高速ターミナルでご飯を食べるなら~ソウルや地方の味が充実した飲食街
吉村剛史(トム・ハングル)
2024/07/29 改:2024/07/29
韓国の地方への玄関口であり、ファッションを中心とする地下街が充実した高速ターミナル。地方へ出かける前に、買い物の合間に味わえる飲食店をここでご紹介します。
高速ターミナル駅直結の地下街には”GOTOMALL”や”ENTER-6″などの地下ショッピングセンターがあり、バスターミナルはソウル高速ターミナル(京釜線・嶺東線)、セントラルシティバスターミナル(湖南線)の2つの建物、そして新世界百貨店江南店があります。
以下では高速ターミナルで味わえる有名店をお伝えします。ここで紹介するお店はあくまでも一例にすぎず、実際に訪れた際に気に入ったお店を選んでいただくとよいでしょう。
ソウル南山名物のトンカツ~101番地南山トンカツ
Nソウルタワーがそびえる南山(ナムサン)のケーブルカー乗り場付近にトンカツ店が集まっています。有名な「101番地南山トンカツ」は近年では各地のフードコートやテナントで営業をしています。
トンカツ(돈까스)は、韓国には日本統治時代に日本式のトンカツが定着し、それ以来、韓国の人々によく食べられる料理となっています。
写真は「南山王トンカツ(ナムサンワントンカス)」。韓国のトンカツは下の写真のように薄くぺたんこで、わらじカツのように大きいことが特徴です。トンカツのソースは甘めの味付けになっており、ナイフでカットしつつ、頬張りながら頂きます。
コーンスープやカクトゥギ(大根キムチ)、タンムジ(たくあん)が添えられており、ご飯は少量ですが、カツの大きさからして食べ応えは十分。
【南山王トンカス:12,500ウォン】
トンカツは日本でも馴染みある食べ物と言えますが、韓国の味を経験したことない方は、ここでぜひ味わってみましょう。もちろん南山のケーブルカー乗り場でも味わえます。
全州の豆もやしクッパの名店~サンベッチプ(삼백집)
セントラルシティバスターミナルのバス乗り場の待合スペースにある”サンベッチプ(삼백집)”は、全州にあるコンナムルクッパ(豆もやしクッパ)の名店です。
1947年の創業のこのお店、豆もやしが入ったアツアツのスープご飯のうえに、生卵が乗っています。卵は少し混ぜると固まってしまう熱さですが、この上に韓国海苔をまぶして食べましょう。
【コンナムルクッパ:9,000ウォン】
コンナムルクッパは酔い覚ましスープのヘジャンクク(해장국)のひとつでもあり、飲み過ぎた次の日の朝ごはんにも最適ですし、少し粉唐辛子がまぶされているとはいえ、なによりもやさしい味です。
高速ターミナルでの買い物の合間に、地方へ出かける気分になって、ぜひ全州の味をソウルで味わってみてください。
セントラルシティバスターミナルは、全州のある湖南方面への高速バスが行き来しており、全州との繋がりを感じさせることから、宣伝効果も含めてこのターミナルで店を構える理由なのでしょう。ちなみに以前は全州の名店「ベテランカルグクス」がこの並びに出店していました。
東大門近くの冷麺の冷麺通りから~五壮洞咸興冷麺(오장동함흥냉면)
セントラルシティバスターミナルに直結した”FAMILLE STATION(パミエステーション)”には、様々な飲食店が集まっていますが、このなかに「五壮洞咸興冷麺(오장동함흥냉면、オジャンドンハムンネンミョン)」という店があります。
この店はソウル・東大門近くの五壮洞(오장동、オジャンドン)の冷麺通りにある店で、咸興冷麺(함흥냉면、ハムンネンミョン)の名店として知られています。
咸興冷麺の「咸興(ハムン)」は北朝鮮の北東部に位置する咸興(ハムン)地方の冷麺です。咸興冷麺はサツマイモのでんぷんで作ったコシの強い麺が特徴で、かみ切れないほどです。ヤンニョムがかかったビビン冷麺、エイの刺身がのった刺身冷麺は、いずれも刺激的な辛さですが、麺はハサミでざっくりとカットして味わってみましょう。
デザートにはO’SLOのソフトクリーム
番外編として、デザートはいかがでしょう。O’SLO(オスルロ)のソフトクリーム。韓国の各所でチェーン展開するお店ですが、東京・渋谷の白一(Shiroichi)から技術提供を受けています。
同社ホームページによると「4.0%以上の乳脂肪分を含む最高の牛乳だけを厳選」してアイスクリームを製造しているといいますが、見た目にも長いソフトクリームで、下の写真はマンゴーを取り入れたマンゴーフロート。
アイスクリームの美味しさとともにフルーティーな味わいも魅力ですが、フロートにはほかにもブルーベリー、チョコレート、ストロベリーなどの各種のお味があります。
セントラルシティバスターミナルの1階にあり、店舗は白基調のお店でここに長らく定着しています。食事に、デザートに、高速ターミナルでの買い物の合間にあれこれと召し上がってみてはいかがでしょうか。
※値段の記載は大きく変化することがありますので、ご注意ください。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール