韓国ならではの公営競技「闘牛」で”旅打ち”にチャレンジ!~慶尚北道・清道郡
 吉村剛史(トム・ハングル)
 2024/02/25 改:2024/02/25 

闘牛は日本でも愛媛県の宇和島市や沖縄県のうるま市などでも行われています。韓国には公営競技としての「闘牛」があり、賭け事として遊ぶことができます。

その代表的な地域が、慶尚北道にある清道(청도、チョンド)郡です。この街にある清道闘牛場では、毎週土日に闘牛が開催されます。また毎年4月には「清道闘牛祭り」が開催され、会場が熱気に包まれます。

ちなみに闘牛は韓国語では「ソッサウム(소싸움)」といいます。韓国語の固有語であり、直訳すると「牛の喧嘩」という意味となります。日本では紅白に分けられた牛同士が対決しますが、韓国では「紅(홍)」と「青(청)」の牛が角を突き合わせて激闘します。

慶尚北道・清道郡とはどこにあるのか。アクセス方法は?

清道(청도、チョンド)郡は、慶尚北道南部に位置する街です。大邱市内からは26キロほどの場所にあり、大邱駅からムグンファ号に乗って約30分で清道駅に到着します。

清道駅までは釜山からはムグンファ号で1時間で到着するので、どちらからアクセスしてもよいでしょう。

清道闘牛場に最も近い駅は南省峴(남성현、ナムソンヒョン)駅ですが、この駅は1日に4本しか列車が停車しないため、競技場では清道駅からバスを利用することをおすすめします。

清道駅から清道闘牛場までは7~8キロ離れているため、徒歩では相当な時間がかかりますが、1日に10本ほどバスが運行されており、急ぐ場合はタクシーで移動してもよく、その際の料金は片道10,000ウォン前後となります。

※南省峴駅は「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」でも放映され、お笑い芸人のヒロシがこの駅周辺を旅し、闘牛場の様子も映し出されました。参考:お笑いナタリー

また清道郡は柿が特産品で、柿を使ったワインが作られており、ワイン蔵として使われている清道ワイントンネルが存在します。そして闘牛場の近隣には温泉(スパのような温浴施設)があるなど、釜山や大邱からの日帰り旅行にもおすすめです。

清道闘牛場で公営競技の闘牛にチャレンジ!

韓国で闘牛は「牛の喧嘩(소싸움)」というように、牛飼いたちによる遊びとして行われていました。清道の闘牛祭りとしては、1990年に郡内で開催されたのが始まりで、その後地域を代表するお祭りとして発展していきました。

ドーム型の清道闘牛場ができたのは2007年のことで、毎週末に闘牛が行われ、観戦はもちろん賭け事としても楽しめます。


[清道駅]

清道闘牛場は入場料は無料になっており、誰でも気軽に観戦できます。闘牛場内のコンコースには闘牛の技がかかれた垂れ幕が飾られていましたが、戦いの場としての雰囲気は十分です。

清道ドーム競技場の収容人数は約11000人で、好きな席に腰かけて観戦できます。天幕には外からの光が差し込み、開放感にあふれるスタジアムの雰囲気も抜群です。

試合が開始される前には審判員が入場、その後に牛が入場してきてそこから取り行われます。

土を巻き上げながら、激しく角を突き合わせる熱闘ぶり。観客席から見ていても迫力があります。

闘牛の試合はすぐに決着がついてしまう場合もあれば、30分以上も角を突き合わせてこう着状態が続いて、結果として引き分けになることもあります。

「紅(홍)」「青(청)」のどちらが勝ち、または「無勝負(무)」として引き分けるか、そしてより予想を難しくし、オッズを高くするのは、勝敗引き分けに加え、決着ラウンド(時間)を的中させることです。これらが闘牛の予想の方法となります。

電光掲示板にはオッズが表示されており、試合終了後には「確定まで投票券を捨てないでください」という文言が映し出されます。

闘牛場で投票を!馬券ならぬ「牛券」を購入してみよう!

公営競技としての闘牛場にやってきたからは、ぜひとも「牛券」を購入してギャンブルにチャレンジしてみたいものです。

ほかの公営競技と同じように、会場内のスタンドで観戦するだけでなく、対決の行方や当たり外れを通路(コンコース)のモニターで観戦する人が多いことも、このようなギャンブル場の特徴のようにも思えます。

賭式は4種類あり、単勝式、複勝式、時単勝式、時複勝式となっています。牛が得意とする技や、牛の重量、等級などが書かれた対戦表をもとに予想します。

単勝は1戦のみ、複勝は連続する2戦を的中させるもの、それに加えて時単勝式、時複勝式では1試合30分を5分単位で6つに分けたラウンドのなかで、何ラウンド目で決着がつくか、いわば試合の所要時間を予想して当てるというものです。決着がつかない場合は引き分けを予想します。

馬券ならぬ「牛券」は現金で購入します。投票券は100ウォン(約10円)単位で購入することができるため、余った小銭を使って気軽に賭け事を楽しめます。1枚の投票用紙で最大10万ウォンの投票が可能です。※遊びなのであくまでも適度に楽しむことをおすすめします。

当たった場合は払戻金を受け取れます。入場料・観戦料だと思って少額を賭けてみても十分楽しめるでしょう。

毎週土日開催・闘牛の展示館も!清道闘牛祭りの時期ならより楽しめる

闘牛は毎週週末に開催されていますが、敷地内には清道闘牛テーマパークが併設されており、闘牛の歴史や文化を体験しながら学ぶことができます。


[清道闘牛テーマパーク]

また毎年4月に開催される清道闘牛祭りの時期であれば、テントにて特産品の販売が行われたり、その時ならではのお祭りフードも充実、文化公演なども行われ、会場周辺が装飾されて雰囲気十分です。

韓国の公営競技のひとつとして賭け事を愉しむのもよし、迫力ある牛たちの戦いを愉しむのもよし、大邱からは30分、釜山からは1時間で行ける清道闘牛場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

※この記事は2013年の清道闘牛祭りの内容を2024年2月に調査して構成したものです。会場の様子などは変更になっている可能性があります。




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