心地よい風と賑やかな港の統営(トンヨン)
吉村剛史(トム・ハングル)
2010/10/10 改:2010/10/10
今回は仁川に引き続き、港町シリーズというわけではありませんが、釜山からもバスで2時間弱の日帰り圏内に位置する慶尚南道・統営(トンヨン)を取り上げてみます。
2010年7月22日。この日の私は晋州を出発し、統営を経由して釜山に向かったのでわずか数時間の滞在となりました。
市外バスターミナルに到着し、バスを待っていると、停車中のバスの運転士さんが「どこ行きたいの?」と声をかけてきます。行き先を告げると、「乗れ」とのジェスチャー。
バスの車内は途中まで冷房をかけずに窓を開け、真夏とは思えない心地よい風が気持ちよく流れていきます。夏には涼しい風が吹くのが統営の特徴なのだとか。
バスは港全体を大きく回り、時おり停泊している船を眺めながら中心市街地へ。中央市場のバス停で降りると、狭い歩道を埋め尽くすように、野菜や果物が路上に並べられ、それを売り買いする人たちで溢れかえっています。
商店が並ぶアーケードのなかに入り、港の方向に歩いていくと、海を目の当たりにしているこの中央市場はやはり海産物が豊富。小さな水槽のなかを魚が泳いでいます。漂う海の香りとともに。
ここで魚を買ってお土産にしたいと思っても、日本までは持って買えるのができないのが残念なところ。ここは眺めて雰囲気だけを感じることにします。
そしてついに港に出てみると寄せてある数々の漁船。さらには誰もが入れるところで干している干物。
海の風情がいっぱいです。
ここで名物・忠武キンパプのお店を探してみることに。忠武キンパプといえば、ふつうの海苔巻きと違い、ご飯と具が別々なのが特徴なのです。
たった100~200メートルのところを、忠武キンパプのお店がずらりと並び、どの店に入ろうかと迷うほど。そのなかの1つを選び、食べてみることにしました。4500ウォン。
イカの和え物とカクトゥギがついてくるのが特徴ですが、これが一口サイズで薄い塩味のキンパプとよく合うんです。和え物はそれほど辛くもなく、これならいくらでも食べられてしまいそう。
活気溢れる港、市場を歩き、感じる夏の風景。風は涼しいとはいえ、やはりかなりの汗もかきました。
以前ブログで紹介した麗水は静かな海という印象でしたが、それとは対照的に統営は賑やかな港です。
プサンに何度も行かれた方はこちらにも足を伸ばしてみてください。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール