韓国政府、観光へのMERS対策本格化~「安心保険」と対策サイト
吉村剛史(トム・ハングル)
2015/06/16 改:2016/07/06
2015年6月から流行しているMERSにより、韓国政府も観光業界や韓国を訪れる観光客への対策や支援策を打ち出しています。韓国を訪れる前には一読しておくと、万一の場合役に立つはずです。
外国人向けの安心保険導入へ
6月15日、韓国の文化体育観光部(日本の省に相当)はMERSにより打撃を受けた観光業界に特別融資を決定、観光客には「安心保険」を導入することが韓国メディア各社より明らかになりました。情報元:YTN(韓国語)
韓国を訪れる観光客としては「安心保険」の内容が気になるところです。記事によると、この保険は韓国入国時に強制加入となり、MERS確診時に治療費全額と旅行費、ならびに3,000ドルを保障するという施策を打ち出しました。
病気にかからない、に越したことはありませんが、このような保険があると金銭的には安心だといえます。ただし、これが観光客減や風評被害にどれだけ対抗できる措置なのか、ということは疑問です。インターネットニュースでは「奇策」との声も上がっています。
観光が外貨獲得の重要な産業に位置づけられていることからしても、韓国政府の必死さがうかがえます。しかし過去の災害や感染病の場合、収束後には反動から一挙に観光客が増えるということも指摘されており、このピンチを乗り越えられるかどうか?ということになります。
VISIT MEDICAL KOREAにMERS対策サイトOPEN
先日、韓国の医療観光ホームページ「VISIT MEDICAL KOREA」内にMERS対策サイトが開設されました。参考: MERS対策サイト(日本語)
このホームページは、美容医療や健康診断、韓方など、医療を目的として韓国を訪れる観光客向けの情報を配信するページとしてオープンしていました。医療観光についての概要は、テーマ旅行のページでまとめています。参考:医療観光・医療ツーリズム
対策ページでは「MERSについて知っておくべきこと」「免疫力を高める食品」などといったコンテンツが紹介されています。また、緊急時の連絡先の記載やオンライン相談の受付もあります。韓国を訪れる前に一読しておくと役に立つかもしれません。
前回の記事でもお伝えしましたが、韓国滞在中に疑わしい症状があった場合は、観光案内電話の1330に電話をしてみましょう。日本語での対応も行っているので病院の紹介や対応策についても教えてもらえるはずです。参考:MERSの影響で航空券価格下落!?
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール