韓国への航空路線&LCC、2015冬ダイヤをチェック!
吉村剛史(トム・ハングル)
2015/10/24 改:2015/10/29
2015年10月25日から2016年3月26日まで、航空路線が冬ダイヤで運行されます。夏ダイヤ期間における韓国旅行の最も大きなニュースといえばMERS(マーズ)関連の話題でした。
韓国では2015年6月上旬に、MERS(中東呼吸器症候群)の流行が世界に知られるようになり、日本の地方路線の韓国便運休をはじめ、成田、羽田の主要路線も減便となりました。
2015冬のポイントは、訪日観光客需要増の反映
さて、2015年冬ダイヤですが、日本の経済政策の事情などでウォン高円安傾向が比較的長く続いていることもあり、韓国からの訪日観光客をターゲットにした路線拡充というのがポイントです。
また釜山方面へのLCC航空路線が続々登場しており、日本各地から、釜山へのアクセスも以前より訪れやすい傾向になっています。
特に関空から釜山の路線が大幅増、というところにも注目したいと思います。
[釜山・海雲台海水浴場と広安大橋]
ちなみに夏ダイヤについては、3月にまとめましたが、「韓国からの訪日観光客需要」という流れは変わっていません。しかし、当然のことながら飛ばした飛行機は往復するのが基本ですから、両国の観光客がそれぞれ訪れやすくなることは事実です。
夏ダイヤでは大邱~関空路線の就航を主要ニュースとして取り上げましたが、この路線は引き続き運航されています。参考:LCC韓国路線の2015年夏ダイヤをチェック!(拙著)
以下で主要トピックをまとめます。
エアプサン・札幌(新千歳)~釜山就航
[エアプサン]
●エアプサン、札幌(新千歳)~釜山便就航
今回、最も大きなニュースといえるのは2015年12月からエアプサンの札幌(新千歳)~釜山路線就航。
札幌および釜山発着は、火、木、日の週3便。主に釜山から、札幌への冬の観光需要を見越したものだと思いますが、北海道の観光客も、釜山へ訪れるのはさらに便利になります。
土日休みの会社勤めの方なら、休みを取るなどして木曜日に出発し、日曜日に帰ってくる3泊4日のプランというのが最も合理的です。
平日に行く場合でも火曜日札幌出発は午後便、木曜日は釜山発が午前便となるため、火曜日~木曜日での日程は旅行としては少々忙しすぎるでしょう。
●大韓、アシアナも北海道方面拡充
また大韓航空は札幌~釜山便を週3便から週5便に、アシアナ航空は、旭川~仁川便を12月~3月にかけて週二便(水、土)に運行することも決まっており、こちらも、北海道への冬の旅行を見越したものとなっています。
関空~釜山にLCC参入&増便
関空~釜山便は需要が高まっているようで、LCC各社が参入しています。エアプサンをはじめ、イースター航空、ジンエアの各社が新しく路線に登場しています。
●エアプサン、関空~釜山便増便
エアプサンでは、関空~釜山便の増便を決めています。午前午後と夜間の完全1日3便体制に。福岡~釜山便も午前中に増便するとしています。参考:エアプサンが釜山便を拡充(新関西国際空港株式会社/PDF)
●イースター航空、関空~釜山便就航
イースター航空は、10月25日から関西~釜山便を就航します。1日1便です。
●ジンエア、関西~釜山便就航
ジンエアは9月25日から、関西~釜山便を就航しました。1日2便です。
ジンエア・那覇~釜山便就航
ジンエアは10月25日から、那覇~釜山線を1日1便を運行することを決めています。ジンエアはこれまで那覇~仁川便を運行してきましたが、今度は釜山からの路線を拡充することになりました。
またアシアナ航空は那覇~仁川便を毎日運航することを決め、沖縄の観光に期待がかかっています。参考:NHKニュース(沖縄)
日本からの済州路線完全運休
そして旅行者にとって残念なニュースなのは、日本―済州路線の完全運休です。
[トルハルバン]
これまで成田~済州線、大阪(関空)~済州線が運行されていましたが、日本から済州島への旅行客が減少したことにより、今回のダイヤは廃止されます。これは6月に発表されており、早々と動きが決まっています。参考:韓国行き航空機MERSで減便、済州便は観光客減で(拙著)
今後、済州島へ訪れる場合は、ソウルや釜山、もしくは韓国の地方空港など韓国国内線経由となります(もちろん中国などからの直行便はあります)。
特にソウル・釜山~済州路線は平日だと非常に安く、LCCを利用する場合、航空券代金や諸税込で日本円にして2,000円程度という驚きの価格で運行されています。
2015年10月29日追記
成田~済州、関西~済州路線、一度は運航休止が決定されたものの、再開されることが10月27日に伝えられました。
韓国のニュースサイトNEWSISは「大韓航空 “赤字 済州~日本 公益のために維持”」と見出しで伝えており、赤字覚悟での運航だとみられます。参考:NEWSIS(NEVER ニュース・韓国語)
再開に際しては、済州道の自治体サイドからも強い要請があったのではないでしょうか。日本路線がすべて休止となると、今までなら訪れていたような観光客ですら足が遠のいてしまうわけですから、おそらく必死だったに違いありません。
●関西~済州路線
済州発(火、木、土、日)午後7時~午後8時25分
関西発(水、金、日、月)午前9時~午前10時50分
●成田~済州路線
済州発(火、木、土、日)午後7時~午後9時10分
成田発(水、金、日、月)午前10時45分~午前1時35分
(追記、以上)
2015年冬ダイヤ改正では!?
今回の冬ダイヤ改正では、冬場の需要を見越した北海道方面への増便、沖縄への便の増便が目立ちます、そして関西~釜山、仁川および、福岡~釜山、仁川への増便もあります。しかし東京への路線は目立った動きはないようです。
円安ウォン高の影響が続き、韓国人に人気の高い観光地への路線が拡充しているのだといえるでしょう。以上が2015年冬ダイヤの大きな動きです。
韓国へはひとり旅で訪れる人も多く、航空券だけ購入し、ホテルも自分で予約したり現地で探したりする観光客が多くなっています。なんといっても航空券の購入に便利なのは「Skyscanner(スカイスキャナー)」というサイト。
日程や出発地、行先を入力すると、航空会社(LCC含む)もすべて一挙に確認することができます。万一、満席でも中国や台湾経由で韓国へ行ってみたり、というルートも調べられますし、日本国内の地方空港を経由した路線も表示されます。
まだご存じない方いらっしゃったらぜひ使ってみてください!おすすめです。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール