗り、移動することもできます。市内バスも出てはいますが、安東河回村へのアクセス本数はさほど多くありません。

慶尚北道庁近くのホテル:スタンフォードホテル 安東

慶尚北道庁から約1キロ程度の徒歩圏内には、韓屋ステイが可能な施設「豊松斎(풍송재、プンソンジェ)」や「スタンフォードホテル 安東(STANFORD HOTEL ANDONG)」があります。

■スタンフォードホテル 安東(STANFORD HOTEL ANDONG)
慶尚北道庁から約1キロ弱、部屋から道庁を望めるような位置にあるホテルが、「スタンフォードホテル安東」です。韓国ではソウルや釜山などにもあるホテルです。

レストランがあり朝食のビュッフェで食事をすることも可能で、ホテル内にはコンビニが設けられており、一定のものは購入することができます。

ホテルの周辺にはコンビニやスーパーなどの買い物施設が少なく、お土産や日用品などを購入するには不便とはいえますが、静かに滞在するには良い環境だといえます。

慶尚北道庁近くのグルメスポット:良飯(양반)/ モダン韓定食

慶尚北道庁の近くにはカフェ・レストランなどの飲食店があるなかで、道庁からも近く評判のよいモダン韓定食のお店が「良飯(양반、ヤンバン)」。韓国の貴族階級の両班をもじったネーミングのお店です。

メニューとなる韓定食にはいくつか種類がありますが、季節のサラダをはじめ、ユッケやサバ焼き、アワビなどが付いたコースの定食が用意されています(韓定食:1人29,000ウォン~、2024年12月現在)。

味付けは繊細かつ素朴な味わいで、雰囲気もよくモダンかつ上品な韓定食が味わえるお店で、個室のような部屋もあり、楽しんで食事ができるでしょう。

慶尚北道庁の新しい街を楽しんで

慶尚北道庁が移転してきた町は、新しい街並みで移転からそれなりに時間が経ちましたが、開発途上の街だといえます。地方の新都市の開発にはなかなか時間がかかるようですが、当面はゆったりとした観光気分を満喫するのに最適な環境だといえます。

安東旅行の滞在先として慶尚北道庁周辺を検討してみるのもよいでしょう。




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