ソウル・祭基洞の「麻薬コギ」
 2014/06/28 吉村剛史(トム・ハングル)

ソウル・祭基洞(チェギドン)と聞いて、いちばんに浮かんでくるのはソウル薬令市。全国の韓薬の8割が流通する、韓方市場があります。そして庶民の台所、京東市場には手頃な価格の農産物がたくさん集まっていていつもにぎわっています。祭基洞(チェギドン)

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東大門から地下鉄1号線で東へ3駅目。観光地としては、とくに目的がなければ訪れない祭基洞(チェギドン)ですが、地元感あふれる穴場だからこそ、何かがある予感がしてきます。「行ってみたら本当に何もなかった!」ということもあるんですけどね。

実際、写真を見てみるとこういう街です。清渓川、そして漢江へとつながる貞陵川が流れていて、ソウル都心に近い住宅街です。こういうところに住んでみたいけれど、それなりの家賃がかかるはずです。

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究極の焼肉!? 麻薬コギ
地下鉄のホームにまでも、韓方の香りが漂う祭基洞駅の出口を出て東大門方向に数分歩いていくと看板のない焼肉店があります。私の周りでもこのところ何かと話題となっていた、通称「麻薬コギ」。ファン・スンジェ 著『ソウル食べ尽くし リターンズ』(実業之日本社)で紹介されていました。


『ソウル食べ尽くし リターンズ』

コギは韓国語で肉、「麻薬」とは、もちろん本当の麻薬ではなく「病みつきになる」「食べだすと止まらない」という意味。広蔵市場(クァンジャンシジャン)の「麻薬海苔巻き(マヤクキムパプ)」は有名です。

金曜日の夜、午後8時をまわったところで、同行者と一緒にお店に入るとお店は満席。シルバーの丸テーブルに丸椅子という典型的なソウルの焼肉店のスタイル。競うようにテーブルに焼酎のビンが置かれている、どこにでもある雰囲気のお店です。

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「マヤク」の正体は!?

このお店、独特なのは肉のスタイル。豚の首から背中のあたりの肉、カブリサルが塊のまま網の上に乗せられます。鉄板の上にジューっと焼かれ、特徴的なのは黄色の容器から振りかけられる粉。これぞ「マヤク」の正体!

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この粉に何が入っているかは秘密のようですが、ちょっと尋ねてみると韓方薬材が入っているとのこと!韓方市場がある祭基洞ならでは、なのかは分かりませんが、そこで私の脳内回路に「薬令市」がピタっとタグ付けされたような気がします。

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火で炙った肉を板の上に乗せ、お店の方が切ってくれます。それも日本製の包丁で。肉をハサミで切ることが多い韓国ですが、これもある意味珍しいことではないでしょうか。

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そしてサムジャン(合わせ味噌)のほかに、ワサビ醤油が用意されています。「どこかで見たような」と思ったのですが、広蔵市場の麻薬キムパプもワサビをつけて食べるんです。必然的なことではありませんが、「麻薬」の正体は「ワサビ」にもあるのでは、と密かに思った私です。

マッシュルームもポイント
もうひとつのポイントは「マッシュルーム」。キノコの柄のぶぶんを手でつまむように取り除きます。「女性を扱うように、そっと」とアドバイスをしてくれた店員さん。こんな軽いジョークを飛ばすのも、ちょっと面白いところ。

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そしてシメには、味噌チゲ(テンジャンチゲ)。こうやって網の上に小鍋を置いて食べるのはよくあること。そこにご飯を入れてもらって軽い雑炊のようにするとサッパリ。韓国のテンジャンチゲは青唐辛子が具材に入っているので、「青辛さ」が絶妙な爽快感!

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なんとなく、やめられない魅力がある麻薬コギ。祭基洞の近くまで来たら召し上がってみてください。東大門からも遠くない位置なので、数人だったらタクシーに乗っていってもよいかもしれません。

<食堂情報>
マヤクコギ(麻薬コギ)
ソウル市東大門区旺山路94(龍頭洞)


※地図表示は前の住所:移転先はすぐそば。

祭基洞のグルメは?
祭基洞(チェギドン)界隈は、ほとんどガイドブックにも載っていない場所。そんなところで美味しい店を探そうとするなら、韓国のブログで検索をかけてみたりするわけです。ただ、もう一つ有名なところがありました。新設洞(シンソルドン)と祭基洞のあいだには龍頭洞チュクミ通りがあります。

チュクミは小さなイイダコのこと。イイダコを辛く炒めたチュクミポックムは焼酎のつまみにも最適です。気になるのはこのチュクミの銅像。こういうゆるいのを見ると、なんとなくワクワクしてくるものです!

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ディープな感じがすることもない、一見するとふつうのソウルの街・祭基洞。余裕があれば、こういう場所をちょっと散策してグルメを味わってみるのも面白いです!ぜひ一度祭基洞へ!

<トム・ハングル 旅のひとこと>
・祭基洞にある先農壇はソルロンタン発祥の地だといわれています。
・京東市場は庶民の息づかいが感じられます。五味子や高麗人参の購入に最適。
・祭基洞の散策のあと、清凉里のロッテマートで徒歩で行き、買い物ができます。



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。韓国旅行・地方旅の総合発信者。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、講座、トークイベントでの発信も。これまで韓国100市郡以上を踏破。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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