仁川アジア大会開催直前レポ―ト
 2014/09/16 吉村剛史(トム・ハングル)

今年(2014年)9月19日から10月4日まで開催される仁川アジア大会。あと数日で開催される、仁川(インチョン)の様子を見てきたので、ちらっと紹介したいと思います。

●仁川は空港だけではない!?
韓国旅行やビジネスの玄関口となる仁川空港。しかしソウルへ訪れる際の通過点にすぎず、仁川には見向きもせず、通り過ぎてしまう人が多いのが実情です。仁川市の人口は約290万人で、韓国の自治体で3番目の人口を誇る巨大都市です。

仁川はソウル近郊の港町。観光地として有名なのはチャイナタウン。日本史の教科書にも出てきますが、1876年に結ばれた不平等条約、日朝修好条規(江華島条約)により、1883年仁川が開港します。アメリカとの条約によって開港した横浜に中華街があるように、仁川にも中華街があります。この仁川港から日本や中国といった外国からの文化が流入するようになるのです。

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仁川中華街

そして朝鮮戦争のときのマッカーサー率いる連合国軍による起死回生の大作戦、仁川上陸作戦の舞台にもなりました。仁川の自由公園にはマッカーサーの銅像があります。歴史が感じられる都市でもあり、黄海(西海)に面していて海産物も美味しい!機内から外を眺めると島がたくさん見えて、広大な干潟が広がっています。

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空港鉄道の車窓から望む干潟

●仁川メインスタジアムに行ってみた!
さて、立ち寄ってみたくなったのは仁川アジア大会のメインスタジアム。ここでは開幕式、閉幕式と陸上競技が行われる予定となっています。仁川空港から空港鉄道の一般列車に乗り、約15分の黔岩(コマム)駅で降りてみました。

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大会開始の6日前、9月13日の土曜日。ホームにはわりと多くの人がいて、若い人たちの姿が見られました。開催前だからなのか、週末だからなのかわかりません。駅のコンビニには、仁川アジア大会での韓国応援の横断幕がかかっていました。

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駅前には仁川アジア大会のマスコットの像があり、秋の青空が広がっています。近くにいた男性に生き方を尋ねてみたら、「バスでも行けるけれど、タクシーで行けば4,000ウォン(約400円)もかからないくらいだよ」と言われ、駅前にずらりと並んでいた先頭のタクシーに乗りました。

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●タクシーの運転手さんとの会話
駅待ちのタクシー。短い距離だから乗車拒否されるかと不安になったのですが、「私も(競技場には)一度も入ったことないんですよ、一回行ってみなくちゃね」といいながら、メーターのスイッチを入れました。

乗るやいなや「どこから来たの?」と運転手さん。「日本からです」と言ったら「何で韓国語喋れるの?」と尋ねられ「前に住んでいたんですよ、韓国に関心がありまして…」とそんな会話を交わしていたら、運転手さんは「姪っ子が日本に住んでるだよ、私は一度も行ったことないんだけどね」と。

韓国に行って会話をすると、息子や娘が留学している、あるいは親戚が日本に住んでいる、という話をよく聞きます。

「最近、外国の記者たちが多いんですよ、さっきは中東かどこかの人が何人か来て、乗馬場を見ていったね」「観光客も増えましたか?」「多少はね。」「じゃあ、商売上手くいきそうですね?」「まぁ、そうだね(苦笑)」

●仁川アジア大会メインスタジアムへ

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会場の中央にある駐車場で下してもらって、メーターは4200ウォンでした。開放感あふれる新しい会場。工事は終わっているようで、いろいろな資材を搬入して準備も落ち着いていた様子。会場の外にはスタッフの方々がオリエンテーションをしているところでした。

もう準備万端、のようですが問題はチケットの売れ行き。9月14日の聯合ニュースには、こんな記事がありました。

인천아시안게임 대회 조직위원회는 “14일까지 개·폐회식을 포함한 전체 입장권 판매율이 약 18% 정도로 집계되고 있다”고 밝혔다.이 가운데 한국 대표팀의 야구 경기와 박태환(인천시청)이 출전하는 수영, 손연재(연세대)가 나서는 리듬체조 등의 입장권은 일찍 매진됐다.

訳)仁川アジア大会組織委員会は「14日まで開閉幕式を含んだ全体の入場券販売率が約18%程度と集計されている」と明らかになった。このなかで韓国代表野球競技と、パク・テファン(仁川市庁)が出る水泳、ソン・ヨンジェ(延世大)が出るリズム体操などの入場券は早くに売り切れた。」聯合ニュース(9月14日/韓国語)より引用

この新聞記事からもわかるように、韓国はわりとマイナーな競技が強い傾向があります。チケットの人気の度合いもまさにそんな様子。仁川のサウナで、会話を立ち聞きしていたら「テコンドーとかはよく売れているけれど、サッカーとかはあまり売れ行きが良くないみたいだよ。」という話でした。

しかし、韓国のイベントの盛り上がりは蓋をあけてみないとわかりません。始まったら騒ぎ出して、ある程度埋まる可能性もあります。2012年の麗水万博の時もそうで、開催されてから大幅値引きして一気に目標動員を達成したことがあったほどです。

●会場の中は見られませんでしたが・・・。

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会場は外側からしか見られませんが、もう間もなくといった雰囲気。会場で警備の方に道を尋ねると、とても親切で驚きました。「外国からのお客様を受け入れる」といった意識が、しっかり整っているのでしょうか。決して無理に褒めようとしているわけではありません。なかなか良い感じ。

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会場付近は川が流れていて、新しく建てられたスタジアムを見ているととても心地よく感じられました。秋晴れとともに、各国の国旗が空に翻ります。仁川の各競技場で日本の選手たちにも活躍して頂きたいものです。

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仁川アジア大会、日本ではTBSテレビで放映されます。成功裡の開催、そして日本選手たちの活躍、開催国となる韓国をはじめ、他の国々の選手たちの健闘を祈りつつの直前レポートでした。

↓仁川アジア大会に関する観光情報はこちら
仁川アジア大会の旅行・観光ガイド

トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
・「日本と韓国、どっちを応援するの?」と嫌味っぽい質問はご勘弁を(笑)
・日本人なので日本の選手を応援しますが、各国の選手のご健闘を祈っております。
・今回行けない方も仁川アジア大会終了後に、仁川を旅してみてください。



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。31歳。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、地方にも関心が高い。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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