韓国の蚤の市(フリーマーケット)を探索!~東廟&新設洞・ソウル風物市場
吉村剛史(トム・ハングル)
2016/08/07 改:2019/08/14
アンティークなものやビンテージ品を見つけるのが好きな方におすすめしたいのが蚤の市。小物、古物から骨董品まで、様々なものが揃っており、見ているだけでも楽しくなってしまいます。
蚤の市(のみのいち)とは、ヨーロッパで開かれる古物市が元のようで、日本ではフリーマーケットやガラクタ市としてイベント的に開かれることが多いようです。
そんな蚤の市は韓国・ソウルにもあります。ファッションビルや服飾市場があつまる東大門から徒歩圏内。地下鉄1つ、2つ目に位置する駅に2か所あるのです。
ソウル都心から東大門を過ぎ、東廟前(トンミョアプ)、そして新設洞(シンソルドン)です。
東廟(トンミョ)蚤の市
東廟(トンミョ)とは、中国・三国時代の蜀漢の名将、関羽(かんう)を祀った霊廟。地下鉄1号線に東廟前駅がありますが、東大門から歩いてもおよそ10分弱で到着できます。
東廟というと、駅近くのビルに「スパレックス」というチムジルバンがあることでも知られています。
東廟の前にあるのが、東廟ピョルク市場。ピョルク(벼룩)というのは、韓国語でノミという意味なので、つまりそのまま「東廟ノミ市」という意味です。
市が始まった1980年代末よりは、お店の数も減ったといわれています。わりと高齢者が多く集まっている印象が強いのですが、掘り出し物やビンテージが好きな人に関しては年齢層は関係ないようです。
値段も1,000ウォン(100円)から購入できるものも多く、お財布にも優しい。リタイア世代も安心して買い物が楽しめるのかもしれません。
東廟(トンミョ)であれこれ。いいもの見つかるかな!?
お昼前に市が始まるころには、東廟前の通りには露店が並びます。パラソルの下のテーブルに小物が並べられたり、シートの上に運動靴や革靴がおかれたり、ハンガーに古着がかけられたり。
もちろん衣類だけではありません。ラジカセなどの電子機器や、カメラのほか時計、ラジオ、工具、貴金属類、食器、骨董品や仏具、置物など、何から何まで並んでいます。
「何かお目当てのものを探し出す」というより、「見ているうちに面白いものが見つかった」というのが蚤の市でしょう。売り物なのかわからないくらい乱雑に並んでいる店もあります。
東廟ノミ市には、露店ではない一般のお店もあります。登山用の服や、ミリタリー用品、ジーンズなどが販売されているお店が並んでおり、古物とはいえ、露店よりはだいぶ整っている印象が感じられました。
デザートを見つけた!
夏の暑いときに散歩がてら市場を歩いていたら、見つけたのは花菜(ファチェ)という、果物が浮かんだフルーツポンチ風のデザート。韓国の伝統的なデザート。
ここではスイカの花菜(ファチェ)でしたが、お値段は1杯1,000ウォン(100円)。スイカのさっぱりとした甘み、そして水分で喉を潤します。
東大門周辺を散歩がてら歩いて回るのによい市場。ファッションビルでの買い物に疲れたら、周辺を歩き回ってみても楽しめるはず!
そして、歩き疲れたら東廟前駅すぐのビルにあるチムジルバン「スパレックス」で休むのもまたいいですね。
新設洞のソウル風物市場へ
ソウル風物市場は、地下鉄1号線、2号線新設洞(シンソルトン)駅9番出口から徒歩約5分のところにある市場。
もともとは「黄鶴洞(ファンクトン)蚤の市」として清渓川沿いにあった市場。清渓川を塞いでいた高架道路を撤去するため、東大門野球場に移ったのですが、その後東大門野球場も取り壊され、2008年から現在の位置に。
市場で商売しながら生計を立てる人たちにとっては、きっと様々な負担があったとは思いますが、現在はこの場所に落ち着いています。屋根の下で市が開かれているというのは、来場者にとっても安心!
ソウル風物市場は2階建て。工芸・骨董、衣類、生活雑貨、趣味などジャンルごとにそれぞれのお店がまとまっており、同一のジャンルごとにブースが色分けされています。
市場の正面玄関の前には、観光客向けに体験コーナーが設けられており、伝統工芸の体験が可能です。
ソウル風物市場のブログには、韓国人、外国人も韓紙工芸やお面づくりが体験可能で、少人数の場合は現地で直接申し込めばよい、と書かれています。ソウル風物市場・伝統文化体験館(韓国語)
市場内にはそれぞれの店ごとに範囲が決められていて、ブースができています。ところせましと敷き詰められた古物。ここにはタンスや家具、インテリアなど大きなものも多く置かれているのです。
風物市場は東廟ノミ市よりも、オシャレなインテリア・小物類も多い印象。野球のグッズだったり、コカ・コーラのグラスだったり、映画の映写機のようなものだったり、演歌のカセットテープだったり。
眺めているだけでも楽しい気分に。市場も訪れる年齢層も様々で、若い人や外国人も訪れるようです。
きっと何か一つは欲しくなってしまうことでしょう!気になる掘り出し物がきっと見つかるだろう、と思います。海外ですから大きいものは持って帰りずらいのが難点。発送してもらうこともできるのかもしれませんが!
1階、2階には食堂もあります。ショッピングモールではなく、「市場のフードコート」という印象、テーブルがずらりと並んでいます。こちらは市場が閉まったあとも夜10時まで営業。
市場の外にもテントがずらり
市場の外にはテントが張られ、外でも様々なものが販売されています。外のテントで食べ物や飲み物が販売されていたり、外でパフォーマンスをするおじさんがいたり。
ここではおでんやゆで卵が売られていたりして、マッコリの量り売りも。잔술(ジャンスル)として1杯1000ウォン(約100円)で飲みながら楽しむこともできます。
ちなみに新設洞には、場外馬券場もあり、土日など開催日は、競馬にチャレンジしてみてもよいでしょう。
●店舗情報
ソウル風物市場
アクセス:地下鉄1号線新設洞駅から徒歩5分
ホームページ:ソウル風物市場(韓国語)
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韓国の蚤の市。フリマに行くのが好きな方は、韓国を訪れた際に一度立ち寄ってみることをおすすめします。日本ではなかなか手に入らない掘り出し物が見つかるかも。
東廟前、新設洞ともに、東大門エリアから歩いても15分ほど。運動がてら徒歩で観光してみるのもよいですね。

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール