韓国でツツジの花が咲くころに花煎(ファジョン)~江華島・高麗山
 2014/05/10 改:2016/08/02 吉村剛史(トム・ハングル)

4月下旬~5月上旬のみどころ、江華島・高麗山のツツジ

韓国の旅におすすめの、4月下旬から5月上旬にかけての見どころを紹介します。仁川広域市にある江華島(カンファド)の高麗山ではツツジの花が咲き乱れます。標高は436メートルで、ソウルよりも半月~1か月遅く咲きます。ちなみに江華島ターミナルまではソウル・新村(シンチョン)からバスで約1時間半です。

江華島・高麗山のツツジ

江華島・高麗山のツツジ

2014年5月9日の新聞に、この記事が掲載されていました。

西海(黄海)が一望できる江華島の436メートルの高地が、きれいなピンク色に染まっている。一面のカラムラサキツツジが春風で波のように揺れるこの場所は、仁川・江華島にある「高麗山」。(朝鮮日報 5月9日)

一口に「ツツジ」といっても、その種類はいろいろあるそうなのですが、この本文に出ているのは「カラムサキツツジ」というツツジの花。これはチョウセンツツジともよばれ、これがいわゆる「チンダルレ」といわれています。

元韓国日報記者で、宮中料理に詳しいイベントプロデューサー・佐野良一先生のご自宅にお邪魔したときツツジの話をしていたところ、宮中には「花煎(ファジョン)」という料理があることを教えてくださったのです。

花煎(ファジョン)

花煎(ファジョン)

花煎(ファジョン)は旧暦3月3日の重三節という名節のとき、宮中では下ごしらえした白玉粉やお皿などを用意し野山に出かけます。その場でお餅を焼き、摘んだツツジの花を添えて食べるそうです。こうした伝統遊びを花煎ノリ(화전놀이・ファジョンノリ)といいます。

それにしてもこうやって自然を楽しむというのは、とても風流だと思いませんか?

佐野先生はソウルの南山(ナムサン)でも道端で売っていると思うよ、とおっしゃっていましたが、私は韓国を旅をするなかではまだ見たことがなかったのです。上の朝鮮日報の記事ではツツジのお祭りで、花煎(ファジョン)が売られていることがわかります。

韓国料理教室「セサミの会」へ

佐野先生が紹介してくださったのは、韓国家庭料理教室の「セサミの会」。韓国へ留学、宮中飲食研究院で履修され、20年以上の韓国料理教室歴をもつ斉藤雅子先生が講師をされている料理教室の会です。今回、作っている様子を見学させていただきました。

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花餅(ファジョン)は白玉粉をこね、ツツジの花やナツメなどを乗せ、フライパンにごま油をひいて生地を焼きます。ごま油の香ばしさと花の色合いの美しさが感じられます。

ほんとうはチョウセンツツジを使うそうですが、ここでは他の種類のツツジを使っているそうです。花には味があるわけではありませんが、とてもキレイですよね。そしてこの花餅ノリには飲み物も用意されます、それが、五味子花菜(オミジャファチェ)です。

もう今や日本でも知られるようになった五味子茶。チョウセンゴミシの実を一晩水に浸して、色を出し、砂糖やハチミツを加えて熱して作ります。そしてツツジの花を浮かべてお餅といっしょに食べるそうです。

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写真では星型にスライスしたリンゴも浮かんでいますが、実際には梨をのせたりするそうです。そして料理教室では他にも、ねぎをゆがき、くるくると束にして盛り付けたカンフェ(실화 강회)や、そのほかにもカボチャ粥(호박죽)なども一緒に作っていらっしゃいました。

カンフェ(강회)
カンフェ(강회)

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私は韓国旅行をテーマにこのサイトを運営していますが、旅行や観光をテーマを切り口にしてみると、食や文化などともつながってくるということで今回、花煎を取り上げてみました。韓国料理を食べてみたい人や学んでみたいという人も増えている昨今、関心のある方は、日本で料理教室に通われてみるのもよいかもしれません。

セサミの会は東京の大田区や新大久保で行われている料理教室。関心がおありの方はぜひ問い合わせてみてください。

・お問い合わせ先
韓国家庭料理教室セサミの会(講師:斉藤雅子先生)
http://koreancooking-sesami.jimdo.com/

韓国旅行ひとこと
花煎ノリ(ファジョンノリ)を行った旧暦3月3日は2014年では4月2日(2015年は4月21日、2016年は4月9日)あたります。ソウルでチンダルレ(ツツジ)が咲く頃というのは3月末ごろからですから、旧暦のころとだいたい時期があっている、といえるでしょう。

江華島の高麗山(コリョサン)は少し標高が高いですから、咲くのも遅めになるようです。4月下旬から5月上旬にかけては、江華島にツツジの花見に訪れてみるのもよいかもしれませんね!

<お祭り情報>
高麗山ツツジ祭り
2015年4月18~30日

参考資料
「韓国の宮廷の花食文化」ファン・ヘソン 著― 『アジアの花食文化』(誠文堂新光社 1989年)



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。韓国旅行・地方旅の総合発信者。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、講座、トークイベントでの発信も。これまで韓国100市郡以上を踏破。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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