ぼったくりに補償金ってどういうこと!?
吉村剛史(トム・ハングル)
2014/01/26 改:2014/01/26
韓国旅行のマイナスイメージとして、どうしても付きまとうのが「ぼったくり」。韓国の良いところを紹介したいと、日々ブログにまとめていますが、やはり悪い面もしっかり見ておかなければなりません。先週、韓国旅行でのぼったくりに関する驚きのニュースがありました。
●ぼったくりに補償金!?
今月からソウル市内の7カ所の観光特区でぼったくりの被害に遭った外国人観光客に対する補償制度が実施され、最大30万ウォン(約3万円)まで補償を受けることができるようになった。
<聯合ニュース(原文)より引用/日本語 1月22日)>
最初の情報は1月22日付の聯合ニュースでした。観光特区で被害にあった場合、その分をソウル市観光協会や地区の協議会に補償してもらえる、という内容です。この観光特区とは、主に古くから観光が盛んな地域、明洞や南大門、東大門などが指定されています。補償にはもちろん証拠が必要で、領収書などを持っていかなければなりません。
●どうやって立証するの?
まず私が疑問に思ったのは、ぼったくりの被害をどう立証するか?ということ。購入したレシートがあればよいですが、不当な値段で販売する人が果たして領収書を出すでしょうか?
また領収書を得られたとしても、他店と1万ウォン(1000円)くらいの差だったとした場合、必ずしもぼったくりといえるのだろうか、という点も謎です。
●私もぼったくりまがいに
私は幸いにも、旅先でこれといった、ぼったくりの被害にあったことはありませんが、生活しているなかで一度「ぼったくりまがい」にあったことがあります。
プリペイド式携帯電話のチャージをしに行ったとき、5万ウォン札を出しました。すると、店を出て確認したところ、なんと2万ウォン分しかチャージされていないのです。あとでお店に戻って文句を言ったところ、「2回に分けてチャージしたんだよ、ちょっと待ってくれない?」というのです。
次の日になってもチャージがされていないので、2回も3回も足を運び、授業で習った韓国語を使ってまくし立て、とにかく文句を言ったのです。「わかったわかった」という素振りで、「いいから出ていって」とジェスチャー。店を出て数十秒後に、残りの3万ウォンチャージ完了のメールが届きました。
私は住んでいたからよかったものの、時間がない観光客にとっては、店に足を運んで返金してもらうなんて不可能です。
<写真はイメージです>
●結局は予防策的な制度
韓国は近年「観光大国」を目指すべく、様々な施策を打ち出しています。ソウル市でも観光地に案内員を配置したり、観光警察を配備するなど、かなり力を入れています。
しかし結局のところ、「ぼったくり」のすべてを取り締まるのは不可能なのでしょう。被害の立証が難しいのも、きっと協会担当者はわかっているはずです。
全部取り締まることが不可能なゆえに「補償制度があるから、いざという場合にもご安心を」と言っておくことで、ソウル観光へのイメージダウンを回避しようという考えなのではないでしょうか。つまり印象が下がってしまうことに対する予防策だと思うのです。
とはいってもぼったくりに合わないとは言い切れませんから、万が一旅先でぼったくりにあったときの通報先も確認しておきましょう。
●韓国はコールセンターも充実
韓国では電話による問い合わせ先がとても充実しています。このブログでも何度か紹介している通り、ソウル市タサンコールセンターは「局番なし:120」、観光案内電話は「局番なし:1330」です。
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吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。ライター、他。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上・江原道全18市郡を踏破するなど、自分の目で見聞きした話を中心に韓国関連情報を伝えている。2021年1月にパブリブより初の書籍『ソウル25区=東京23区』を出版。2022年に韓国語能力試験(TOPIK)6級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得。 ※韓国に関する記事制作やその他のご依頼もご相談ください。お問い合わせ 筆者プロフィール