蘇莱浦口(ソレポグ)を歩く‐仁川
吉村剛史(トム・ハングル)
2013/11/18 改:2016/07/27
首都圏に住む人たちが週末に訪れ、
たくさんの人でにぎわう、仁川・蘇莱浦口(ソレポグ)。
湾の入り江になっていて、海というよりも河口、という雰囲気です。
上の写真は夕景。
日が沈んだもののまだ空は薄明るく、深い青さが残ります。
右側が市場。小さな漁船が岸に停泊しています。
市場の夕景のようすを見ていただきましたが、
一旦、最寄りの駅から歩いてみていきましょう。
●水仁線再開業でアクセスも便利に!
水原と仁川を結ぶ、水仁線(スインソン)蘇莱浦口駅。
日本統治時代に建設されたこの路線は1994年に廃線になり、
2012年にふたたび復活しました。
まだ全線開通はしていませんが、
2014年には地下鉄1号線の仁川駅とつながり、
最終的には盆唐線ともつながるので
ソウルからもアクセスしやすくなります。
そんなこともあってか、周辺は高層アパートが建設ラッシュ。
仁川市内の松島新都心にも近く、ソウルにも直通で行けるようになり、
通勤する人たちにとってはベッドタウンになるのでしょう。
一番上の写真よりも少し暗くなったときに
ちょっと露出を押さえてカメラのシャッターを切ると、
だれもいない海辺の夜の倉庫のように見えるのですが、
こんな静けさとは対照的に、週末の市場は人でごったがえします。
●市場のカラーにパターンあり!?
市場のなかでは、商売をする人たちの
「サセヨ(買っていって~)」との声、人々のざわめき、
そしてチャプチャプと水が流れ、
魚が泳ぐ音など、韓国らしい市場の様子が感じられます。
こんなににぎやかな雰囲気にいると、
海産物や塩辛を買っていきたくなります。
海外からやってくるといくら買っていきたいと思っても、
生の水産物は持ち帰れないし、すると干物や塩辛程度でしょうか。
上の写真をみても、アミの塩辛がてんこ盛り。
水産市場を歩いていると、魚を売るところは青基調で
塩辛のゾーンに入ると、赤基調。
塩辛が赤いからそう見えるのかもしれませんが、
どの市場も共通しているような気がします。
さて干物はどうでしょう?
白基調であることが多い気がしませんか?
私のなかではそんなイメージがあります。
ところで、私はしばらくソウルに住んでいましたが、
1人で住んでいて市場で魚を購入するとなると
量も多いし、ちょっと電車では持ち運びにくいですよね。
いつかまた韓国に住むようになったら
今度は家族で、休みの日に市場に出かけて大きな魚を買うのが
私のひそかな夢だったりします。
さらに余談ですが、免許はもっているけれど
車の運転が嫌いな私は、運転が好きなパートナーを希望します(笑)
●焼魚の香りが漂う飲食店通り
市場の入り口には飲食店がたくさん集まっていて、
お店の前で魚を焼く、その香りにつられてしまいそう。
ここには貝焼き、焼魚、刺身などの店が多いのです。
市場で魚を買い、その場でさばいてもらって
お店に持っていったり、時期によっては外で食べる人もいます。
西海岸でとれるワタリガニ、タイショウエビなども
時期によってはきっと美味しいでしょう。
私は結局、この飲食店街の
店頭で魚を焼いているお店に入ってみました。
お膳の上の網にアルミホイルを敷いてもらい、魚が5~6匹。
2人で焼酎やマッコリを飲みながら、つまむには十分な量です。
韓国では、一度網で焼いた魚を、
お客さんに出す前にもう一度焼きます。
日本で魚を食べるよりも脂分が落ちて、
引き締まった感じがでます。
おつまみとしてもご飯のおかずにもOKです。
魚の香りと人々の声が海風とともに届く
仁川・蘇莱浦口(ソレポグ)を紹介しました。
<アクセス>
・蘇莱浦口駅徒歩約5分。
・地下鉄4号線で行く場合は終点の烏耳島(オイド)駅から
水仁線に乗り換えて蘇莱浦口駅下車。
・地下鉄1号線白雲駅からバス
<旅のワンポイントアドバイス>
・4号線を途中下車しながら、
ソウル大公園→安山世界飲食街→蘇莱浦口へ行く週末ミニトリップ。
・車が使えるなら蘇莱浦口、沿岸埠頭、松島、月尾島など仁川めぐり。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール