旅でみつけた韓国人の「愛国心」、クッポンの正体とは?
 2014/08/16 吉村剛史(トム・ハングル)

韓国各地の旅をしていると、気になるものを各地で見かけます。たとえ観光地めぐりをしているだけでも、道端で笑いの種を見つけたり、住宅街を歩いていたら民家の壁画に目を奪われたりと、日本ではあまり見かけないことが起きたりもします。

さて、今回のテーマは韓国旅行で気になったもののなかでも、「愛国心」にスポットを当てて取り上げてみたいと思います。

政治的には日韓関係が悪化しているといわれる昨今。韓国の関連でビジネスをしている人たちにとっても、韓国をわりと好意的にみている人にとっても、もどかしく思える時期です。

しかし、韓国を旅しているときに日本人だからといって面と向かって悪口を言われるなんてことは、ごく稀なこと。

愛国心の表し方にはびっくり!?

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ですが、日韓関係の状況を抜きにして考えても、韓国人の愛国心の表し方には少しびっくりさせられることはあります。単にお国自慢だけでなく、スポーツの場を通しての他国の批判につながることさえあります。これが「ネトウヨ」の方たちの目のつけどころなのかも!?

ただ、タイトルの「クッポン(국뽕)」とは中毒症状を引き起こすほど盲目な愛国者を揶揄する言葉。「国(국)」と「ヒロポン(麻薬の一種)」を合わせた造語で、韓国国内でも愛国心の行き過ぎが問題視されることもあり、なかには自制を促す声も。→「クッポン」とは?(韓国語辞書 ケイペディア)

日本は過去の戦争から「愛国心」というものに対して、何かと「恐れ」を感じていることもあってか、過度に表す人はそれほど多くないように思います。果たして韓国ではどうでしょうか!?

●ソウル・タプコル公園で

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まずは一枚目の写真。
こちらは仁寺洞(インサドン)のタプコル公園の前で見た国旗。木の枝に葉のように飾り付けられているのは韓国の国旗「太極旗」です。

旗を一本立てておけば十分のようにも思いますが、「太極旗」が木の実のようにタワワに実っており、なかなかシュールな出来になっています。[
よく思いついたなぁ、このアイデア!」というのが率直な実感。

タプコル公園といえば、1919年に3.1独立運動が発祥した場所。日本史歴史の授業でも習いますが、この時期は米国のウィルソン大統領が「民族自決」を唱えた時期で、これを受けて韓国でも独立運動が始まりました。毎年3月1日には、ここの場所で記念式典が開かれます。

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私は留学時代、3月1日におそるおそるタプコル公園に出かけてみたのですが、聴衆が太極旗を振っているくらいのもので、声かけられたりすることもなく、いたって普通の式典が行われていました。

正直こういうところに、日本人が興味本位で見に行っても大丈夫なのかと思いましたが、全く問題ありませんでした。

ちなみにタプコル公園、普段はおじいさんたちの溜まり場となっていて、観光客に意識されることはあまりありませんが、国宝2号の「円覚寺址十層石塔」があります。タプコルの「タプ」は漢字で「塔」の意味です。

天安(チョナン)の独立紀念館で

そして二枚目の写真。
こちらはソウルから南に約1時間半。忠清南道・天安市にある「独立紀念館」。ここには日本帝国主義の時代に対抗した民族の歴史、そして植民統治の出来事や、虐殺などについて韓国側の視点で展示がされています。韓国の方は修学旅行で訪れたことがある人も多いかと思います。

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この博物館の屋外で、見かけたのはやはり韓国の国旗「太極旗」。写真を取った日は雪の降ったあとでした。「太極旗」がしっかりと整列されて、ズラーっと並んでいるのです。果たしてこれは何本くらいあるのか。

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なぜ韓国ではこんなにも「愛国」に熱心なのか!?

今回紹介した国旗の二枚の写真は、それぞれ別の場所で見かけたもの。ずらりと数えられないほどの国旗を並べる、という「韓国流の愛国心の表し方」にカルチャーショックを覚えました。それにしても韓国人はなぜ、これほど愛国にこだわるのでしょうか。知り合いの女性からこんな話を聞きました。

「韓国は歴史的に侵略されたことが多いし、隣には中国という強国、そして北韓(北朝鮮)、さらには海を挟んで日本があるでしょ。だからうかうかしていると本当に潰されてしまう。そんな危機感から「愛国心を持て」と教育されるのよ。(30歳後半/韓国人女性)」

一度も植民地になったことがない日本とは逆に、何度も他国から攻められたことのある韓国。地理的な条件も相まってか、日韓両国の「愛国」に対する意識はかなり異なるようです。それにしても国に対する愛情表現をかなりストレートに表したのが、この2枚の写真。これぞ「クッポン」の正体なのでしょうか!?



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。韓国旅行・地方旅の総合発信者。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、講座、トークイベントでの発信も。これまで韓国100市郡以上を踏破。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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