ソウル(仁川)の空港鉄道の沿線は、意外にも魅力的!
吉村剛史(トム・ハングル)
2016/07/17 改:2019/05/15
韓国の玄関口、仁川空港と金浦空港。これらの空港からソウル市内までを結ぶのが「空港鉄道 A’REX」です。空港鉄道は、2007年3月に仁川国際空港駅~金浦空港駅区間が開通し、2010年12月にソウル駅まで開通しました。
空港鉄道・ソウル駅(西部駅)
その後新しい駅もでき、沿線開発が徐々に進んできたようで、新しい建物がたち、にぎわいを見せる駅もあります。ソウル駅まで一直線で、通り過ぎてしまいがちな空港鉄道。ぜひ一度下車して、駅周辺を歩いてみませんか?
韓国の空港鉄道とは?
空港鉄道は、仁川空港から金浦空港を経由し、ソウル駅までの全長58キロの鉄道路線。各駅停車の「一般列車」、仁川空港からソウル駅までノンストップで結ぶ「直通列車」の2タイプがあります。
直通列車は両駅を最短43分で結びます。一般列車では仁川空港からソウル駅までは53分、金浦空港からソウル駅までは約20分です。空港鉄道沿線を探索するには、一般列車に乗る必要があります。
仁川空港、金浦空港からの乗り方
●仁川空港駅
仁川空港に到着したら、到着ロビーからバスには乗らず、地下1階に降ります。券売機にて乗車券を購入して改札口に入ります。一般列車と、直通列車で改札口が異なります。
●金浦空港駅
金浦空港は、到着ロビーに出たら地下に降りていき、地下鉄乗り場の方面へ歩いていきます。動く歩道を通り、駅まで出たら乗車券を購入し、空港鉄道の改札口に入ります。
空港鉄道の沿線~仁川市内編
空港鉄道沿線には、まだクローズアップされていなかったスポットもあります。そんなスポットに向けて歩いていきましょう。
●雲西(ウンソ)駅
雲西駅は、仁川空港駅から二駅目に位置し、空港と同じ永宗島にある駅。駅前にはロッテマートがあり、空港周辺のおみやげスポットとしても便利です。また、駅周辺には宿泊施設や飲食店も多く、仁川空港を乗り継ぎで使ったり、前泊する観光客にも便利です。参考:空港近くのコンパクトシティ、雲西
雲西駅周辺の飲食通り
雲西駅を過ぎ、しばらくすると、列車は永宗大橋を渡り仁川西区へと入っていきます。
●青羅国際都市駅
青羅国際都市駅は、2014年に新たに開業した駅。この駅を降りタクシーで7~8分のところに「アラ仁川旅客船ターミナル」があります。漢江との約18キロを結ぶ人口の運河、京仁運河(アラベッキル)があり、遊覧船が出発します。
この遊覧船は、15時に出港し、90分でアラ金浦旅客船ターミナルに到着。外を眺めているとわりと単調な運河なのですが、船内では豪華客船のように演奏やダンスが行われるなど、ゆっくりと楽しめるのが魅力です。料金は大人片道16,000ウォン。
ちなみに、青羅国際都市駅から金浦空港方面の次の停車駅となる、黔岩(コマム)駅、桂陽(ケヤン)駅は、アラベッキルの運河沿いに駅があります。
空港鉄道の沿線~ソウル市内編
●金浦空港駅
金浦空港の正面にはロッテモールがあります。空港の地下から直結しており、建物の外に出なくても買い物を楽しむことができるのが魅力。帰国前に最後の買い物はここで!
●デジタルメディアシティ駅
デジタルメディアシティ(DMC)駅は、汝矣島からテレビ局が移転して、新たな街として発展しているこの町は、上岩洞(サンアムドン)といわれる地域で、新しいカフェや飲食店も続々と登場。日本料理店が多いのも特徴です。参考:デジタルメディアシティが熱くなる予感!
●弘大入口駅
弘大入口(ホンデイプク)駅は、弘益大学を中心に若者たちでにぎわう学生街。周辺にはブティックやカフェ、飲食店が林立、韓国における流行の発信地となっています。
●孔徳(コンドク)駅
孔徳駅周辺には、孔徳市場があります。この市場にはチヂミやチョッパルなどの横丁があり、夜になると仕事帰りの人たちでにぎわいます。また周辺には豚焼肉店が多いのも特徴。孔徳市場のグルメ~チヂミ&チョッパル
孔徳市場
ホテルなどの宿泊施設も多く、複数の地下鉄路線が通っているため、交通の便がよいのも魅力です。
●ソウル駅
ソウル駅にはロッテアウトレットやロッテマートがあり、買い物に非常に便利。
仁川空港から出発する場合、駅地下にある都心空港ターミナルでスーツケースを預けて、出国審査を済ませ、直通列車で空港まで行けば、飛行機に楽々搭乗できます。
記事に関連する韓国観光エリア情報はこちら:仁川空港、ソウル駅・市庁
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空港鉄道というと、空港を訪れるために乗る、またはソウルへ行くための手段、とばかり考えがち。
しかし意外にも隠れたスポットが点在しており、途中下車をしてみると意外にも訪れるべき場所が多いことに気づきます。
飛行機の出発まで時間がある、という方は、途中下車して空港鉄道沿線の隠れた魅力をぜひ探ってみてはいかがでしょうか?
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール