韓国の旅と「出国税」を考える~空港使用料・諸税をあわせるとどのくらい?
 吉村剛史(トム・ハングル)
 2019/01/12 改:2019/10/05 

2018年1月7日から日本を出国する人に一律1000円を徴収する「国際観光旅客税(通称:出国税)が導入されました。

これは空港や港の使用料、燃油サーチャージなどとともに、航空券や乗船券のチケットに上乗せして徴収されるもので、海外へ旅行、出張で行く人の負担が増えることになります。

ちなみに韓国で出国税に相当する税金はすでに導入されており、出国時には10,000ウォンのほか国際疾病退治金として1,000ウォンが上乗せされています。

出国税とは、どのようなものでしょうか?

徴収された出国税は観光分野の施策に使われることになっています。例えば空港での出入国審査や、国立公園などでの外国人観光客への多言語案内や文化財のPRなどに使われることになっています。

この税金の徴収により、訪日観光客へのサービスが充実するなら、決して悪いことではないでしょう。ただ出国が多い人にとって負担が大きくなるのは痛いもの。

韓国旅行は航空券以外でどのくらいかかる?~航空券のなかの税金・空港使用料の内訳は?

さて韓国旅行をする場合、航空券以外でどのくらいの金額がかかるでしょうか。成田空港―仁川空港が最も高くなるのですが、12歳以上の大人が往復した場合の金額で計算してみます。※()内は第3ターミナル利用時。100円=1,000ウォンとして計算します。

空港名 空港使用料 出国税+諸税 合計
成田空港 2,610円(1,540円) 1,000円 3,610円(2540円)
仁川空港 17,000ウォン 10,000ウォン+1,000ウォン 28,000ウォン(約2,800円)

往復合計:成田3,610円+仁川2,800円=6,410円(※成田空港(T3利用):5,340円、関西国際空港(T1利用)の場合は5,840円、福岡空港の場合は4,770円となります)

成田―仁川間の移動の場合、航空券と燃油サーチャージの他に約6,500円のお金がかかる、というわけです。空港によっても異なりますが、航空券代金のほかに4,500円~7,000円くらいの金額+燃油サーチャージがかかる、と考えるとよいでしょう。

例えば航空券代金が10,000円というセール商品を見て、「安いかも!」と思って計算してみると、合計で約16,500円になるというわけです。

最近では総額表示の航空券販売サイトもあります。パッと見たときはそのほうがわかりやすく、良心的だといえます。

東京駅からソウル駅まで、航空券代金を除いた値段は?

さて、出国税導入ということで、韓国へ行くのに航空券以外の金額がどれだけかかるか、ということを考察したいと思います。東京駅からソウル駅の移動を基準に以下で見ていきましょう。


[東京駅(提供:写真AC)]

●日本でかかる費用の合計

空港 東京駅―空港の往復料金(最安) 空港使用料 出国税 合計
成田空港 1,800円 2,610円(1,540円) 1,000円 5,410円(4,340円)
羽田空港 1,160円 2,570円 1,000円 4,730円
茨城空港 1,000円 520円 1,000円 2,520円


[ソウル駅駅舎]

●韓国でかかる費用の合計

空港 空港駅―ソウル駅の往復料金(交通カード利用、最安) 空港使用料 出国税他 合計
仁川空港 8,300ウォン(第1ターミナル) 17,000ウォン 10,000ウォン+1,000ウォン 36,300ウォン(約3,630円)
金浦空港 2,500ウォン 12,000ウォン 10,000ウォン+1,000ウォン 26,750ウォン(約2,675円)

そして最後に航空券代金以外で、東京駅~ソウル駅の移動にかかる総額(往復)を発表します!

往復航空券の価格以外の東京駅~ソウル駅の移動、その合計金額は?

●東京駅―ソウル駅の移動にかかる金額(航空券そのものの代金を除く)

空港名 総額
成田空港―仁川空港 9,040円(7,970円)
羽田空港―金浦空港 7,305円
茨城空港―仁川空港 6,150円

自宅から空港までの交通費によっても差が出ますが、大雑把に見積もった場合、空港使用料や税金で4,500円~7,000円程度、さらに空港までの交通費を含めれば6,000円~9,000円ほどかかるということになります。

これに航空機運賃の往復分を含めれば、東京駅~ソウル駅の単純移動の総額となります。

旅にはお金がかかるもの。現地での費用&航空券そのもの以外にもこんなに!

海外に渡航するにはお金がかかるもの。その内訳を紐解いてみると、現地で使う費用や航空券代金そのもの以外にもかなりの費用がかかっていることがわかります。

さらに出国税が課されることにより負担が増しますが、この記事が旅行費用を考える上での参考になれば幸いです。




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