ソウルの地下鉄・バス乗り放題に!「気候同行カード(クライメートカード)」の観光客向けが7月よりスタート。
吉村剛史(トム・ハングル)
2024/05/24 改:2024/05/24 記事初出:2024/5/23
ソウル市では2024年7月より観光客向けの「気候同行カード(기후동행카드)」の発行がスタートします。これは一定期間ソウル市の地下鉄やバスが乗り放題になるカードです。またタルンイという自転車のレンタルにも使用できます。
当初は居住者向けに1か月単位での発売でしたが、それが観光客にも開放されることになりました。
ソウル市の地下鉄・バスの初乗り料金は1400ウォン(2024年下半期~:1550ウォン)ですが、これが定額制となるため、一定以上の乗車することにより、お得にソウル市内の移動ができるようになります。
ソウル市の観光客向けの「気候同行カード」の概要
2024年に5月の発表段階では、短期券は1日、2日、3日、5日券の4種類で、価格は1日券5,000ウォン、2日券8,000ウォン、3日券10,000ウォン、5日券15,000ウォンとなっています。
ソウル市の地下鉄・バスの料金は初乗り基準で1400ウォン(2024年下半期~:1550ウォン)です。もともとソウルでは乗り換え割引が適用されるために、あまり乗車しない方にはお得感はありませんが、1日券の場合、1日に4度以上乗車する場合はお得になると言えます。
ただし金浦ゴールドラインを含むソウル市内の駅・バス停で乗車する場合に使用できるため、他の地域への移動は別途支払いが必要となります。
韓国で「気候同行カード」が登場する理由とは?
韓国では日本以上に車はステータスの象徴となっています。地方に比べたら車での移動割合は少ないのですが、自家用車でソウル市内を訪れたり、移動したりする人は多いのが実情です。
そんななかで公共交通の利用率を上げていこうというのが、「気候同行カード」の目的なのです。また交通費の値上げが進むなか家計負担を減らそうという目的もあり、そんななか2024年1月より、月6万ウォン台で利用できる月額制乗り放題プランが施行されていました。
それを短期滞在客である外国人観光客にも開放する、ということになります。他の国でも同様の定額制パスがあることから、観光での国際競争力を上げるのが目的のようです。
「気候同行カード」には追加特典も
月額制の気候同行カードは追加料金の支払いにより、ソウル市による自転車レンタル(タルンイ)も使用できますが、これが観光客向けのパスで利用できようになるかは不明です。
ただ割引として国立科学博物館の入場料が50%割引になったり、公共施設での公演に対しての割引制度が設けられ、これは観光客にも開放されます。ただし実施されたのちに、追加されたり変更になる可能性もあるので参考程度にとどめておきましょう。
国立バレエ団:定期公演10%割引、ソウル市立科学館入場料:50%割引、光のシアター:現地前売り30%割引、といったものです。出展:気候同行カード 追加特典(ソウル市)
「気候同行カード」を発行する方法は?(アプリ・実物カード)
気候同行カードの発行にあたっては1.モバイルアプリでダウンロードする方法が一つ、2.実物カードの発行となります。
観光客向けが開始される以前の段階では1.モバイルTmoneyのアプリに登録する形(アプリダウンロード)もしくは、2.実物カードをT-moneyのウェブサイトで登録、という形になっています。
実際に観光客向けが発行される段階で、外国語アプリや外国人の購入方法が明らかになると思われます。
既存のTmoneyカードは必要かどうか
それでも既存のTmoneyカードが不要になることはないでしょう。Tmoneyカードはソウル以外の地域でも使用でき、全国的に互換性があります。ソウルへの旅行であっても京畿道エリア、空港鉄道での使用のためにはTmoneyがあると便利です。
そのために今後韓国を訪れる旅行客が今後新しくTmoneyカードを発行するのが良いかはケースバイケースとなりますが、1回限りのソウル旅行だけなら「気候同行カード」の発行だけでも、充分といえるかもしれません。
観光客にはかなりお得
外国人向けの「気候同行カード」の発売で、外国人観光客も交通費を安く抑えさせて、観光での国際競争力が高める、というのが目的だといいます。
それが功を奏するかは疑問ですが、そのほかにはソウル市としては外国人観光客を心理的にソウル市内に囲い込むことが可能になる、という点にもメリットがあるといえるでしょうか。
想定される理由は様々ですが、「気候同行カード」が観光客にとってわりとお得なのは事実。乗り放題でできる限り使い倒し、ソウルの街を歩くのに使ってみてはいかがでしょうか。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール