寧越(ヨンウォル)西部市場のカラフルなチョンビョンに驚き!
 2014/12/17 吉村剛史(トム・ハングル)

9月上旬のある日、ソウルから列車に乗り、江原道・太白(テベク)へ。その夕方、江原道の中南部に位置する寧越(ヨンウォル)に立ち寄りました。「せっかく来たのだから、地方のことをもう一歩知りたい。」いつもそんな好奇心だけで動いています。

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時刻は午後5時。翌日の午前便で帰国しなければならないため、あと1時間で帰ることに決めました。秋の夕陽がバスターミナルに差し込み、人の影も長くなったころ。時計の針は刻々と進みます。

寧越(ヨンウォル)郡は人口約4万人強。ソウルからはバスで約2時間。観光地としては朝鮮半島の形をした「韓半島地形」やユネスコ世界遺産の朝鮮王陵、荘陵(チャンヌン)などがあります。

バスターミナルに座っていた観光案内の係員の女性に「どこかよいところはないですか」と尋ねたところ、「この時間だと、ちょっと難しいですね、市場を見学するくらいですね」と予想通りの答えが返ってきて。仕方なく市場に入ってみることにしました。

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ちょっとだけ期待して、寧越西部市場の中へ

ただの市場だったら、面白くないなぁ~。でも何かあったら嬉しいなぁ、と思いながら、ワクワクしながら市場のなかに入っていきます。日曜日の夕方、市場の店の多くはシャッターを閉めようとする時間帯です。

少し奥に入ると、開けたスペースに入ってみると、子どもたちも大人もたくさん集まっていました。ここがまさに市場のオアシス、食堂です。

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「ここなら何かありそうだ!」と、27歳(当時)のトム・ハングルは子どものように心を躍らせながらあたりを見回します。市場らしくお店にはずらりとアジュンマたちが座っていて、カウンターでは地元の人たちが食事をとっています。一列に十数の店、それが三列くらい。

市場を歩いている私をみて、「こっち来なさい」と思いっきり手招きするとある店のおばさん。ステンレスのカウンターに乗せられているのは、そばの色のみ。メミルジョン(そばチヂミ)とメミルチョンビョン(後述)なのです。

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※左下:メミルチョンビョン、右上:メミルジョン

呼び止めようとされると、正直行きたくありません。そしてメミルジョンなどは、他の地域でも食べたことがあるので、もう一旦市場を見回すことにしました。

そこで私が見たものは・・・。

大当たりだった!

次の瞬間、私が見たものは、カラフルなジョンビョン(전병)でした!「なんだこれは!」と目を見開きました。メミルジョン(매밀전、ソバチヂミ)やメミルチョンビョン(매밀전병、メミルチョンビョン)は江原道の市場ならば、あちこちで食べることができます。でも、ここで見たのは、なんと黄色、紫色、緑色など色がついたチョンビョン!

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メミルチョンビョンとは、簡単に言うとそばのクレープのようなもの。メミル=そば、チョンビョンは漢字で「煎餅」と書きます。そば粉を水に溶かし鉄板の上で薄く焼き、おもにキムチをごま油で炒めたものをくるむようにして食べます。

それぞれに色がついており、カボチャやサツマイモ、百年草などを生地にして作っているそうです。これらにはキムチを炒めたものが包まれていますが、緑色のコンドゥレチョンビョン(곤드레전병、コウライアザミのチョンビョン)は、緑茶を混ぜ込んだ生地に、江原道の特産であるコンドゥレナムルがたっぷり。

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値段は1個1000ウォンから1500ウォン。メニュー表には可愛らしく、ウォンではなく昔の貨幣の単位、1000ニャン(1000両)と書いてあります。おやつに食べるにしても、粉ものでヘルシー。これを食べている分には、あまり太らないで済むかもしれません。

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オルチェンイグクス(オタマジャクシ麺)にも地域差が

江原道の五日市で食べられるオルチェンイグクス。直訳するとオタマジャクシ麺です。トウモロコシの麺です。2018年にオリンピックが開かれる平昌(ピョンチャン)などでは薬味醤油をかけて食べますが、なんと寧越西部市場では麺の中に炒めたキムチを入れて、刻み海苔を振りかけごま油をかけて食べるのです。(写真は麺だけ)

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細切れになったオタマジャクシのような麺。基本的な江原道の市場でしか食べられないので、召し上がったことが無い方が多いかもしれませんが、実は地域差があるのだということが明らかになったので、ここで示しておきたいと思います。トウモロコシ麺やソバ料理など、ヘルシーなものばかりです。

メミルチョンビョン、全国配送可能!

実はこの市場の食堂では、韓国らしく同じ場所でみんなが同じものを売っています。「同じものを売って商売になるんですか?」と率直に尋ねてみたのですが、「さぁ、それはね」という顔をしながらも驚くべき答えが。

おばさん:「これ、全国配送可能なのよ」

私:「えっ!全国配送ですか!?」

おばさん:「そう、全国どこでも南は済州島まで、国内なら電話一本で配送可能なの。夏は保冷ケースで、冬はそのまま送っても大丈夫。」

それにしても1つ1,000ウォン(110円)程度の食べものを全国に配達してしまう、という韓国の配達文化(ペダルムヌァ)恐ろしや。現地に来たことのある人が買ってくれたり、インターネットなどで探して購入するのだとか。

日本には配達できるんですか?と尋ねてみましたが、それはノーコメント。しかし送料や支払いの手段さえなんとかすれば、できないこともないはず!?

たった1時間だったけれど

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マッコリを一人で飲み、バスターミナルに戻ると、時刻は5時45分。江原道・寧越(ヨンウォル)の旅、わずかな時間でしたが、収穫を得ることができました。さらに欲張りな私はソウルには行かず、仁川総合バスターミナル行きのバスに乗ったのでした。

トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
・みなさんは焦らず余裕をもったスケジュールでゆっくり旅を楽しんでください。
・マッコリを1本飲み干したために酔いがまわってしまいました。
・カラフルなチョンビョンは江原道でもここだけかもしれません!

寧越西部市場の地図



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。31歳。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、地方にも関心が高い。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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