韓国の春の花を眺める
 2013/03/23 改:2016/08/01 吉村剛史(トム・ハングル)

韓国の春の花も色とりどりで美しいです。
今回は韓国で春に咲く花を紹介します。

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マイナス15度を下回る日もある冬のソウルですが、
寒さがひと段落した2月の終わり、気温がプラスになると
コンビニの前に置かれたテーブルでビールを飲む人の姿を見かけます。

韓国よりも温かい日本で、2月にこんな風景は見られませんが、
「殺人的」とも表現される寒さを体験してしまうと、
少し温かくなっただけで、外でビールを飲みたくなる気持ちはよくわかります。

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<コンビニの前に置かれたテーブル>

3月になると温かな日もありますが、ソウルの本格的な春の訪れはまだ先のこと。
花の便りは3月中旬ごろ、南のほうからゆっくりと訪れます。
そんななか韓国観光公社のページでツツジとレンギョウの開花予想が発表されました。

レンギョウやツツジなど春の花の開花時期(韓国観光公社HP)
http://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/MA/MA_JA_9_6_1.jsp?cid=1798544

これによると4月上旬にレンギョウやツツジが咲くそうです。
そして、日本では春を象徴する花といえば、サクラ。
旅行のついでに韓国の桜を見たいという方も多いようです。

もちろん韓国にきた記念に満開の桜を眺めるのもよいですが、
韓国に来たからには、韓国で親しまれている花にも目を向けたいところ。
そんなわけで、今回は韓国の春の花の顔ぶれを紹介したいと思います。

・街中で見られる花
・花のお祭り に分けて紹介したいと思います。

まずは街中で見られる花からです。

<街中で見られる花>

・ケナリ(レンギョウ)

黄色く小さな花を咲かせるレンギョウ。
日本では短く切られてしまうそうですが、
韓国では目立つほどよく伸びています。

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黄色い花が咲いたと思うのもつかの間、
しだいに小さな緑の葉が見え始めると、
黄色い花びらはパラパラと舞い落ちます。

ソウルでは地下鉄3号線、玉水駅近くの鷹峰山(ウンボンサン)が有名で、
漢江(ハンガン)沿いを通る高速道路を通ると、
黄色いケナリが鮮やかに咲いているのを見かけます。

・モンリョン(モクレン)

漢江の橋をわたるために、地下鉄は一旦地上に出ます。
そのとき高架の箇所があるのですが、上から街を見下ろすと
白く大きな花を咲かすモクレンの木が意外に多いことに気付きます。

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どっしりと重くみえるつぼみが、枝に「ぼてん」と座っている様子が印象的です。
写真は花が開いてしまったあとですが、個人的にはつぼみの時期が好きです。

・チョルチュク(クロフネツツジ)

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薄紫や赤紫の花を咲かせるチョルチュク(クロフネツツジ)
写真は5月の初めに撮ったものですが、ツツジにも種類がいくつかあるそうですね。
こちらはわりと遅咲きのほうでしょうか。

日本でも道路と歩道をわけるガードレールの脇などに
よく植えられているような気がしますが、
日本でも韓国でもわりとありふれていて馴染み深い花のようです。

・サルグ(アンズ)

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こちらはサルグ(アンズ)の花。
一見、花のようすがサクラにも見えますが、わりとすぐに散ってしまうサクラと比べると、
結構長持ちしていてなかなか散りません。サクラよりピンク色が薄い感じがします。

日本は春といえば「桜」というほどイメージが強いですが
韓国ではこれといったものはなく、いろいろな花が咲いています。
旅行の際には、ぜひ花にもちょっと目を向けていただけたらと思っています。

3月の下旬、東京ではもうすでに桜の花が咲いているとのことですが、
先週、全羅南道に行ったときには梅や山茱萸の花が色づいていて、
そろそろ、春の花についてブログを更新せねばと思っていたところです。

前回は街中で見られる春の花を紹介しましたが、
今回は韓国の地方を中心に「お祭りが行われる春の花」を紹介。

日本を象徴する花といえば、サクラですが、
開花から1週間で満開になり、あっという間に散ってしまいます。
その儚さを短い人生に例えているのだといったりするそうですが…

反対に、韓国の国花であるムグンファ(ムクゲ)は
夏のあいだ、ずっと力強く咲く花です。

サクラとムクゲ、この2つの花の違いが
日本人と韓国人が花に対して持つイメージの違いとも取れるかもしれません。
そのあたりの考察はまた機会があればどこかで書こうと思います。

さて前置きが長くなりましたが、
お祭りが行われる春の花について書いて行こうと思います。

・山茱萸(サンスユ/サンシュユ)

山茱萸は春は黄色い小さな花を弾けるように咲かせ、
秋になると赤い実をつけます。この実は漢方薬としても使われるそうです。
日本語ではサンシュユ、韓国語ではサンスユです。

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韓国で山茱萸が有名な場所といえば、
全羅南道・求禮(クレ)郡山東面、京畿道・利川(イチョン)市栢沙面、
そして韓国最古の山茱萸が自生するという京畿道・楊平(ヤンピョン)郡介軍面。

昨年は、求禮(クレ)と利川(イチョン)に行ってきましたが、
山に囲まれた丘に黄色い花をつけた木が一面に広がり、
とてものどかな印象だったのを覚えています。

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暖かければ、木の下にシートを引いて寝そべったら
その美しい風景にうっとりしてしまうことでしょう。
春の野山を美しく彩るのがこの山茱萸です。

利川(イチョン)のほうは4月の上旬ごろに咲きます。
ソウルからも1時間20分+市内バスで30分(本数は少なめ)で行くことができ、
韓定食、温泉、そして陶磁器村があるので、日帰りの近郊旅行にもおすすめです。

詳しくは昨年の記事をご覧ください。
利川・サンスユマウル(山茱萸村)
http://yonday.blog96.fc2.com/blog-category-32.html

・梅花(メファ/うめ)

日本でもおなじみの梅の花。
韓国で梅の花が有名なのは、全羅南道の光陽(グァンヤン)多鴨面、
全羅南道の海南(ヘナム)郡のポへメシル農園、慶尚南道梁山(ヤンサン)市院東面。

去年はスッカラ5月号の記事で、
全羅南道光陽のお祭りに行ったことを書いたのですが、

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白雲山のふもとに約10万坪にも及ぶ梅の木があり、
蟾津江(ソムジンガン)沿いの山の斜面が梅の花の風景に染まります。
1930年代に植えられたため自然の梅林ではないのですが、それでもとても美しいです。

その山の斜面に登っていくと、花を咲かせた梅の木と、
両岸が山々に囲まれた川の風景を見下ろすことができ、
その景色の素晴らしさに惚れ惚れしてしまいます。

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川の向こう岸は慶尚南道の河東(ハドン)。
この川を境に普段使用している方言が違うそうです。
そのあたりもちょっと面白いところです。

・ポッコ(サクラ)

とくに日本人が春の花として一番注目しているのが、サクラですよね。
韓国にサクラを見に行きたい、という方もかなり多いかと思います。

個人的には韓国の春ならではの花を楽しんでいただきたい、
と思っているのですが、桜も春の花の代表格として大きな存在でしょう。

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さて、日本からの独立後にはサクラが日本を象徴するものだとして、
伐採されたといいますが、ソメイヨシノが済州島原産という説が知られるようになり、
再び大切に扱われるようになったという話もあるほどです。

有名なところといえば、ソウルの汝矣島(ヨイド)、慶尚北道・慶州(キョンジュ)
慶尚南道・鎮海(チネ)、河東(ハドン)の花開市場、江原道・江陵の鏡浦台(ギョンポデ)。

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写真は汝矣島の桜。
日本と違うのは、花の下で宴会をしたりはしないということでしょうか。
ただ多くの人がサクラを見に集まり、木の下を歩いて春の風景を楽しみます。

さて、2回にわたって春の花のお話をしてみました。
ぜひこの春、韓国の地方に出かけて、
春の美しい花の風景もぜひ見ていただけたらと思います。



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破。海外の常識をレポートする『海外ZINE』の韓国担当ライター、17年は平昌五輪開催地の『江原道公式ブログ』にも連続寄稿。2018年2月号『散歩の達人』第2特集の取材・文を担当。プロフィール・お問い合わせ


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