釜山・海雲台おすすめ散歩道~タルマジキル(月見の道)
吉村剛史(トム・ハングル)
2015/03/29 改:2019/05/15
韓国を代表するビーチといっても過言ではない釜山の海雲台(ヘウンデ)海水浴場。夏には国内はもちろん、海外からも観光客たちが訪れます。ビーチの北側、つまり、浜辺から海を見たときにちょうど左側に目を向けると、小高い丘を望むことができます。
ここの丘に面した道路がタルマジキル(달맞이길)、直訳だと「月迎えの道」とでもしておけばよいでしょうか、「月見の丘」と呼ばれています。
そんなタルマジキルを散策してみましょう。
海雲台(ヘウンデ)と月見の名所、タルマジキル
タルマジキルへのアクセスは、海雲台駅のとなり、地下鉄2号線中洞(チュンドン)駅が便利。徒歩で登ると20分ほどだそうですが、タクシーに乗ればワンメーター、もしくはそれに近い金額で到着する距離。
タルマジキルから(左:広安大橋、右:海雲台)
タルマジキル全体は8キロほどあるそうですが、駅から頂上までは5分強。道沿いにはペンションなどの宿泊施設や、チムジルバンなどがあります。
タルマジキルの一番の魅力は、釜山の海が一望できること。丘の中腹には、海雲台(ヘウンデ)海水浴場と、広安大橋(クァンアンテギョ)を一度に眺められる展望台があります。
タルマジキルにあるチムジルバン、VESTAリゾートに入ったのですが、これがまたおすすめ。浴室がガラス張りになっていて、窓際から海が一望できるのです。そしてチムジルバンからも同様で釜山の夜景を一望できます。
☆チムジルバンの情報
VESTA(ベスタ)リゾート
住所:釜山広域市海雲台区タルマジキル117番キル17-7
海雲台と広安大橋は釜山を代表する海の名所。地下鉄だと数駅離れているのですが、真上から地図を見ると海岸線はつながっており、実際はそれほど遠くはありません。それを一望できるのがこの場所なのです。
頂上を目指して
「ここをずっと上がると頂上ですよ」。運動がてら歩いているジャージ姿の若い男性に、道を尋ねてみると、そう教えてくれました。ここは地元の人たちの散歩コースにもなっているようです。
そして、ドライブコースでもあり、車が坂道を駆け抜けていきます。閑散期の朝の時間帯でしたから、それほど交通量は多くありません。きっと夏の繁忙期は混み合うのでしょう。
そして春は桜の名所としても知られており、もし桜の時期に釜山を訪れるならば、タルマジキルに立ち寄ってみるのもよいのかも。
中腹のVESTAリゾートから歩いて徒歩10分。タルマジキルの頂上にあたるのが「海月亭(ヘウォルジョン)」という東屋。天気が良いと、対馬が見えるそうです。
しかしここには案内版がありまして、釜山から見える対馬は蜃気楼によるものなので、本来、肉眼では見えないとのこと。
そして、タルマジキルにはおしゃれなカフェやレストランが集まっており、窓際で海の景色を眺めながらコーヒーを飲んだり、食事を楽しむことができます。
デートスポットとしても有名な場所だということですが、時間がゆるすならば、ここでのんびりと過ごしたいものです。
東海南部線の廃線跡を歩く
タルマジキルの下には線路があります。東海南部線(トンヘナムブソン)という列車が走っています。釜山の釜田、海雲台、機張を通って、慶州、浦項へ行く路線なのですが、海沿いの線路が一部移転となり、廃線跡の4.8キロが2014年3月にウォーキングコースに生まれ変わりました。
丘のちょうど下にあたる海雲台(ヘウンデ)~松亭(ソンジョン)駅間は、車窓から絶景が見渡せる場所として有名でした。私もこの列車に一度乗ったことがあります。
走っている電車なので、じーっと眺めていることはできませんでしたが、歩きながらゆっくり楽しめるというのは魅力です。ただ列車の高さから海が見られなくなったのはとても残念ではあります。
線路の石(バラスト)をつかみ、写真を撮ってみました。後ろには派手なウインドブレーカーを身にまとった人たちが歩いていきます。天気がよい日にはなかなか心地よいウォーキングコースです。
コースは海雲台の遊覧船乗り場のあたりでちょうど行き止まりになります。海のほうに向かっていくと食堂が集まっています。
海雲台の船着場にあるソッシウォナンテグタン
テグタン(대구탕)とは、タラの鍋のこと。韓国ではスケトウダラも鍋料理の具材に使われますが、テグタンで使われるのは、日本でもおなじみのマダラ。どちらも辛いスープで食べることが多いのですが、このあたりの食堂では、透明のスープで出てきます。
ちなみにソウルの三角地駅にあるテグタン横丁では、みずみずしいセリが入った、赤くて辛めのスープのテグタンが食べられます。参考記事:冬はホットにタラ鍋が美味しい
ソッシウォナンテグタンは釜山の人にはよく知られている名店のようで、前日、テグタンを食べたいと釜山の友人に話したらこのお店の名前がすぐにあがりました。
テグタン(9,500ウォン)を注文すると、しばらくして器が出てきます。ふわりと湯気があがり、顔にかかります。一人用の器に入っているといっても、タラの切り身が一つ入っているだけにはとどまらず、スプーンで一度に持ち上げることができないほど、たっぷり入っています。
スープは辛くないと見せかけて、きっと唐辛子を煮込んだのであろう、すすると少々ピリ辛。
ただし、ほどよくピリッとくる程度なので辛さを気にするほどではありません。辛いものが好きな方は添えられて出てくるタデギ(辛味)を入れればOK。
<店舗情報>
海雲台ソッシウォナンテグタン
住所:釜山広域市海雲台区 タルマジキル62番キル 28
最後は海雲台ビーチに到着!
お店を出て海雲台のビーチを眺めると、青々とした海が広がります。今回はシーズンオフの時期に訪れましたが、夏には海水浴を楽しむ観光客がたくさん訪れます。
釜山の地元の方にもデートスポットとして、観光地として親しまれているタルマジキルにぜひ一度出かけてみてはいかがでしょうか。
トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
釜山の海といえば、海雲台(ヘウンデ)があまりにも有名ですが、タルマジキルを挟んで位置する松亭海水浴場(ソンジョンヘスヨクチャン)は穴場スポット。ゆったりとしたビーチの雰囲気を楽しみたい方はこの場所がおすすめです。参考記事:初夏の松亭海水浴場
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール