晋州南江流灯祭り~文禄の役にその起源を見いだした祭り | 韓国&韓国旅行 | トム・ハングル

晋州南江流灯祭り~文禄の役にその起源を見いだした祭り
 2013/10/17 改:2016/10/04 吉村剛史(トム・ハングル)

毎年10月1日になると、慶尚南道・晋州(チンジュ)では、「晋州南江流灯祭り」が行われます。

晋州(チンジュ)という都市は、釜山の西部バスターミナルから、西へバスで約1時間半のところに位置しています。2012年には晋州駅の新駅舎にKTXが乗り入れ、ソウルからのアクセスもしやすくなりました。

人口は30万人を超える都市。国立慶南大学校をはじめ、市内にはいくつかの大学があり、学生も多く住んでいます。私はこれまで晋州(チンジュ)に何度か訪れましたが、「韓国のなかで最も住みたい街」と話しています。

そのわけは、市内中心部を流れる南江(ナムガン)があること。韓国最大の河川、洛東江の支流の一つ。川沿いを歩くと、とても心地よい雰囲気です。

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文禄の役の戦いの舞台になった、晋州(チンジュ)

豊臣秀吉が大陸へ進出を試みて、朝鮮に軍を送り込んだのは1592年4月のこと。釜山を陥落させたのを皮切りに、わずか1か月の間に北進。現在のソウルにあたる漢城(ハンソン)を制圧しました。

それから豊臣軍は全羅道方面への進出を試みますが、海戦にとても強い李舜臣(イ・スンシン)が率いる軍に阻まれて、海を避けるように進みます。その足掛かりの場としようとしたのが晋州(チンジュ)。文禄の役のときに戦いの舞台となった場所なのです。

1592年10月には、朝鮮の金時敏(キム・ジミン)将軍率いる3,800の兵が、2万人に及ぶ日本の兵を相手に晋州城を死守します(第1次晋州城の戦い)。そして翌年の1593年6月には、再び兵力を強化して晋州城を攻め、日本側が勝利をおさめます。

ちなみに晋州城址の公園内には金時敏将軍の像が置かれています。

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流灯を流す人たちの様子

このお祭りの流灯とは、もともとは戦のなかで、日本による攻撃を防ぐための伝達する手段として使われていたもの。

約70年近く前から始まった「開天文化祭」のなかの行事として行われた流灯流しが発展。今の晋州南江流灯祭りの姿になったのだそう。今回はお祭りの様子を写真とともに見ていきましょう。

晋州南江流灯祭りを見てみよう

下の写真は市民の願いごとがかけられているというアーチ。この光のトンネルでは思わずシャッターを何枚も切ってしまうほどキレイでした。写真に写った方は自分の書いた願い事を探していたのかもしれません。叶うといいですね。

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さて会場の様子を少し上がったところから見てみると、この人だかり。暗くなるにつれてだんだんと人が集まりはじめました。この日は開幕式で花火が行われるため良い場所でみようと大混雑でした。

●初日は花火で幕開け
10月1日、時刻は夜8時をまわり、南江沿いにはバンバンと花火の音が鳴り響きます。こうなるとみな立ち止まり、もう身動きが取れないほどになります。道路で写真を撮る余裕があるほどそれくらいに車が詰まっています。

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写真は、晋州城の入口前の車道です。門の前には車がずらーっと並んでいます。人だかりができ、城のなかに入っていくのも一苦労です。

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晋州城のなかに入っていくと、ここにもいろいろな燃灯があります。このお祭りで使われている燃灯は晋州の学生たちの手で作られたもの。晋州に住む友人に尋ねてみたところ、「高校生のとき作ったよ」と言ってました。

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晋州は大学がいくつもあるので、これを作っているのは高校生だけではないのかもしれません。こういうイベントが行われるたびに、大人になってからも「昔作ったなぁ」ということを思い出せるという意味では、地元に対する愛着が湧いてくるのではないかと思います。

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そして、会場では川にかけられた橋を歩くことができます。会場内でも何か所かにかけられており、私は浮橋を歩きました。少し揺れるので小心者の私はつかまりながらゆっくり歩いていました。かなり安全なのに憶病なのでドキドキ・・・。

2012年当時の値段は1,000ウォンでした。2015年から入場料として10,000ウォンを徴収するようになったので、浮橋の情報は不明です。ちなみに、近くで燃灯が見られるというのもきれいでした。

ただ、橋が揺れるのでブレてしまい、歩きながら写真をとるのは難し

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会場ではコンサートも行われています。昼間には遊覧船、伝統の晋州闘牛が行われるなど、盛りだくさんのイベント内容。秋の夜長のゆったりとした時間を過ごすのには最適です。お祭りなので少々うるさく感じることはあります。

韓国を代表するお祭りだけあって、本当にとても充実した内容。最後に地方のお祭りについて、ちょっと触れてみたいと思います。

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韓国のお祭りのなかでも、歴史に起源を見出したお祭り

晋州南江流灯祭りは、韓国代表祭りに選ばれる常連です。文禄の役という歴史に起源を見い出した、お祭りであることも評価されているに違いありません。

そして晋州南江流灯祭りは、前述したとおり70年ほど前にスタートした前身となるお祭りがあることや、学生たちが燃灯を作るなど「市民参加」という観点からも注目されていると考えられます。

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私たち日本人にとっては、非常に関連性の高いお祭りになっているため、これからも注目に値する韓国の代表的なお祭りになるはずです。

ぜひ晋州南江流灯祭りに訪れて、この地の歴史に思いを馳せながら、南江に浮かぶきれいな燃灯と晋州城のライトアップを楽しんでいただきたく思います。

もちろんお祭り以外でもおすすめできる要素はたくさん。ゆっくりと晋州城跡の見物が楽しめますし、美味しい食べものも多いのでおすすめです。

<旅の情報>
晋州南江流灯祭りは毎年10月初旬に行われます。
釜山西部バスターミナルから市外バスで約1時間30分。
ソウル江南ターミナルからは高速バスで約3時間30分です。



トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
毎年10月1日から約2週間にわたって開催されるお祭り。川沿いには観光ホテルひとつ、モーテルが多く、宿泊には困らないはずですが、お祭り期間中は早めに部屋を確保しましょう。

夜、バスで釜山まで戻ることもできますが、その場合も到着と同時に発券することをおすすめします。晋州を訪れるついでに統営方面を旅したりするのもおすすめです。

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トム・ハングル(吉村剛史)

吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビューし、同年中央日報に掲載される。これまで文化センター講座、トークイベントでの発信も1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破。海外の常識をレポートする『海外ZINE』の韓国担当ライター、2018年2月号『散歩の達人』第2特集の取材・文を担当。同6月から韓国水産食品(K-FISH)広報サポーターズ。プロフィール・お問い合わせ



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