2016年上半期、韓国にチューハイが登場!~イスルトクトク&ほろよい
吉村剛史(トム・ハングル)
2016/07/09 改:2019/10/01
2016年3月、韓国でついに日本の酎ハイのような低アルコール飲料が登場しました!韓国HITE JINROから発売されたのは「イスルトクトク(이술톡톡)」。その後サントリーの「ほろよい」も韓国に輸出されることになったのです。
韓国にも「酎ハイ」があり、人気があるということをこの記事で詳しくお伝えします。
韓国のフルーツ味のお酒事情!
最近の韓国のフルーツ味のお酒事情を振り返ってみましょう!昨年の春には韓国でフルーツ風味のカクテル焼酎が登場。
柚子濃縮液が入った「チョウンチョロム スナリ」が登場したのを皮切りに、「チョウンデイ(ジョウンデー)」など各ブランドが、グレープフルーツや、ブルーベリー、柚子などの果汁が含まれた商品をこぞって発売したのです。韓国でカクテル焼酎が人気!(2015/5/23)
とはいえ、焼酎ですからアルコール度数は14%ほど。日本で発売されているチューハイは主に3%~9%のあいだですから、低アルコール化しているとはいえ、韓国のお酒は比較的高い度数でした。
時期は定かではありませんが、昨年末~今年初頭からアルコール度数3%ほどの日本のチューハイが、コンビニの店頭にも並ぶようになりました。値段は日本の2~3倍の3,000ウォン強。そこにようやく「韓製チューハイ」が登場!
韓国でチューハイ登場!「イスルトクトク」。
今回、登場したのは「イスルトクトク(이슬 톡톡)」。桃果汁が3.0%含まれており、アルコール度数は3%です。韓国語ではこのようなお酒を「炭酸酒(탄산주)」として販売しています。
ピンクの柄におかっぱ頭の少女の絵柄が書かれており、頬はピンクに染まっています。テレビCM(韓国では「CF」のほうが一般的)には、人気歌手のアイユー(IU)が登場。
ファンデーションを頬にあてて、「パルグレ(발그레)」と言っています。パルグレは「ほんのり赤い」という意味。
今年に入って登場。絵柄が可愛い韓国のほろ酔い系飲料。이슬 톡톡(イスルトクトク)のモモ風味。アルコール度数3%。甘めだが、炭酸が入ってスッキリ。 pic.twitter.com/svofXKth12
— トム・ハングル (@tomhangeul) 2016年7月3日
写真は355mlの缶入りですが、330mlの小びんでも販売されています。炭酸が抜けたらかなり甘いだろうな、という印象ですが、炭酸が入っているので割とさっぱりとした後味。お酒が飲める男性の私はほぼ一気飲み。3%のためあまり酔うことはできませんでした。
イスルトクトク、売れ行きはどうなの?
そんなイスルトクトク。ピンク色のパッケージや、イメージモデルにIU(アイユー)を起用したことからも若い女性をターゲットにしたイメージ戦略がうかがえます。
2016年5月31日の中央日報の記事によると、スーパーでの売れ行きは好調のよう。
大型スーパー3社では、一日に「イスルトクトク」が約1万4000余本(缶)、「ブラザー#ソーダ」が2000余本ほど売れていることが分かった。ビール「Cass」(一日8万缶)や焼酎「チョウムチョロム」(一日4万本)中央日報(2016/5/31)記事より引用
ビールや焼酎には及ばないものの、それなりの販売数を記録しており、ヒットの様子がわかります。イスルトクトクに呼応して、各社が炭酸酒を続々と登場させています。
ちなみに3%マッコリもあった・・・!
2012年には3%のマッコリが発売されたこともありました。その名もICing(アイシン)。マッコリ臭さをあまり感じさせず、グレープフルーツ風味で女性にも飲みやすいお酒です。
次は酎ハイ登場か?と思いつつも、iCingの発売から3~4年が経過してしまいました。
日本のサントリー「ほろよい」も輸出開始!
それに続いて、日本のサントリー「ほろよい」も韓国に輸出を開始しました。「イスルトクトク」の登場に呼応したのでしょうか。
ちなみにSUPER JUNIORのイトゥクの冷蔵庫には日本のチューハイがいっぱい、というテレビ番組での話題もありました。Kstyle(7/9 9:58 追記)
「ほろよい」は、韓国のコンビニでは3,000ウォン(約300円)以上の金額で販売されているとのことで、より注目度が高まっています。
韓国にサントリーの「ほろよい」が輸出開始、というニュース。今年から韓国のコンビニで日本の缶チューハイを見てはいたのですが、日本の3倍以上なので購入はしなかった。正直「やっと出た」という印象。日本からの旅行客は買うかな?https://t.co/pucvDxh0HC (朝日)
— トム・ハングル (@tomhangeul) 2016年6月11日
ちなみに韓国では、日本ビールもよく売れています。ここ最近、海外ビールが人気で、韓国のコンビニに並ぶようになりましたが、特に日本ビールの人気は高く、2015年8月19日の中央日報では「韓国人の日本ビール愛・・・輸入ビール3本に1本」と報じられているほど。中央日報(2015/8/19)
最近では「キリン 一番搾り」といった日本のビールが4本セットで10,000ウォンで販売されているといい、輸入ビールとはいえ、日本のビールと同程度の値段になったといえます。
チューハイも今のところ少々値段が高いのはネックですが、もしかしたら今後、もう少し手頃な価格になるかもしれません。
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一昔前は「韓国人はお酒が強い」というイメージがありましたが、近年若い人は「お酒を飲まない」という人も増えています。そんななか低アルコールの炭酸酒が登場したのです。
ちなみに3%では、お酒が飲める人が飲むにはちょっと軽すぎるかな、という印象。「もう少し強いほうがいい」という声があがったりすれば、日本のチューハイと同等のアルコール分6~9%ほどの炭酸酒も登場するのでは?と予想しています。
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール