韓方(韓国の漢方)・韓医院

    DSCF5618

    概要
    韓方とは中医学(漢方)をもとに朝鮮半島で発展した東洋医学である。西洋医学は病気や炎症が起こった部位に着目してとらえ病原菌や腫瘍等を直接取り除くのに対し、韓方のような東洋医学は「気・血・水」のバランスが崩れることで体が変調をきたすと考え、自然の治癒力を重視して治療を行うものである。

    韓国では韓方医も西洋医学と同様、養成機関や研修を経て韓医師の免許を取得した医師たちがおり、街のあちこちに韓医院がある。東洋医学がより身近な韓国だけに、韓方に注目する日本人観光客も多い。韓方スパ、韓方エステなど女性にとっては美しくなるための要素も揃っている。

    韓方の歴史
    韓国の伝統医学を知る上で必ずおさえておくべき人物が2人いる。許浚(ホジュン)は、朝鮮時代中期の医学者で『東医宝鑑』を編纂した。それまでの東アジアの医学書を体系的に整理、朝鮮の薬材をハングルで表記し、実用性を重視した書物で2009年にはユネスコ世界記録遺産にも登録された。

    朝鮮時代後期の医学者である李済馬(イ・ジェマ)は、人間を太陽人・太陰人・少陽人・少陰人の4つの体質に分類し、それぞれにあった食事や治療が必要だとする、四象体質医学を説いた。現代ではこれをもとに発展し、体質を8つに分類した「八体質」の理論が確立されている。

    DSCF5605

    韓医院・韓方病院
    韓医院では問診・脈診等を行ったあと、鍼、灸、カッピング(吸い玉)の基本治療のほか、経絡マッサージなどを行ってくれる。また体質や症状にあわせて韓薬を処方してもらえる。女性は美容鍼の施術やダイエット入院を目的に訪れる人も多いようだ。また韓方薬局では韓薬(漢方薬)の処方のみを行う。

    韓方茶
    韓国では李朝時代に仏教を弾圧したために、茶の文化が廃れていった。その代わりに韓国では果物や木の実などを乾燥させたお茶を伝統茶として飲む。五味子茶(オミジャチャ)は、甘みと酸味がマッチしておいしいと日本人にも評判が高い。そのほかにもナツメ茶、柚子茶、山茱萸茶、菊花茶などがありそれぞれに効能があるといわれる。

    日本で販売すると医薬品扱いとなるお茶もあるので、手軽に購入できるのは韓国ならではの魅力かもしれない。ソウル・仁寺洞(インサドン)には伝統茶屋が多く、そこでは様々なお茶を茶菓とともに味わえる。それぞれの体質に合ったお茶をブレンドして販売するカフェは人気だ。

    034

    韓方粉パック
    ソウル薬令市など韓方市場の店では韓方の粉を購入できる。牛乳やヨーグルト、水などと混ぜ合わせ、ペースト状にしたものを顔に塗る。アロエ、緑豆、米ぬかやドクダミなど種類はさまざまで、それぞれにあった効能がある。200グラム程度から購入でき、価格も数千ウォン程度である。手や腕にパッチテストを行ってから塗ると良い。

    DSCF5611

    韓方市場・薬令市
    ・ソウル薬令市(ソウル特別市)
    ・大邱薬令市 (大邱広域市)
    ・堤川薬草市場 (忠清北道堤川市)

    高麗人参市場
    ・江華島高麗人参センター(仁川広域市)
    ・錦山水参市場(忠清南道錦山市)
    ・豊基高麗人参市場(慶尚北道栄州市)

    韓方について学べるスポット
    ・ソウル薬令市韓医薬博物館(ソウル)
    ・春園堂韓方博物館(ソウル)
    ・全州韓方文化センター(全州)
    ・大邱薬令市韓医薬博物館(大邱)

    韓方茶のスポット
    ・仁寺洞の伝統茶屋
    ・ティーテラピー・ヘンナン



    前のページに戻る

      

      このページの先頭へ