ソウルで桜が楽しめる名所4選+α~汝矣島や江南、そして郊外も
吉村剛史(トム・ハングル)
2019/01/27 改:2019/05/14
韓国では例年、南部地方では3月下旬に桜の花が咲き始め、ソウル・京畿道では4月上旬に開花します。この季節に合わせて桜を見に行くことを計画されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はソウルで桜の花見ができる名所をご紹介したいと思います。
韓国の春の花といえば、本来ならツツジやレンギョウですが、最近では桜の花もかなりの人気があります。「桜は日本」というイメージが強いのですが、韓国で咲いている桜は「韓国起源」ということが浸透していることも大きいのではないでしょうか。
特に「桜は日本のもの」ということを気にせずに桜の花見を楽しめるようです。
韓国で最も有名な桜の名所、汝矣島・輪中路(ユンジュンノ)
韓国で桜の名所として最も有名な場所は、汝矣島(ヨイド、여의도)にある輪中路(윤중로、ユンジュンノ)。桜の開花が発表されると、必ずニュースで登場する場所がココです。
国会議事堂のまわりの桜並木。4月上旬には「永登浦汝矣島春の花祭り」が開催され、イベントが開かれるなどして多くの花見客でにぎわいます。お祭りの開催期間は桜の開花に合わせて決まるため、直前に発表されます。
「春の花祭り(봄꽃축제、ポムコッチュクチェ)」という名称になっている理由は、桜だけではなくそのほかの花も含まれるためでしょう。
輪中路のそばの漢江(ハンガン)沿いには、汝矣島漢江公園があります。ここでは芝生にテントを張って過ごしたり、漢江の遊覧船に乗って過ごしてみたりと、ぽかぽかした春を満喫できるスポットでもあります。汝矣島は誰もが知る桜の名所。いちどは訪れておきましょう。
・汝矣島・輪中路へのアクセス
地下鉄5号線、9号線国会議事堂駅徒歩5分
川沿いのウォーキングコースに桜、江南を流れる良才川(ヤンジェチョン)
ソウル・江南の繁華街の南側あたりを東西に流れる良才川(양재천、ヤンジェチョン)は、近隣の住民たちの憩いの場でもあります。この川と並行して続くウォーキングコースには桜並木が続いています。
桜ももちろんですが、川沿いにはレンギョウが咲いていて、やはり「韓国の春」だということを充分に感じさせてくれる場所です。
ここでは桜が咲く頃の4月上旬の週末に「良才川桜燈祭り」が開かれますが、そのときには提灯がともされたり、各種イベントが開かれたりもします。もちろん日中の暖かな陽気のなか、歩いても楽しめることでしょう。
・良才川へのアクセス
新盆唐線良才市民の森駅ほか。
川沿いのウォーキングコースは、3号線メボン駅、道谷駅からも
Nソウルタワーのある南山を歩いて登る~南山散策路
汝矣島や江南にも行かずに、明洞(ミョンドン)のあたりで長い時間を過ごす、という方におすすめの場所は、Nソウルタワーがそびえる南山の麓の南山散策路(남산산책로、ナムサンサンチェンロ)。
ケーブルカーを横目にして南山を歩いて登った場合、ケーブルカー乗り場からはおよそ30分でNソウルタワーに到着します。その散策路の途中にも桜の木があり、歩きながらお花見を楽しめます。
ケーブルカーは往復で乗ったほうがお得になので、お花見のときは歩かれることをおすすめしますが、お疲れの方は往復のどちらか一方をケーブルカーで移動されるのもよいでしょう。
整備されており、歩きやすい道ですが、滑りにくい靴を履くようにして、くれぐれも怪我のないようにご注意ください。
・南山散策路へのアクセス
明洞からはエレベーター(南山オルミ)に乗り、ケーブルカー乗り場へ。そこから徒歩。
ミニ動物園、植物園、水族館があるオリニ大公園の桜
オリニ大公園(어린이대공원、オリニデコンウォン)は動物園や植物園、水族館、そして遊園地が揃った子どものための公園です。ここにも春になると桜が咲きます。
日本から子ども連れでソウルを訪れても、わざわざ公園に行くことは考えないかもしれませんが、もし桜の季節に建大(コンデ)あたりにやってきたときに、お時間があればオリニ大公園を散策してみてもよいかもしれません。
公園には桜の花が華麗に咲いており、春を十分に満喫できます。オリニ大公園を楽しく歩いてみましょう。
・オリニ大公園のアクセス
地下鉄7号線オリニ大公園駅
ソウルの若者の街に咲く桜、歩きながら眺めてみよう
以上のように、ここまで紹介したスポットは、かねてより桜の季節に多くの人でにぎわう場所といえます。しかし名所としては紹介されていない穴場、というのか、「名所」とまでは言いにくいけれど、という場所に桜並木があったりもします。延南洞(ヨンナムドン)の桜並木もそのひとつです。
●延南洞(ヨンナムドン)の東橋路41街(동교로41가、トンキョロ41ガ)
延南洞のメインストリートで、夏には芝生が美しく、元は鉄道の廃線跡でもあった通称ヨントラルパーク。工事を経て整備されたあと、ホットスポットとしてにぎわっています。
そのヨントラルパークから少し離れたところにある「東橋路41街」は閑静な住宅街ですが、ここに桜並木があります。
東橋路41街を訪れてみると、住宅街の道路の中央分離帯に桜が咲いており、両側には住居のほかカフェなどが多いことがわかります。このあたりには近年、お洒落なカフェが続々と登場。若い女性に人気のスポットになっています。
花でいっぱいのカフェや、人気ベーカリーなどもあり、休日には余暇を過ごす人たちでとてもにぎわっています。延南洞の散策がてら、ここにやってくるのもよいのではないでしょうか。
アクセス
空港鉄道弘大入口駅3番出口
●新村ロータリー、メインストリートの桜
新村ロータリーから延世大学校へと続く道の左右は桜の街路樹通りになっています。ソウルの繁華街に桜がこれだけ咲いている場所は、もしかすると新村だけかもしれません。
桜が密集しているわけではなく、わりと広い感覚で桜の木が並んでおり、学生街を彩ります。韓国では3月に新学期が始まり、4月は新生活に慣れてくる季節。緊張感が少し抜けた学生街の雰囲気とともに、桜を楽しんでみてください。
新村ロータリーへのアクセス
地下鉄2号線新村駅
ソウル郊外の桜スポット~ソウル大公園
ソウル郊外の果川(과천、クァチョン)市には、ソウル市が運営するソウル大公園があります。動物園や遊園地、美術館があるテーマパークなのですが、オリニ大公園よりもはるかに規模が大きいのです。
都会の雰囲気は全く感じられず、山を望む公園であり、とても解放感が感じられます。この公園内に咲く桜もなかなかのもの。動物園へ向かう途中に桜の木がずらりと並んでいます。
こちらは桜を目当てに訪れるというよりも、子どもたちを遊ばせるためだったり、散策したりするためにやってくる場所。ソウル市民が余暇を過ごす場所なので、気になる方は桜の季節に訪れてみるのもよいでしょう。
アクセス
地下鉄4号線大公園駅
日韓で楽しむ桜~ソウルにもお花見に出かけてみて
最近は韓国でも春の花として定着してきた桜。とくに関東以西にお住まいの方は、日本で花見を楽しんだあとにソウルを訪れて、再び桜を楽しめそう。
東北の方はソウルと桜の時期がかぶるため、同時に見ることができますし、北海道にお住まいの方はソウルで花見をしたあとに地元でも桜を鑑賞できます。
お時間の許す方は桜の時期にソウルに出かけてみて、ご紹介した名所で桜を楽しんでみてください。
- 韓国旅行に役立ちそうならシェア→

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール