八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理
 2014/07/24 吉村剛史(トム・ハングル)

円安ウォン高、そして日韓関係の悪化など、韓国旅行にとってはマイナス要因が続く昨今。しかし、ソウルだけでなく地方に足をのばす人は、コアな韓国好きの方々のなかでは日に日に増えているように感じます。韓国の地方に出かけて、景色を見たり、歴史を知ったり、そして食べものを味わったり。それぞれの好みにあわせて旅に出ます。

そんななかついに出ました。コリアン・フード・コラムニスト、八田靖史さんの新刊!その名も「絶品!ぶっちぎり108料理 八田靖史と韓国全土で味わう」。全国に足を運んで食べつくした料理を一挙に紹介するという、ボリューム満点のガイドブックです。


三五館 価格1,600円+税(1,728円)

★コラムニスト八田靖史、15年のキャリアが詰まった本

本の帯には「15年をかけた究極の韓食紀行!」と書かれていますが、著者の八田靖史さんは1999年の韓国留学時代からなんと15年間にわたり各地の料理をあちこちに食べにいき、現地でしっかり、お話を聞いて取材され、そのなかから厳選した料理が選ばれています。

私も韓国にいるあいだ自主取材に同行させていただいたことがあります。コバンザメのように料理をいただいていたことはもちろんですが、語学力と機動力を生かし取材をされている姿を見ておりました。

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<盈徳(ヨンドク)郡のズワイガニ>

本にも掲載されている盈徳(ヨンドク)ガニの取材のときには、ちょうどお祭りの時期だったのです。八田さんが取材により美味しい店を探り当てて食べている途中に、そのお店がズワイガニ通りの優良店として「金賞」を受賞!現地の聞き込みと下調べでしっかり名店を探りあてていました。

☆Web上には15年の軌跡も!
八田さんの15年間の軌跡はWeb上には残っています。当時20代中盤だった八田さんの日記やエピソードには、留学時代に地方の食堂で話を聞けたことの喜びが存分に伝わってくる内容だったり、と初々しさがリアルタイムで伝わってくるようです。

私も地方の旅をはじめたころ徐々に言葉がわかるようになっていき、地元の方から話を聞けたことが嬉しかった覚えがあります。というのは八田さんより10歳年下の私にも、10年強のタイムラグを通じてリアルタイムに感じられます。それを思うと「15年の経験から選んだ108料理」の重みは、よりズッシリと感じられます。

★本の説明
「ゼッタイ損はさせません!」と帯に書かれた言葉。私がこの本を手にとって開いたとき、何を感じたかというと「これで1600円+税でいいの?」。15年かけて全国に自ら足を運び、しかもオールカラーで料理の写真も大きく豪快に。売るなんてもったいない!?

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<ソウル・馬場洞のセルフ式焼肉店「コギインヌンマウル」にて>

巻頭には「八田」の「八」ということで、じゃじゃんと韓国料理ベスト8が掲載されているほか、そのあとには地域ごとにベストを発表しつつ、1000件以上の店を食べ歩いたなかから、総勢108の料理が選ばれています。ところどころに「韓国人と付き合う」「韓国人と遊ぶ」「韓国人と飲む」という、現地の楽しい様子が掲載されています。

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<韓国の登山風景(写真はイメージです)>

冒頭の「本書の読み方」にもありますが、店の選定基準は美味しさだけではなく、「地理的な要素、文化的な要素、歴史的な要素、人的な要素」など地域の特色が詰まっている、と記されていますが、単なるグルメ紀行ではなく、ところどころに韓国の様子を知ることができたり、食べもののエピソードが込められています。

★韓国地方旅行研究家トム・ハングルの視点

取り集めた豪快な食べものの写真とともに、地域の説明や料理の背景、お店の人とのやりとりなどがぎっしり。160ページの本ですが、250ページ分あるかもしれない!といえるほど、韓国を訪れる旅行者にとっては重量感でいっぱいの書籍に仕上がっています。

巻末のコラムには、地方を食べ歩くべき理由について触れたコラム記事が書かれているのもポイント。「地方の料理と食材を発掘するのは今こそ」と、小見出しにもありますが、近年、韓国国内でも地方観光の積極的な広報が行われており、全州や大邱など、特に中規模以上の地方都市は、外国人観光客を誘致しようとWebでの発信にも力を入れています。

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<江原道・襄陽(ヤンヤン)郡の薬水釜飯>

そのような地方都市から、何もないかもしれない小都市にも足を運んでみると、意外にも地元の人が親切にしてくれたりします。本にもところどころに小都市のグルメが織り交ぜられているので、出かけた都市からちょっと足を延ばしてみても面白いでしょう!本はもちろんのこと、ウェブサイト、ブログ等などの情報も参考にしながら出かけると、より楽しめるはずです!

★トム・ハングルがおすすめする本のメリット

やはりこの本の魅力はあらゆる地方の料理が知れるだけではなく、地方への旅を勧めるガイドブックの役割を果たす本になっていること!細かな地図や地域マップこそは掲載されていませんが、本の情報を頼りにしたり、人に尋ねたり、インターネットで調べてみたり、観光案内電話1330を利用したりと右往左往(?)、のらりくらりと歩くのも旅の楽しみです。

とにかく本で魅力的な料理を見つけたら、あまり気構えせずに地方へ飛び出してみましょう!「八田靖史と韓国全土で味わうぶっちぎり108料理!」 おすすめです!

「八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理」八田靖史 著 三五館 価格1,600円+税(1,728円)

<評価表>※評価は主観的なものです。

お役立ち度   ★★★★☆
マニアック度  ★★★★★
ビジュアル度  ★★★★★
リアル度    ★★★★★
オモシロ度   ★★★★☆



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トム・ハングル(吉村剛史)
吉村剛史(よしむら・たけし) 1986年生まれ。31歳。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でデビュー、その後韓国旅行、語学Webの編集・ライターを経て、文化センター講座、トークイベントでの発信も。1年8ヵ月のソウル滞在経験のほか、韓国100市郡以上を踏破するなど、地方にも関心が高い。平昌五輪開催の江原道公式ブログにも寄稿中。プロフィールお問い合わせ


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